「自分らしさ」の出し方・活かし方(2)~自分らしさを取り戻すプロセス~

自分の気持ちを我慢したり抑圧することで、自分らしさを失ってしまうと、自分自身が我慢していること自体がわからなかったり、「自分が何を求めているのか?」といった自分の気持ちが自分でわからなくなってしまったりします。
そうした部分を取り戻していく際のプロセスと、わからなくなってしまった自分の気持ちを取り戻すヒントをご紹介します。

前回は、自分らしさを失うプロセスをご紹介しましたが、今回は、失ってしまった自分らしさを取り戻すプロセスをご紹介します。

自分らしさを取り戻すプロセス

自分らしさを取り戻していくには、自分らしさを失ったプロセスを遡っていきます。

まずは、自分の気持ちを抑え込んで、自分を隠しているに気づくこと。

これは、簡単なようで難しかったりもします。

感情の抑圧が強い場合には、自分が抑圧していること自体に気がつかないからです。
そんな時には、我慢をして辛いという形で問題が出てくるよりも、「自分のやりたいことがわからない」「自分の意見がない」といった形で問題が出てくることが多いようです。

具体的な状況としては、仕事で上司に意見を求められても答えられなくて、「君は自分の意見がないのか?」と指摘されたり、恋愛で、彼に「今度のデートは何したい?」と聞かれて答えられなくて気まずい思いをしたり… といった感じです。

また、自分の感情を抑圧すると、自分のまわりに感情的な人(怒りっぽい人など)が増えることがあります。

そのような状況がある時には、自分の中に我慢や抑圧があるのかもしれません。

そうした手がかりをもとに、自分の気持ちを抑え込んでいることや、自分を隠していることに気づいていきます。

次に、自分の中に、気持ちを抑え込んでいたり、我慢していることがある時には、どんな気持ちを抑え込んでいるのか?何を我慢しているのか?に目を向けてみます。

そこで出てくる気持ちの一つ一つ、その多くはネガティブな感情になるのですが、それらの全てが、自分らしさを取り戻す要素として取り扱ってみることで、受け止めにくい感情だったとしても、それを受け止める意欲を持ちやすくなると思います。

そうして、我慢して抑圧してしまった感情を解放していくと、その下に隠れている、自分の気持ちに触れることができるようになります。

電車の中で騒いでいて、お父さんやお母さんに「電車の中では静かにしなさい!」と怒られた小さな子供は、怒られたことで「怖かった」「悲しかった」「嫌われた」と傷ついてしまいます。

怒られたことで、大好きなお父さんやお母さんに自分自身を否定されたような感じがして、「自分はお父さんやお母さんに愛されていないんだ…」と思い込みます。

その子の心の中に、「お父さんやお母さんに愛されたい」という欲求があるから、大好きなお父さんやお母さんに愛されていないということで傷ついてしまうんですよね。

この「お父さんやお母さんに愛されたい」という欲求というのが、我慢して抑圧してしまった感情を解放していくことで触れることができる、自分の気持ちになります。

「お父さんお母さんとのお出かけがうれしくて騒いじゃってごめんなさい。お父さんお母さんに怒られて、嫌われちゃったって感じて、それがとても辛いの。もう愛されないのかと思うと怖いの。だから、やさしく愛して欲しいんだけど、お願いできませんか?」

こうやって自分の心の状態を把握して理路整然と説明する子供って、あんまりいませんよね(笑)

怒られたことでただ傷つき、愛されないことをただ怖れることで、我慢をしてお父さんお母さんの求めるいい子になるというしか愛される道はないと思うと、そのために我慢をして感情を抑圧していくのです。

その抑圧した感情の下には、別の感情や欲求が隠れています。

自分らしさを取り戻すというのは、その抑圧した感情や我慢をもう一度取り戻すのではなく、その下に隠れている自分の気持ちを取り戻すというプロセスになります。

>>>『「自分らしさ」の出し方・活かし方(3)~自分らしさを出した時にやってくる罠~』に続く

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