コンプレックスを学ぶ~肯定的な価値観を取り入れる~

コンプレックスとは、劣等感。人よりも劣っていると感じること。

言葉だけを捉えれば、とても分かりやすい感情ですが、誰でもコンプレックスには手を妬いているのではないでしょうか。今回の心理学講座では、コンプレックスがどのようにして生まれるのか、コンプレックスによってどんな反応が起こるのかといった、コンプレックスの力学からコンプレックスを軽減・解消するために必要なことは何かという情報をお届けします。

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◎リクエストを頂きました◎
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プライドとコンプレックス
私の母は年齢を聞かれるのが大嫌いです。
相手は普通に年齢を聞いてくるのですが、「失礼な人」と毛嫌いします。
母は実年齢よりもとても若く、元々美しい人です。
私はそんな母を「プライドの高い人」と思ってきました。

こちらで心理学を学びながら、「どうして母は」と考えてみました。
母が年齢を隠しているのは、私を産んだときの年齢が人よりも10年遅いからです。
若いお母さんに引けめをとらないように、美顔器をかけたり、お洒落をしていました。
プライドというものには、コンプレックスからくるものがあるのでしょうか。
コンプレックスを隠すため、克服するために頑張ってきたことがプライドと見えてしまうのでしょうか。

母のことを理解したいです。
よろしくお願いいたします。
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リクエスト頂き、ありがとうございます。
今回、担当させていただきます宮本恵です。どうぞよろしくお願いいします。

今回は、リクエストに基づいてコンプレックスについて心理学講座を進めたいと思います。

コンプレックスとは劣等感を意味する言葉です。その多くは、人より劣っている、自分はダメである、自分には価値がないなど、どこか自分の価値を低く見たり、自分を否定的に捉えたりすることから起因します。生まれたばかりの赤ん坊が自分の価値を低く見たり、自分のことを否定的に捉えたりすることはありませんから、そのほとんどは後天的に生まれたものということが出来ます。

どのような形であれ、自分や自分以外の誰かが「自分と誰か」を比較したことについて、「私の方が劣っている」「私はダメである」「そんな私は価値がない」と認めたものに限り、コンプレックスを抱きます。ここでは、それらが本当に事実かどうかは全く関係なく、自分自身でそれらを認めて信じたことが痛みとなり、コンプレックスとなって現れます。

そもそも、誰かと比較をして「自分が劣っている」と感じている部分であり、感じたくはない痛みの部分となりますから、周りの人から触れられることは、更なる痛みや不快感を触発されることになります。

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例えば、ある合コンにタイプの違う年齢を重ねた同じ年の二人の女性が参加していたとします。
Aさん…年齢をあまり気にしていない人。特に年を重ねることに悪いイメージはありません。
Bさん…年齢を重ねることがどこか恥ずかしいと感じている。年を重ねることに嫌なイメージしかありません。
恥ずかしいどころか、むしろ、コンプレックスさえ感じる。
その合コンに参加していたCさん(若い男性)との会話の中で、
「ところで、AさんとBさんはおいくつですか?」
と年齢を尋ねられたとします。

Aさんは、まったく気にしていないので「〇〇才なんです。Cさんはおいくつですか?」と普通に答えます。
Bさんは、Aさんと同じ年齢だけどどこか気が進まない感じで、「〇〇才です…。」と答えながらも、
「初対面でいきなり年齢を聞くなんて失礼だわ。もっと聞くことあるじゃないかしら??(怒)」と憤慨しています。
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Cさんという同一人物から、AさんとBさんは同じ質問をされているのにも関わらずそれぞれに反応や感じることが違うのは、AさんとBさんの年齢を重ねることに対するイメージの違いから生じるものなんですね。

Aさんには年齢を重ねることに全く悪いイメージはないので、心を乱されることなく回答できるのに対して、Bさんは年齢を重ねていることにコンプレックスを持っていますから、年齢に触れられることそのものが傷に触れられることになるので、年齢を開示することに抵抗もあれば不愉快にも感じる、ましてや嫌な年齢開示をさせる質問をしてきたCさんに対して、どこか攻撃的な思いも生まれてきます。

これは、コンプレックスという痛みに触れたときの反応であり、相手がどういうつもりで質問をしてきたかに関わらず攻撃的になるのは、コンプレックスをこれ以上感じないようにするため、触れさせないようにするための防衛反応からくるものです。

そもそも、コンプレックスは、人より劣っていると感じる痛みの一つの形態ですから、決して感じたくないものであり、自分以外の誰かには知られたくないものです。そこで、私たちは周りの人にコンプレックスを知られないように、本人が感じるコンプレックスの度合いだけ、持っているコンプレックスを隠したり、払拭したりすることに注力します。また、コンプレックスを隠したり、払拭したりするために注力することが、場合によってはプライドが高さとして周りの人に映ることもあります。その場合、プライドの高さの分だけ、コンプレックスを感じているとみることも出来ます。

最後に…、
コンプレックスとは、コンプレックスを感じている本人が誰かより劣っていると感じていることであり、周りの人が感じている本人に対して感じていることと必ずしも一致しているわけではありません。
ですから、コンプレックスを感じている本人がコンプレックスに感じている部分(年齢を重ねていることに引け目を感じる…etc)に対して、新たなる肯定的な価値観(年齢を重ねていてもかっこいい…etc)を見つけて取り入れることによって劣っているという認識を見直していくが大切です。

(完)

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About Author

宮本 恵

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。