許しの心理学~許可を与えてみましょう~

より自由で幸せが手に入りやすくなる為に「あなたは、自分に何を許していないのか?」を探してみましょう。

一般的に許しと聞くと誰かを許すということを思いつくようです。
今回の心理学講座では、他人を許すということではなく、
「あなたは、自分に何を許していないのか?」というところに着目して
講座を進めて行きたいと思います。

◆抑圧について◆

私たちは幼い頃は、自分の気持ちに素直なものです。
もっと遊びたい、遊園地に行きたい、玩具買って欲しい、あれほしい、
これほしい・・・。
でも、幼い子供にとって、遊園地に行くよりも、玩具を買ってもらうよりも、
もっと欲しいものがあります。
それは、お父さんとお母さんの愛情です。

子供達は無邪気ですから、家中を走り回ったり、飛び跳ねたり、いろんなことを
しますね。そうすると、だいたいお父さんやお母さんから
「静かにしなさい!」というように怒られます。

子供は怒られるのが嫌ですから、静かにじっとしていると今度は
「静かにしているね、いい子だね。」というような感じで褒められます。
このような時に、私たちはあることを学んでいきます。
我慢して、辛抱して、耐えたら、愛してもらえるんだということを・・・
そして、私たちは愛してもらう為に自分のしたいことや、欲しいものを我慢する
ようになります。
そして、この我慢して、辛抱して、耐えるということが、まるで当たり前のように
なっていきます。
これが自分の欲求や要求を抑圧していくパターンとして作られていきます。

私達、大人というのは自分の意思でいろんなことを選択できたり、
自分の自由に生きられるはずなのですが、この幼児体験からの抑圧的なパターンを
持つので、人によれば自分の欲しいものや、自分のしたいことに対して、
素直に欲しい、したいと言うことが、まるで悪いことをしているかのように
感じてしまうようです。
我慢して、辛抱して、耐えるというパターンが自分の欲求や、要求を素直に許さなく
なってしまうのです。

こうした時、私達は自分の欲しいものや、したいことが分からなくなってしまいます。
私、いったい誰が好きなんだろう?
私、いったいどんな仕事が好きなんだろう?
私、いったいどんな人生を生きたいんだろう?
このような自分の欲求や要求が分からなくなっていきます。

でも、私達大人は、より自由に、より自分らしく生きるために、
もう自分の欲求や要求を自分に許すことがいりますね。
自分に対して禁止しているものや、抑え付けているものを許すことを
“許可”といいます。

(抑圧と許可に関してカウンセラーのエッセイ集の『素直になること』でも
触れています。ご参照ください )

◆自分に許さないものがある度合いだけ怒りを作る◆

私達は、自分に許していないものがある度合いだけ怒りというものを持ちます。

例えば、あなたがダイエットをしていたとしましょう。
ダイエットしている、あなたの家に友達のA子ちゃんがケーキを持って遊びに
来たとします。

「○○ちゃん、ケーキ買ってきたよー」
「ありがとう、でも私今ダイエット中で食べられないんだ。
ケーキは死ぬほど好きだけど、我慢するわ。」
「そう、じゃあ、私独りで食べようかな」
(パクッっと一口食べて)
「あー、美味しい、こんな美味しいもの食べたことない、イヤー残念やねー
ホンマ美味しい。」

こんなシチュエーションだったら、あなたはどう思うでしょうか?
僕ならその友達を打ち首にします。(笑)
「私が我慢しているのに、目の前で何をするんだー」って腹が立ちます。
自分に甘い食べ物を許していない度合いだけ、甘いものを食べている人をみて
怒りをもつわけですね。

こういうことは、私達はいっぱいあると思います。
自分に甘さや、弱さを許さず勤勉な人は、甘えている人や、怠けている人を
見ると腹が立つことがあるでしょうし、自分に幸せを許していない人は、幸せな
家族やカップルを見た時にイライラするかもしれません。

私達は、自分に許していないものを見た時に怒りを感じます。
逆を言えば、あなたが怒りを感じた時、
あなたが何を許していないのかを見つけるヒントになるかもしれませんね。

あなたが自分に許していないものに許可を与えた度合いだけ
怒りを作らないようになりあなたの心の余裕が大きくなっていくでしょう。
心に余裕を持つ度合いだけ、自由を感じられたり、自分らしく生きる選択肢が
増えていくと思います。もちろん対人関係も良くなっていくと思います。

Lecture.16 タブーの心理学~禁じられた欲求~をご参照ください)

◆許可してみましょう◆

私達は知らず知らずのうちに、自分に許していないものや我慢するものを
たくさん作っています。
ロマンス、自由、可能性、希望、幸せ、家族、恋人、好きな仕事、等、
人によっていろんな形で自分に許さないもの、我慢するものを作っていきます。

例えば、我慢してこの仕事を続けるしかないと思っている方は、
もしかすると、自分の可能性や、自由を持つこと許していないのかもしれません。
恋人との関係でさみしさを感じている人は、愛して欲しいと言うことを
知らず知らずのうちに我慢しているのかもしれません。

自分が本当に欲しいものは何なのか、本当は誰に愛してもらいたいのか、
自分が何を持つことを許していないのか、どんなことを許していないのか、
これらをチェックして、
本当に欲しいものを欲しい、好きなものを好きと言えるようになる為に、
愛している人に愛していると言えるようになる為に、
そしてより自由で幸せが手に入りやすくなる為に
自分に許可を与えてみましょう。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。