感情を豊かに感じる力~抑圧と解放~

私たちは、誰もが感情を豊かに感じる能力をもっています。

しかし、感情をあまり感じられない時は、その能力に封印がかかっているのかもしれません。我慢して頑張ってきたことが多い方は、感情を感じる能力に封印がかかることがあります。その封印ができるプロセスから、封印を解くプロセスをご紹介します。

●我慢したら褒められる?●

幼い子供達は、お父さんや、お母さんが大好きです。

そして、子供達の欲しい物のすべては、
大好きなお父さんとお母さんとの愛と親密感と言われます。

その愛と親密感は、子供達にとって、とっても欲しい物です。
時に、子供達は欲しい物を得るために、努力をすることがあります。

例えば・・・

『もうちょっとテレビみたいけど早く寝なきゃ』

『本当は、もっと遊びたいけど勉強しなきゃ』

『本当は、もっとワイワイはしゃぎたいけど、おとなしくしなきゃ』

そうやって、自分がしたいこと(欲求)を抑える努力をします。
そうすると、どうなるでしょう?

そう!褒められるんです。
「良い子だね」「えらいねぇー」という感じで、褒められるシチュエーションが
多々あるのです。

子供達にとって、褒められるというのは、とっても嬉しいことです!

時には、自分のしたいことを我慢してでも、褒められたいと思いますし、
愛されたいと思います。

そういう経験から、子供達は、あることを学びます。
“我慢して、辛抱して、耐えたら愛されるんだ!”ということを。

●我慢から犠牲へ●

大好きなお父さんと、お母さんから褒めてもらう為に、愛してもらう為に、
時に子供達は努力をします。

愛するお父さんや、お母さんに褒めて貰いたい、微笑んで貰いたい、
それが欲しくて、いっぱい我慢した方もいるでしょう。

嫌なことも辛抱して頑張ってきた人もいるかもしれません。

いっぱい、自分の気持ちを抑えてきた人もいるかもしれません。

中には、我慢しすぎて、辛抱しすぎて、頑張りすぎて、
大好きだったお父さんや、お母さんとの関係が、苦しくなってしまった人も
いるかもしれません。

お父さんや、お母さんのことを、嫌いになってしまった人もいるかもしれません。

これは、犠牲の心理と言います。

愛される為に嫌だけど我慢したり、嫌われたくない為に我慢をすることが多いと、
だんだん、相手のことが嫌いになってきます。
相手に、抵抗感や、恨み辛みの感情が芽生えてきます。

お父さんや、お母さんを嫌いになってしまう程、犠牲をされた方は、
当時は、それほど愛されたかったのかもしれません。
そして、それほど、お父さんや、お母さんのことを愛していたのかもしれません。

犠牲から、両親への抵抗感ができると、両親との関係が苦しくなりますので、
我慢していた感情を解放して、ご自身の心を楽にしていくことがテーマになります。

我慢してきた自分、頑張ってきた自分を褒めてあげて、
もう、昔みたいに我慢しすぎなくていいこと、頑張らなくていいことを、
自分に許していくのです。

感情を解放していくと、スッキリして楽になります。

そして、もう、これ以上、苦しまないために、
解放してなって自分が楽になってから、次に親への許しがテーマになることが
多いです。

●感情を抑制する癖●

愛を得る為に、我慢、辛抱、耐えること経験をたくさんされると、
自分の気持ちや、欲求を、ぐっと抑えることが、まるで当たり前になっていきます。

そういう経験をされる方の中には、
自分の欲求や、感情がよく分からなくなる方がいます。

感情を抑制する癖がついてしまっているので、自分の欲求や感情が、
よくわからなくなるのです。

そうすると・・・

「私、どんな仕事がしたいんだろう?」
「私、誰が好きなんだろう?」
「私、どんな人生を送ってみたいのだろう?」

自分のしたいことや、自分の気持ちが、よくわからなくなる方がいます。
それだけ、我慢して、頑張ったんでしょうね。

そういうタイプの方は、自分の感情を解放していくことがテーマになります。

解放していくということは、
今まで、抑えていた感情を感じてみよう、
外に表現してみようとしてみるんです。

そして、欲しい物は欲しい、したいことは、したいということを、
自分に許していくのです。

そうしていくことを、積み重ねていくと、
感情を抑制する癖が変わっていき、自分の欲求や、感情に、だんだんと敏感に
なっていきます。

●豊かな感情を取り戻す●

感情を解放していくと、豊かな感情という才能が戻ってきます。
封印する前に持っていた、感情を豊富に感じる力を取り戻せるのです。

豊かな感情についての、例え話をさせていただきます。

【例え1】

幼い子供が、母親に夕飯のメニューを聞くシチュエーションです・・・

「ねぇ、ねぇ、お母さん今日の晩ご飯なぁに~?」
「ハンバーグよ」
「やったー!!!やった!やった!やった!」

子供は、感情に敏感で、感情に素直ですので、
夕飯に大好きな好物がでただけでも、飛び上がって、本当に喜びます。
感動というレベルくらいに喜びます。

【例え2】

「ねぇ、ねぇ、お母さん今日の晩ご飯なぁに~?」
「芋の煮っ転がし」
「え~」(-_-;)

まるで、夕飯が芋の煮っ転がしというだけで、この世の終わりというくらいまで、
落ち込んだりもします(笑)

でも、私たち大人がハンバーグだけで、
こんなにも喜べることってあるでしょうか?

芋の煮っ転がしで、ここまで落ち込むことはなくとも、
ハンバーグで、ここまで喜べることも少ないと思います。

それだけの大きな喜びや、嬉しさの感情を感じる為には、
大人は、海外旅行に行ったり、高価な物を手にいれたり、
ホテルのスイートルームなどの優雅なシチュエーションが必要だったりします。

中には、それだけの感情を感じるために、何百万円もお酒を飲む人もいます。
時には刺激がある恋を求める人もいます。

それだけの大きな喜びや、嬉しさの感情を感じる為には、大人には大きな刺激
が必要になります。

子供のように、ちょっとしたことで、すごく喜べる!、嬉しくなる!、楽しくなる!
そういうことができると、毎日が、イベントだらけになると思いませんか?

例えば、道ばたに咲く花を見ただけで、「わぁ!綺麗」と感動して、
幸せな気持ちを、いっぱい感じるかもしれません。

毎日のちょっとした出来事が、
心にいっぱいの豊かさをもたらすかもしれませんね。

子供の頃のあの「やったー!!!」という喜びや、嬉しさを感じる力は、
取り戻すことができます。

我慢して、辛抱して、耐えて、頑張りすぎて、感情を封印ぎみの方も、
もちろん、あの「やった!!!」と喜ぶ子供達のように感じる力を取り戻せます。

それは、感情を感じようとすること!
自分の感情を外に表現していくこと!
好きな物を好き、したいことをしたいと思うことを自分に許していくこと!

そうしていくことで、子供達のように感じる力を取り戻せます。

自分の心と向かい合って、自分の気持ちを感じていく度に、
封印が解けていき、そして、子供達のように感情を豊富に感じる力が戻ってきます。

封印の力が強いと、感情を豊富に感じる力が戻ってきていることが
なかなか実感しにくいこともあるかもしれません。
でも、大丈夫!個人差はあるものの、その力は戻ってきますから。

ちょっとした毎日の出来事にも、幸せを感じる力を磨くために、
感情を封印ぎみの方も、そうでない方も、
子供のように感情を豊かに感じる力を磨いてみませんか?

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。