許しの心理学~許しの実習を試してみましょう。

今回は許しの実践編としていくつかの実習をお届けします。一つ目は「感謝」の実習。

その人がしてくれて嬉しかったことを探してみます。二つ目はその人の価値や魅力を見つめるアプローチ。そして3つ目はその人の幸せを祈るプロセス。

どれもすぐにはうまく行かないもの。感情的な抵抗もたくさん出てくるでしょう。そのときは今回までの3回のレクチャーを読み返しつつ、また、感情を解放しつつ進めてみると、きっと確実に進められることと思います。ぜひ、チャレンジしてみてください。

●許しの実習を試してみましょう。

さて、今回の最終章は、許しをより実践的にご紹介したいと思います。

まずは、あなたが許したい人を一人、思い浮かべてみましょう。
そのとき沸き起こる感情を、コントロールすることなく、ただ感じて見ます。
(これは人によってはトレーニングを積まないと難しいことなので、よく分からないままに進めていただいて構いませんよ!)

もし仮に誰も思い浮かばないのであれば、「父」「母」「きょうだい」「パートナー」「自分」のうちの誰かを選んでみると効果的でしょう。
もちろん、「いや、別に父に怒ってるわけではないと思うけど?」と感じたとしても大丈夫。
深層心理の世界では、親を許すのは一生の仕事と定義付けされることもあるくらいなのです。

さて、その許したい人がしてくれたことで、あなたが嬉しかったことを5つ探してみましょう。
どんなことでも構いません。

例えば、元彼がどうしても許せないとしたら、そこで「許そう」と気張るのではなく、「許さない!」と怒りをぶつけるだけでなく、まずは、その元彼があなたのためにしてくれて、あなたがとても嬉しかったことを5つ探してみるんです。

ここで、悲しい、寂しい、屈辱的、惨め、嫉妬、罪悪感、無価値感、自己嫌悪、不安、怖れ、などのネガティブな感情を感じても大丈夫です。
その気持ちをひたすら味わいながら、一つ一つの出来事を思い出していきましょう。

そして、その5つの出来事について、「~してくれて嬉しかった。ありがとう」と声に出して伝えてみます。(もちろん、空想の、イメージ上の相手でかまいません)

「感謝」は強力な許しのツールです。
多くのわだかまりや怒り、嫉妬、罪悪感、無力感などの感情をきれいに流してくれる効果があるんです。

そうして、この5つの嬉しかったことを伝えたら、大きく深呼吸して、セッションを終了させます。

きっと、さっきまでより、不思議と心が軽くなっているはずです!

さて、もう一つ。
近しい存在には必ず許せない箇所、許せない出来事、感情的に入り組んだ複雑な心理状態が生まれるものです。
「あいつのことは好きなんだけどな、ちょっと信用できないところもあるんだよな」という感覚といえばいいでしょうか。

しかし、その絡まった糸を解き、清らかに流してくれるのも「許し」のエネルギーなのです。

そこで次のセッションにチャレンジしてみませんか?

まずは、「その人の幸せを心から祈る」

友人や元彼など、一緒にいる時間は短いが大切にしたい関係性には有効な手段かと思われます。
その人が本当に幸せになって欲しいな、と思ってみる・・・あるいは、そんな表情を思い浮かべてみる・・・もちろん、複雑な感情が出てきても構いません。
その複雑な気持ちを感じつつ、それでも、その人の幸せを願ってみると、心の底から清らかな湧き水が流れ出るような爽快感とすっきりした感覚が味わえるかもしれません。

また、

「その人の価値や才能を見る」

というアプローチも、その人を許す素晴らしい試みと言えるでしょう。
痛みを越え、怒りや憎しみを越えてチャレンジする価値のあるセッションです。

これができたら、相当に精神力が鍛えられた証拠でもありますが、今はまず、その人の価値・才能、そして、魅力を探してみてください。
そして、それを出来れば、声に出して呟いてみて欲しいんです。

「あなたは本当に強い。美しい。力も強いし、きっと彼を守って上げられるだろう。あなたに愛される人ってほんとうに幸せだと思う」

なんて風にね。

しかし、なかなか感情的に難しいので、「嬉しかったこと」とセットでやってみると良いでしょう。
すぐにはうまく行きません。
それも踏まえて、長らくチャレンジしていただけたらな、と願うのです。

(完)

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