許しの心理学~許しは自分だけのためじゃありません。

誰かを許していない状態というのは、たとえあなたが被害者であって同情されるに値する立場であっても、ただただ苦しいだけの状態が続きます。

あらゆるネガティブな感情を内に溜め込むことは復讐となったとしても、自分自身の内面を傷つけ続けるのです。
しかし、いざ許しのプロセスといっても、しんどい感情が出てきてしまうもの。そこでは、誰かのために、という思いがこのプロセスを乗り越えるサポートをしてくれるのです。

●許しは自分だけのためじゃありません。

自分自身も含めた誰かを許していない状態というのは、自分の中に怒り、痛み、悲しみ、罪悪感、嫌悪感、屈辱感、惨めさ、憎しみ、寂しさ、怖れ、悲しみ、恨み、嫉妬、復讐心、無力感などの感情を持ち続けることでもあります。
それがたとえ相手に対する復讐のためであったとしても、そんなに重たいものを持ち続けることはとても辛いし、しんどいものではないでしょうか。

因みに「復讐」とは相手に危害を加えることだけでなく、自分自身を不幸にすることによって、それを誰かの責任として押し付ける自虐的なパターンもあります。
むしろ、日本ではこちらの方が多いと言えるかもしれません。

すなわち「あなたのせいで、私は不幸なのよ」という思いを抱き続け、自分自身が幸せにならないことで、相手に復讐しようとする試みです。

これは自分自身を常にネガティブなポジションに置くので、非常に辛く、しんどく、疲れやすく、気力をとことん奪ってしまいます。

さて、こうした、内面にネガティブな感情、それも心を傷つけるような強くネガティブな感情を持ち続けることは、心を傷つけ続けることにもなります。
いわば、負のエネルギーを内に溜め込み続けるわけですから、体にも相当悪そうですよね。
そして、それは自分が幸せになることを許せなくなってしまうのです。

「それでもいい」という場合は除くとして、やはり、自分自身が幸せになることは自分だけでなく、自分のことを思ってくれる人、すなわち、友人、仲間、家族、パートナーなどみんなの恩恵になるんですね。

逆に言えば、あなたが誰かを許せなくて苦しんでいるのを身近で見ている人もまた、あなたと同じく心を痛めてしまうのです。

だから、許しのプロセスはあなた一人のためではなく、あなたの周りの人、みんなのプロセスでもあるんです。

すなわち、あなたが自分を含めた誰かを許すことは、あなたの近くにいる人にとっても恩恵となるのです。あなたが楽になることで、周りの人を楽にしてあげられるわけですね。
(そうすると、もし、あなたが誰かを許せないでいるとしたら、それは誰かに復讐していることとも言えるのかもしれません。)

しかし、ネガティブな感情を解放していく、その人に対する見方を変える、という許しのプロセスは、怒りや屈辱感、寂しさや悲しみといったさまざまな感情が出てくるものです。
きれいごとではなく、どろどろとした、自分でも見たくない、信じたくない感情が出てくることも少なくありません。
(なぜならば、そうした感情を解放していくわけですから)

しかし、自分や周りの人のために、みんなの幸せのために「許し」を選択し続けること(コミットメント)ができたら、そのどろどろとしたヘドロを乗り越えることもできるのです。

どんな問題でもそうなのですが、この「誰かのために」というのは幸せに向かうための大切な方向性なんです。
私達は自分のためだけでは限界があります。
他人のためだけでも限界はあります。
その両方が必要なんですね。

そうすることで、みんなで「幸せ」を分かち合うことができるのです。

>>>『許しの心理学~自分が許されていること、知っていますか?』へ続く

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