「自分らしさ」の出し方・活かし方(1)~自分らしさを失うプロセス~

いただいたリクエストを元に、「自分らしさ」の出し方・活かし方のヒントをご紹介させていただきます。

「自分を出しちゃいけないんだ…」という誤解から自分を隠し始めるのですが、「自分らしさ」を隠してしまうと、窮屈な感じがして苦しくなってしまいます。その不満を爆発させるような形で自分を出すと、それがもとで対人関係が悪くなってしまうことがあり、「やっぱり自分を出しちゃいけないんだ…」と、誤解が強化されてしまいます。

自分を隠すプロセスから自分らしさを取り戻すプロセス、そして、じぶんらしさをだした時に陥る罠や、その罠に陥らないで、自分の魅力を発揮できて、自分を出せば出すほど対人関係がうまくいって自分もいい気分になれるカギをご紹介していきたいと思います。

◎リクエストを頂きました◎
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*窮屈な恋愛に疲れて、カウンセリングを受け始めました。
徐々に問題の人とも別れられたし、「自分らしさ」を出せるようになってきて、
生きるのが楽しくなってきたんです。(おかげさまです)
そして私の人生にこんなことが! という感じのモテ期を迎え、そのうちのひとりを好きになったのですが、結局「自由すぎてついていけない」と 振られてしまいました。
今私は やっぱり 自分出しちゃだめなんじゃない? という気持ちがいっぱいなのです。
魅力について、自分らしさが出せた後の、もう一歩先の魅力について教えてください。

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●自分らしさを失うプロセス

昔々の子供時代、私達は、自分そのもので生きていた時代というのがありました。
「自分らしさ」というのを気にすることもなく、そんな発想自体も持つことはなく、ただ、自分の気持ちを感じたままにそのまま出して、自分を隠すということを全くしなかった時代があったのです。

寂しいと感じた時にはお母さんの側にくっつきに行ったり、気に入らないことがあると泣きわめいたり、うれしいことがあると、ピョンピョン飛び跳ねて大喜びしたり…

そのように、自分を隠すことなく、心の感じるままにそれをそのまま表現していて、まわりの人達にそれを受け入れられていました。

ところが、大きくなってくると、いつでも全てを受け入れられるというわけではなく、例えば、お出かけに連れて行ってもらうのがうれしくて、電車の中で騒いでいると、お父さんやお母さんに「電車の中では静かにしなさい!」と怒られることが出てきたりします。

お父さんやお母さんは、その子を愛していないわけでもなく、その子が自分の気持ちを出すことを怒っているわけでもなく、電車の中という公共の場でのルールを教えているのですが、小さな子供には、そんな事情はわかりませんよね。

子供にとっては、「怒られた」「怖かった」「悲しかった」「嫌われた」といった部分しか残らず、大好きなお父さんやお母さんに愛されなくなることを怖れるようになります。

そして、次の機会に、その怖れから、騒ぐのを我慢して電車の中で静かにしていると、お父さんやお母さんに「電車の中で静かにしててえらかったね~」と誉められるような経験があると、「我慢をすると誉められるんだ」「我慢をしないと怒られるんだ」といったふうに、我慢して自分を抑えるということを通して、お父さんやお母さんの愛を得ようとし、自分の気持ちを出すことを自分に禁止していきます。

そうして、協調性や、まわりの人の気持ちをわかるようになるというのを得るのと引き換えに、自分の気持ちを表現することを失ったり、自分の気持ちを抑えたり隠したりすることで、いつしか、自分の気持ち自体も失ってしまうことがあります。

このように、小さな子供なら理解できなくてあたりまえ、誤解しても仕方がないといってもいい誤った思い込みによって、「自分らしさ」を失っていくのです。

そうして、意識的、無意識的にかかわらず、自分らしさを隠していくことで、同時に、自分の持つ魅力の部分をも隠してしまうことになります。

>>>『「自分らしさ」の出し方・活かし方(2)~自分らしさを取り戻すプロセス~』に続く

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