過保護・過干渉がもたらすもの(2)~過保護・過干渉の背景にあるもの~

過保護・過干渉を生み出してしまう背景を解説します。

一般的には、両親の夫婦関係、そして、親自身の育った環境の二つの要因が大きく左右します。
お父さんが仕事などで家庭を顧みないタイプだと、お母さんの寂しさや不満は子どもに向かいやすくなります。

また、お母さん自身がその両親から愛情を注がれていないと、親にしてもらいたかった事を子どもに与えようとして過保護になってしまうこともあるんです。でも、その多くは親御さんの愛情であることも少なくありません。つまり、愛が過剰になってしまうと、過干渉になりやすいのです。

●過保護・過干渉の背景にあるもの。

お母さんじゃなくて、お父さん、というケースもありますが、過干渉・過保護というと一般的にはお母さんの特権だったりします。

前回ご紹介したヒロユキコさんの例のように、過干渉な子育てをしてしまう背景には様々な要因が考えられます。
中でも大きなものは「お父さんとお母さんの関係」「お母さんの育った環境」の二つが挙げられるでしょう。

例えば、お父さんが仕事に忙しく、あまり家庭を顧みないタイプだとすると、お母さんは一人で子どもを背負って育てなければいけなくなります。
そのプレッシャーはとてもきついものですし、例えば、子どもが急に吐いたりしてどうしていいのか分からない時も、自分ひとりで何とかしなければいけないことも多いんです。

特に高度成長期に入ってお父さんが仕事人間になり、また、核家族化の進行で育児の負荷がお母さん一人にかかってくるとますますその「一人で何とかしなければ」という思いは強くなります。

そして、お母さんのお母さん(つまりおばあちゃん)との仲が悪かったり、すでに他界されていたりすると、一人で何とかする他無いとの思いがさらに強まり、ご主人(お父さん)に対する不満とともに、すべての意識・感情が子どもの方に向くようになります。
つまり感情の処理の手段として自分の子どもを用いるようになるんです。
いわば、そうでもする以外に感情のはけ口が無かったのかもしれません。

だから、学校から帰ってきた子どもを捕まえて延々とお父さんの愚痴を言ってみたり、子どもの行動に干渉することで自分の存在意義を確かめようとしたりします。

一方、お母さんが成長してくる過程で甘やかされて育つと、どうしてもお嬢様気分が抜けず、子どもに対してとても支配的な態度を取ることもあります。
いわば、わがままな子どものまま大人になったようなもので、自分が世界の中心的な意識がなかなか抜けません。

また、これとはまったく逆なのですが、長女で弟や妹達の面倒を見てきた「生まれたときからお母さん」という方の場合は、自分の子ども(すなわち私)が生まれてからは、“子どもの子ども”になって、子どもらしく過ごせなかった時代を取り戻そうとして過干渉になることもあります。

そうすると、私は「お母さんのお母さん役」を幼い頃から経験することになり、母親同様、子ども時代に子どもらしく出来なくなってしまうんです。

ただ、ヒロユキコさんもお気づきのように、「すべては愛情の裏返し」であることも多く、子ども心にもそれは感じられるので、理不尽なことを言われても必死に我慢し、お母さんの愛情に応えようとします。
(もちろん、嫌われるのが怖くて従う面も否めませんが)

お母さんがお父さんに相手にされずに寂しくしているのを子どもはちゃんと知ってるんですね。
だから、その寂しさを紛らわせてあげたいって思うんです。
大好きなお母さんのために。

また、お母さんがお嬢様で一人で子どもを育てることに不安や理不尽さを感じてることも、ちゃんと知ってるんです。
だから、そこで一生懸命いい子になることによって、お母さんの不安を埋めようとしてしまうんですね。

ヒロユキコさんの塾通いも、勉強も頑張り、一人暮らしをした後にもつい電話をかけてしまうのも、実はそうした愛情を心のどこかで感じてるからできることなのです。

>>>『過保護・過干渉がもたらすもの(3)~癒着が生み出すお母さん優先主義~』へ続く

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