娘・依存症の母について

相談者名
ミサ
現在29歳、9年付き合った彼と婚約し、実家近くにマンションを借りたところです。
彼との新生活でこれからウキウキな気分になるべきなのに、実は私の母は
心療内科に通っていて(原因はもともとの自律神経失調症にくわえ、祖父の
介護ストレスです)
現在、リーゼ、ドグマチール等の安定剤を飲んでいますが、薬恐怖症でもあり、飲んだり飲まなかったりでしているようで、指摘しても勝手に容量を変えてしまいます。

また、一人っ子の娘(私)に対してとても依存心が強く、「あなたに何かあったら私も死ぬわ」「嫁に行くのは嬉しい…けど、できれば同居してほしいのよ」「欲しいものは何でも買ってあげるからね」など、とにかく執着してきます。
私は、例え自分の母親でもある程度は距離をたもった方がいいと思い、また、彼も同居は反対だったので、とりあえずせめて実家近くのマンションを探そう、と頑張って母の希望通り近くにしたというのに、実家から徒歩15分なのに「遠すぎる」と言われ、最近では「合鍵を作りたい」「あなた達のいない日は掃除をしてあげる」「料理を作ってあげる」と、とにかく私達の間に入り込もうとしてきます。
私は自分の母親なのでともかく、彼は、少しウンザリ気味です。
(彼は、私と二人でやっていきたい人なので、親の感傷はストレスになる)

「私は彼と二人でやっていくから、お母さんは私達を応援しててね」と、トゲのないように言うと、精神状態が悪化して
「それはつまり私は邪魔ってことね!?あなた達は私を遠ざけたいのね!!!この親不孝者!!」と、逆上して、暴れ発狂し、最後は大泣きして大変です…
かと言って、精神科に入院してくれなんて言ったら、絶対悲しむし。

私も新生活を充実させたいのに、お先真っ暗で今は全てがつまらないです。
母も介護でストレスがたまっているのはわかります。(祖父は父親)
(認定は受けていますが要支援程度で施設などは無理です)

彼にも迷惑をかけず、母も穏やかになるには、どう接したらいいのでしょうか…
自分の家庭も大事にしつつ、実家に戻って母の相手もしつつ、掛け持ち状態で
生活するしかないのでしょうか。(私は頭痛持ち、胃痛持ちでタフではないのでつらいです)

カウンセラー
嶽きよみ
ミサさん、はじめまして。
今回 担当させていただきます、嶽きよみ と申します。

長くお付き合いして来られた彼と婚約されたばかりということで、おめでとう
ございます。
本当なら手放しで幸せを満喫していらっしゃるところなのに、お母様との関係
について今後のことが少し心配になってこられたんですね。

彼もお母様も どちらもミサさんにとって 大切な人なので、今 板ばさみにな
ってとても辛い思いをされていらっしゃることと思います。

これからみなさんにとって、少しでもいい方向に進んでいけるよう お手伝い
できればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

まず、お母様が娘のミサさんに対して 強い依存をされているということにつ
いて考えてみたいと思います。

ミサさんが一人っ子ということもあって、お母様はミサさんのことを とても
大切に育てて来られたのではないでしょうか。
もしかしたら、お母様にとっては 自分とミサさんが一心同体のような、唯
一の自分の味方のような、そんな気持ちさえ抱いていらっしゃるのかもしれま
せん。

母親にとって子供というものは、自分のことを全面的に認め、無条件で愛して
くれる、とてもとても大きな存在です。
時には、それが小さな子供であっても、母親に対して「親」のような感覚を持
ってしまう場合さえあるようです。

ミサさんのメールの文面からも、お母様に対しての 愛情や理解がとてもよく
伝わってきました。

しかしながら今の状態は 「母子癒着」という状態になっているのではないか
と思われます。
これは、その言葉からも分かるように 二人が接着剤でぴったりとくっついて
いるような状態のことです。

通常、子供が小さいうちは それはごく自然なことで、母親から愛されてい
る感覚もそこから学びます。そして 思春期の頃になると、今度は子供が親に
反発することで子供の自立が進み、大人になっていく、というプロセスをたど
ります。でも、そのプロセスがなんらかの理由でうまく行かなかった場合、大
人同士の関係を築くことがなかなか難しくなってしまったりするんですね。

つまり、今のお母様の感情としては、ミサさんが結婚することで、自分が一人
になってしまう不安、というのが一番大きいのではないかと考えられます。
そのため「干渉する」とか「世話を焼く」というミサさんが子供の時のまま
のやり方を継続しようとしてしまったり(そんなことをしなくても、親子は親
子のままずっと変わらないのですけれどね)、逆に自分が捨てられるかのごと
く悲しくなってしまったり、という感じでなのではないでしょうか。

とは言え、これから一生 ミサさんとお母様がべったりとくっつきながら過ご
していくわけにもいかないので、ミサさんの幸せな結婚のためにも、この癒着
の関係をを取っていく必要があるかと思うんですね。

お母様との癒着を切っていく、というのは、物理的な距離、というよりは、心
の距離を取っていく、ということです。これは少し痛みを伴うことでもありま
すので(くっついているものを引き剥がすようなものなので)、ミサさんの心
に お母様を裏切ってしまったかのような罪悪感が強く出てくることも考えら
れますし、

> 「それはつまり私は邪魔ってことね!?あなた達は私を遠ざけたいのね!!!
この親不孝者!!」と、逆上して、暴れ発狂し、最後は大泣きして大変です…

と書いて下さっているように、お母様がとても不安になることも考えられます

ただ、お母様は、現在自律神経失調症、ということもありますので、とにかく
、まずは、お母様に対してしっかりと「感謝を伝え続ける」ということで距
離を取っていくというのがいいのではないかと思います。

いつもミサさんがお母様のことを思っている、ということや、お母様の価値を
たくさん伝えてあげることで、少し時間はかかるかもしれませんが、母親とし
てのこれまでの自信や、離れていてもいつもミサさんは自分のことを思ってく
れているんだ、という感覚などが だんだん出て来るのではないかと思います

その安心感が出てくると、「ひとり置いていかれる」という感覚が少しずつ薄
れてくるのではないかと思います。

感謝を伝えることは、ミサさんにとっても、お母様との心理的距離を意識して
いくのに役立ちます。それは、感謝するということ自体が、その対象と少しの
距離がある、ということだからです。また、それが大人になったミサさんとし
て認めてもらえることにもつながると思います。

そして、お母様は介護もされているということなので、そのストレスも大変な
ものなのだと思います。
だからこそ、ミサさんがひとりでお母様を助けるのではなく、周りの人の力を
借りることも必要なのではないかと思います。

つまり、お母様の心の頼りがミサさんだけではなくなるように 手助けをして
あげる、ということです。
それは、お友達かもしれないし、親戚の方だったり、もしかしたら行政の中
にも何かあるのかもしれません。

ミサさん自身としては、お母様との関係よりも、まず、ご主人との関係を優先
させていかれるのがいい思います。
お二人の関係がよくなることで、彼自身の中にも お母様の手助けをしようと
いう余裕も生まれてくるかもしれません。

ミサさんの心が、少しでも軽くなればと思います。
一人で抱えきれないときは、カウンセラーを頼ってみてくださいね。

ご相談、ありがとうございました。

嶽きよみ

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

柔軟な視点で問題を捉え「人間関係」「自己表現」「セクシャリティ」に関する悩みを多く扱う。 特に、現役で自身のビジネスも続けていることから、やりたいことを見つける、夢を叶える、など自己実現のサポートを得意としている。 「見た目の印象とは違い、声に癒される」との声が多く寄せられている。