こんにちは、平です。
心理学では、よく“投影”という言葉が出てきます。
これは、自分自身が考えたり、感じたりするのと同じようなことをパートナーも考えたり感じたりしているだろうと思うことです。
たとえば、彼が会社の同僚の女性たちと飲みにいったりすると「ひょっとして、彼は浮気をするのでは?」と考えることはありませんか?
じつは、この考え方の土台にあるのは、「もしも、私が彼と同じような状況ならば、そして、上手に誘われたりしたとしたら、ひょっとして、自分は浮気してしまうかもしれない」というあなたの信念です。
そこに、「自分にははたして、彼に愛され続けるほどの魅力があるのだろうか?」という自己懐疑が重なると、あなたの中の嫉妬の気持ちはどんどん強くなっていきます。
そんなふうに感じれば感じるほど、あなたの中では、彼を愛する気持ちではなく、彼を疑う気持ちが強まっていきます。
そして、疑いにばかりエネルギーを投資し、彼を愛していない度合いだけ、「彼も私のことを愛してくれていないのでは‥‥」という思いが強まって、状況を悪くしていったりするわけです。
でも、もちろん、彼には彼なりの考え方、感じ方があります。
それは、あなたが投影したこととはぜんぜん違うかもしれませんよね。
彼があなたとおつきあいしているということは、少なくとも彼にとっては、そのへんの女性たちよりも、あなたのことがぜんぜんよく見えているし、あなたのことを大好きだと思っているといえるでしょう。
ところが、あなたは、彼との恋愛ストーリーの主人公になるにふさわしい魅力が自分にはないと感じてしまっています。「だって、佐々木希ちゃんや北川景子ちゃんと比べて、この私ときたら‥‥」などと。
まさか、彼の目から見たら、あなたが佐々木希ちゃんや北川景子ちゃん以上の存在であるということを、あなたはまったく信じられないわけです。
あなたが、彼に感じるいちばんの疑いは、「私のこと、きっと、愛していないんでしょ」という思いなのですが、ここでちょっと考えてみてくださいね。
事実はどうであれ、「彼に愛されていない」と感じてしまったその瞬間、あなたは、「私を愛してくれていない彼」に愛情を感じるでしょうか?
感じないですよね。すると、当然、あなたは彼に愛を向けることはありません。
あなたは、自分のハートの中に彼に向ける愛がないことを感じます。
そうすると、こんどは「彼を愛していない私を、彼が愛するわけがない」と感じてしまいます。
そうして、こんな言葉が出てくるのです。
「あなたは私のことを愛していないのね」、という。
しかし、もとをたどっていけば、愛していないのは、じつはあなたのほうだということがわかるはずです。
ただ、いま述べた一連の心の動きは、一瞬のうちに脳によって処理されています。
だから、あなたは、「彼が私のことを愛してくれないので、私は彼に怒りを感じるし、彼を愛することもできない」と感じ、すべてを彼のせいにすることでしょう。
でも、ここで、「怒っているあなた」のことを、彼はますます愛しにくくなるという事実だけは理解してくださいね。
私はそれは多くのカップルのケンカやトラブルに関するご相談を受けてきました。
そして、その多くの場合に感じたのが、いちばん大事なことは、「彼がどんな人であるか」ということよりも、あなたが「自分は愛されるにふさわしい」と思っているかどうかということです。
「私は彼と上手くやっていきたいのだけれど、彼は私を選ばす、浮気ばかりしている」という悩みをもつ人もいらっしゃいますが、でも、「そんな彼にしてしまったのは、私」ということもできるのです。
私たちは、「愛情を受け入れるには、自分はなにか不十分だ」と感じているようです。
その理由は、人それぞれかと思いますが、もし、あなたがそんな自分から脱したいと思うならば、あなたの愛を求めているだれかを愛してあげてください。
それは、ひょっとして、ご両親かもしれません。きょうだいかもしれないし、職場の同僚かもしれません。その人たちを、しっかりと愛してあげてください。
あなたがだれかを愛した度合いだけ、あなたは自分が愛されるにふさわしいと感じることができるのです。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!