やる気の心理学

やる気がある時にはうまくいくことが多いのですが、やる気がない時、うまくいかない時にはやる気を必要とします。

そんな時に「やる気を出そう!」と頑張ってみても、なかなかうまくやる気が出てこなかったりしますよね。 そこで、やる気が出ない原因を知り、その原因を取り除くことでやる気を引き出すアプローチをご紹介します。

「やる気」というのは私達を活力的に動かすエネルギー源のようなものです。

やる気がある時や、やる気を感じながら何かをしている時というのは、それが少々大変なことであっても、「大変だからこそがんばるそ!」と、それさえも推進力に変えてしまったり、大変なことを大変だと感じずにすることができたりします。

それに対し、やる気がない時や、やる気がないのを感じながら何かをしている時というのは、それ自体が苦痛に感じたり、ちょっとしたことでミスをしてしまったり、うまくいかなかったり、挫折してしまったりします。

やる気のない時にはそういった悪循環に陥りがちなのですが、そんな時、どのように対処していますか?

やる気を出そうと自分を駆り立ててやる気が出てきたり、やる気を作り出すことができればそれはそれでOKなのですが、実際の所はなかなかうまくいかなかったりします。

そこで今回は、やる気が出ない原因を知り、その原因を取り除くことでやる気を引き出すアプローチをしてみたいと思います。

やる気が出ないのはどうして?

「やる気が充分にない」「足りない」と感じる時に、心は「やる気」のかわりに別のものを感じていたりします。

一つは、「やらなければいけない」という義務感です。

この義務感を感じている時に、「やる気」という助けを借りてそれをやろうとするのですが、心が求めているのはやろうとしていることとは全く逆の「やりたくない」です。

もう一つは、「やっても意味がない」という無意味感です。

やっても何の成果も得られないことにエネルギーを注ぐのは虚しいですし、時間や労力の無駄だと感じます。
「やっても意味がない」と感じながらも、それでもそれをするのは、先程書いた「やらなければいけない」という義務感もついてきます。

やる気を引き出すには? ~義務感を手放す~

やる気を引き出すには、この「義務感」「無意味感」を解消することが鍵となります。

「義務感」に関しては、まずは、心が「やりたくない」と感じて求めていることを受け入れて認めることが必要になります。

そして、「何のために、誰のためにその義務を負うことになったのか?」といったことや、「その義務は本当に果たす必要のある義務なのか?」「その義務を果たすのに別の手段はないか?」ということを探したうえで、今のやり方でするかしないかを含めて、自分で選択して決めることが必要になります。

誤解や思い違いの末に持ってしまった義務だとしたら、もともと義務はないものですから、それをしなくても問題になりません。

義務ではなく、やさしさや思いやりといった愛情からそれを「したい」と思った時には、その自分の中にある愛情を感じることで、同じやり方でも「義務」と感じずにすることができたり、別の手段の、自分が「やりたい」と思った手段で愛情を表現して届けることができます。

この「自分で選択して決める」というのが重要で、本当に決めるには、「それをしたいかどうか?、するのかどうか?」という「やる気」に焦点を当てることになります。
その「やる気」を元に選択して決めるということは、言い換えると「やる気」のある方を選んで決めるということです。

「やる気」のあるものを選んで決めてやる訳ですから、やる気を必要としなくても「やる気」を感じながらやることができます。

例えば、主婦のAさんが、散らかった家の中を見て「片付けなければいけないのに、やる気が出ない…」という状況があったとします。

散らかっているのが気になって、片付ける気がない訳ではないのに、どうもやる気が出ない… そんなAさんは、心の中で何を感じているのでしょう。

片付けても片付けてもすぐに散らかしてしまう子供達や、片付けることに協力してくれない旦那さんへの怒りや、「片付けなさい」「手伝ってもらえないかしら?」といった自分の言うことを聞いてもらえない悲しみなどのネガティブな感情があるのかもしれません。

そんな痛みを抱えながらも、「主婦として家の片付けは私がしなければならない」「これが私の仕事だから…」といった義務感から、やる気が出ないにもかかわらず片付けをするのは苦痛なことですよね。

この「義務感」の下にも、「家事をてきぱきとする主婦でなければ旦那さんに愛されない」という怖れや、「家事をして役に立たない私には価値がない」という無価値感などの心の痛みが隠されています。

こういった義務感やその下にある心の痛みが、Aさんの本当の想いや「やる気」を隠してしまって、その想いがAさん自身も見えなくなっているのです。

「何かをしないと愛されないのではないかという」怖れや、「役に立たない自分には価値がない」という無価値感を癒してあげることができると、何かをするから愛されていた訳ではないことに気づきますし、自分がただ存在していることに価値を感じて、そんな自分が愛されていることを感じることができます。

ここでその痛みや義務感から解放されると、その下にある想い、例えば、「旦那さんや子供達には綺麗ですっきりとした居心地のいい空間で過ごしてもらいたい」といった思いやりや、「かたづけて部屋が綺麗になると、自分もすっきりすることができていい気分になれる」という喜びや楽しみに気づくことができます。

その自分の中にある思いやりや愛情、喜びや楽しみといったポジティブな感情に触れると、それに満たされるのを求めて、自然にやる気が出てきます。

その「やる気」を感じながら片付けるか?片付けないか?を選んで決めて実際にやるのは、難しいことではないでしょう。

やる気を引き出すには? ~無意味感の下に隠れた意味を見つける~

「無意味感」に関しては、それをする目的や意味の再確認が鍵となります。

やっても意味のことというのは、文字通り意味がないわけですから、そんなことをしたいと思う人も、しようと思う人もいませんし、実際にやりません。

それにもかかわらず、無意味感を感じながらもそれをやっている背景には、少なくともそれを始める時点では、それをやることで得られる成果や意味というものを見出していたからではないでしょうか?

始める前から無意味感を感じていたとしても、それを感じながらも「やろう」と思ったり、実際にやる背景には、同じようにそれをやることで得られる成果や意味というものを見出していたからなのだと思います。

その「目的」「意味」「得られる成果」というのは何だったのでしょうか?

例えば、仕事に関してやる気が持てない、こんなことをしても意味がないと感じることがあった時、やる気を持てない自分や、やっていることに虚しさを感じてしまう自分を責める代わりに、「そもそも、何でこれをやろうと思ったのだろう?」と自分に問いかけてみるといいかもしれませんね。

それが見つかった時、「それを得たい」と求める、自分の中にある愛情ややさしさといった「想い」に触れることができた時、同時に「やる気」を感じることができるでしょう。

やる気を育てる

本当に意味のないこと、やりたくないことは、やりませんし、「やる気」も求めません。
「やる気」を必要とする背景には、それに対する「やる気」があるから求めるのだと思います。

その「やる気」を育てるのは、「やる気」という名の木を育てるようなものです。

種や苗木の無いところには絶対に木は生えませんよね。

種や苗木に「早く大きくなれ!」と叱咤激励しても、それは木の成長には役に立ちませんよね。

木の成長に役に立つのは、日光、水、栄養分です。それを充分に供給してあげるだけで、木はすくすくと成長していきます。

やる気が出ないというは、「やる気」という名のまだ若い苗木に、「義務感や無意味感」という名のツタがからまっているようなものです。

その状態では、いくら日当たりを良くしてもツタの葉に邪魔されて日光はあたりませんし、いくら水や栄養分を与えても、それをツタが全部横取りをしてしまいます。

たくさん日光や水や栄養分をあげるよりも、からまったツタを取り去ってあげる方が木の成長には役に立ちます。

そうすることで苗木は根を張り、幹を太くして高さも増してきます。
ツタを取ったり、下草を刈ったり、虫除けをしたりすることで立派な成木となり、豊潤な果実をつけてくれるでしょう。

そんなイメージで「やる気」を育てていただいて、収穫を楽しんでいただきたいと思います。

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