離婚の危機を乗り越えて(1)~ホッとして、あふれ出す感情~

離婚問題のカウンセリングには「離婚の危機を乗り越える」が中心と思われがちなのですが、実は、その問題が解決した後にも重要なテーマが多数隠れているのです。

というのも、何度も離婚問題を繰り返すのは辛いですよね?
離婚の危機を乗り越えたとき、お互いがきちんと向き合い、乗り越え、お互いを許しあっていくことで、今までには感じたことがないほどのロマンスを味わうことができます。
しかし、危機を乗り越えた瞬間にそれがやってくるわけではありません。むしろ、逆のことばかりが起こるものなのです。そのため、幾度となくこの問題を繰り返してしまう夫婦も少なくありませんよね。

今回の心理学講座はカウンセリングの現場から拾い上げた“離婚の危機を乗り越えた後の世界”をご紹介したいと思います。二人にとって、この問題がお互いの絆をさらに深め、深い深いロマンスを味わうために“必要なものだった”と感じられるために、参考にしていただけましたら幸いです。

浮気や価値観の違い、経済的理由などで離婚の問題に発展し、でも、何とかお互いもう一度やり直そう、頑張ろう、と思い立ったとします。
しかし、一度離れかけたためにできた溝、お互いの中にある不信感、また同じ事が繰り返されるのではないかと言う不安感、そして、別れを切り出したほうは罪悪感で、切り出されたほうは無価値感。
さまざまな感情が揺れ動き、全然自信が持てません。

そういう場面でカウンセリングを利用されるケースも大変多いんですね。
(離婚問題の最中からカウンセリングに通われてる方も含めて。)

今回は離婚問題のその後に目を向けて、どのようにして再び絆を深めていけばいいのか?をカウンセリングの現場からお届けしたいと思います。

また、「離婚」だけでなく、「失恋」の問題はもちろん、「仕事を辞める」「チームを解散する」といった事例にも応用できるかと思いますので、どうぞ、楽しみにお読み下さい。

※様々なケース、立場が想定されますが、分かり易くするために、以後は「別れを切り出された奥さん」の立場を軸にお話を進めていきます。

●ホッとして、あふれ出す感情

「別れてくれ」夫にそう切り出されても、これからのことを考えたり、彼への愛情を思えば、決して容易に受け入れられる話ではありません。
特に「うまく行っていると思っていた」とすれば、青天の霹靂。目の前が真っ暗になり、呆然としてしまうものでしょう。

特に相手に女性がいるとしたら、なおさらショックは深まり、また、焦りも強くなります。眠れなくなったり、食べ物も喉を通らなくなったりするかもしれません。

また、いきなり離婚調停を申し込まれたら、パニックになって、どうしていいのかが分からなくなるでしょう。

そして、何とかやり直せるように、今までの自分を反省したり、自分を変えようと努力したりされると思います。
その一環で、カウンセリングに足を向けられる方もいらっしゃいます。

そのときは旦那さんの心を取り戻そうと必死になっています。
どんなことをしてでも離婚を回避したい、という気持ちが強く、自分が悪かった、とめちゃくちゃ責めてしまいます。

ご主人に「私の悪いところは全部直すから」とすがってしまうことだってあるでしょう。

「ご主人に怒りは感じませんか?」とお聞きしても、「今はあまり怒りはないんです。むしろ、私が悪かった、なんであんなことしてしまったんだろう、と思ってしまうのです。」などと答えられます。

でも、その気持ちが真実かどうかは、ご主人が戻ってきたときに初めて分かるものかもしれません。

迷子になってる子ども。あんまりぎゃーぎゃー泣いたりしないんですよね。でも、お母さんの姿が見えた途端、うんぎゃーーーー!と泣き叫ぶんです。

安心すると、それまで不安や恐れの力で抑えられていた感情が一気に噴き出してくるんです。

それと同じで、ご主人が戻ってきた途端、ほっとします。もう大丈夫だ、と安堵します。すると、それまで押さえていた感情が一気にあふれ出すことが多いのです。
それまで押さえてきたわけですから、自分の中にそんな感情があるとは思えないものも少なからずあるんです。先ほどの「怒り」のように。

「戻ってきた旦那に、ついつい、私がどれだけ辛かったのか話してしまうんです。」
「怒りが凄く出てきて、夫を責めてしまうんです。」
「不信感がとても強くて、もう夫が信じられないんです」
「ネチネチと嫌味を言ってしまうんです。嫌われるって分かってるのに」
「涙が溢れて溢れて。ついつい夫の顔を見ると泣いてしまうんです」
「なんか、恨み辛みって言うんでしょうか。今度は私が浮気しなきゃ気がすまないような感じがするんです。損してるみたいで」

『別れを切り出された』側というのは“依存”の立場です。離婚を回避するために必死に頑張ってきたんですけれど、どこかで「夫に何とかして欲しい」とか「傷つけたのは夫なんだから、彼が私を慰めるべき」という欲求(依存心)が隠れています。そうすると、ご主人が戻ってきた途端、それが噴き出してしまい、上のような発言に繋がるんです。

でも、分かりますよね?

こういうことをしてしまうと、再び彼の心が離れていく、ということを。
だから、できるだけ早い段階で、こうした感情を手放してしまいたいのです。
彼が「戻ってきて良かった」「ここが俺の居場所なんだ」と感じられるように。

最近のカウンセリングでは、まだご主人の心が戻ってきていないときに、敢えてこの話をさせていただくんです。
彼が戻ってくる前に、先回りして、こうした“感情を処理”してしまったりします。
そのため、ご主人が戻ってきたときに、それほど恨み辛みや不安や悲しみがあふれ出すことは少ないようです。

 

>>>『離婚の危機を乗り越えて(2)~元鞘は“ゴール”ではなく“折り返し地点”~』へ続く

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