社員に対する思いとは裏腹に･･･

お話を読ませていただいた限りではいくつかのポイントがあるように思います。
一番大きな問題は、実はあなたの孤独感ではないでしょうか。
それは経営者という肩書きを持つ者全員に共通するものかもしれません。
仕事でもプライベートでも、最終責任を持って決断しなければいけませんね。
特に仕事では、一つの決断が社員の生活を左右することだってあるわけですから、相当なストレスや緊張を強いられる場面も少なからずあるでしょう。
そういう意味では、あなたが自分を出せる場所、ほっと息のつける場所、弱さでも悲しみでも寂しさのすべてを出せる場所。
そんなところを欲してらっしゃるのではないでしょうか。
もし、そんな場所が自分にないと感じてしまっているとしたら、その分だけ、この経営者としての肩書きを投げ捨てたくなる瞬間もあるでしょうし、また、何も知らずにのほほんと文句を言っている社員に対する怒りも募ってしまうだろうと想像されます。

本来の自分、会社を起こして意気揚揚と仕事に励んでいた頃の自分を今はどんな目で、どんな思いで振り返られるでしょうか？
その時の情熱を元に頑張って頑張って今日まで生きてこられたと思います。
そして、社員の自主性を重んじ、自由に仕事ができる環境の構築に身を裂いて、また、大きな目で社員の成長を見つめながら今日までやってこられたのではないでしょうか。
そのために、我慢もたくさんされたでしょうね。
今はそんな頑張りや我慢が心の限界点を越えてしまったのかもしれません。

心からほっとできる場所、これを自分なりに見つけることが今一番必要なことかと思います。
それは会社の中というよりも、外に求められる方が良いでしょう。
何かの集まりでもいいし、こういうカウンセリングやグループセラピーという場でもよいでしょう。
要はあなたが「社長」という肩書きを外せる場所を作り、自然な自分に戻れる場所を作る事が一番大切のように感じました。

> 私はある会社の経営者です。社員の自主的なやる気を求めて、ゆるやかにしていたら、野放し状態のようになり、上司の私に向かっても言いたい放題です。

社員の皆さんは、あなたに頼りっきりなんですね。
それは辛いですね。
自分の気持ちが伝わっていない現状は本当に心苦しいと思います。

> わたしは共同経営者を求めているのに、社員はあまりにも自立心が無く、私の思っているような責任や仕事の仕方をしません。こちらに悪いところもあると思いますが、どちらにも原因があると思います。

そうですね。お互い様な部分もあるのかもしれません。
あなた自身の中に、行き所の無い怒りや不満が渦巻いてしまっているのでしょう。
その怒りや不満もまた処理すべき感情のように思います。
シンプルですが、怒りを感じている相手に優しくしたり、物事を任せたいとは誰も感じないと思います。
怒りや不満ではなく、信頼と理解の上でしか、それは不可能ですね。
そんな自分になれるように、またそんな部下を選び、育てられるように自分自身を変えていくのも一つの手段かと思います。

「信頼」と「甘やかす」ことが微妙に違うように、優しさの中にも厳しさが求められます。
あなたが間違っている、というわけではもちろんありませんが、今起きていることを振り返ってみるつもりで考えて見てください。
もし、自分が社員の自立性を奪っているとしたらなぜだろう？と。

> この悪循環のストレスから逃れたいと思っていますが、どのように改善して行ったらよいでしょうか？基本的には精神が強い方だと思っていましたが、今はとてもまいっています。

お疲れのようですね。
何かその精神的な強さが今の状況を引き起こしているようにも思えます。
あなたが強すぎれば、周りの人たちは弱くなるほかなくなるのが集団心理でもあります。

ですから、そのカギはあなたの弱さにあります。
抽象的な表現ですが、あなたが自分自身の弱さを受け入れ、そして、それを許せた分だけ、あなたを支える社員が強さを発揮していきます。
なぜかというと、人はみな、役に立ちたい、助けたい気持ちになるから。
あなたが強すぎてしまったとしたら、どうしたらあなたの役に立てると思えるでしょうか？
自分の弱さを嫌っている分だけ、社員があなたに弱さや情けないことをぶつけてくるとは感じられませんか？

あなたが強さを手放し、弱さを受け入れるときができたとき、協力者を迎える準備が整うでしょう。

素直な自分を出せる場所、そして、そこで弱った自分を許していく事をテーマにしていただけたら、と思っています。

それでは。