早く片付けないと落ち着かない ~モヤモヤとした気持ちを受け入れる~

物事を早く片付けられるのは、本来は素晴らしいことなのですが、その動機が怖れや不安からきているのであれば、本人はしんどいでしょう。

その怖れや不安の根源は過去に感じた失敗感や後悔の念からきていることが多く、過去のつらい経験から、「今度こそ、うまくできないと取り返しのつかないことになる」というように自分を追い詰めるため、少しでも早くその不安な状態から脱しようと早め早めの行動を取るのです。

今回の心理学講座では、いつも何かに追われているようでつらいという方に、その怖れや不安、焦る気持ちとの向き合い方について説明させて頂きます。

◎リクエストを頂きました◎
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何かやらないといけないこと(例えばメールの返信だったり、頼まれた仕事)が舞い込んでくると、片付けてしまうまで気持ちが落ち着かず、疲れていてもついつい急いで片付けてしまいます。休みたいなと思う時もありますが、「ボーっとしていたら忘れてしまうかも」という怖れを感じ、忘れないうちにと慌ててやってしまうのです。

「今日やることはない、明日やればいいのだ」と頭では思いますが、翌日になるまでその問題を持ちこしてしまうと、そればっかり考えてしまうのです。片付けないと気が済まないのです。ギリギリまでやらずに放置する、とまではいかなくても、もう少しゆったり構えていたいのですが、どうしたらいいでしょうか。

(一部、頂いた内容を編集させて頂きました)
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早く片付けたいという心理

物事を早く片付けないと落ち着かないというご相談を頂きました。
物事を早く片付けられるのは、本来は素晴らしいことです。でも、ご相談者の方のようにそれがしんどいとしたら、何か追われるような気持ちで物事を片付けている(動いている)のだと思います。

その原因は、様々だと思いますが例えば、親が厳しくいつも急かされた、うまくできないと叱られ、いつも焦っていた、とか締切を守れず、大事な契約を白紙に戻してしまい、今でも自分を責めている、とか時間通りに待ち合わせ場所に行けず、大事な人と疎遠になってしまい、すごく悲しかったなど、過去の苦い経験を通して植えつけられていったのでしょう。

「遅れてはだめ」「ギリギリだとリカバリーがきかない」「また、悲しくて嫌な目にあう」という思いが、早め早めに物事を済ませなきゃいけないという気持ちを生み、あなたを苦しめるのです。

遅刻をしてはいけない

例えば、あなたが早め早めに行動をしなくては気がすまないタイプの人だとして、友人と正午12時に駅南口で待ち合わせをしているとしましょう。集合時間が12時であれば本来は11時55分くらいに待ち合わせ場所に着けばいいのですが、早めに到着していないと気が気でない。だから、何十分も前に駅に到着し、その周辺をブラブラしてから待ち合わせ場所に行くとします。

遅刻しないよう、早めに来ることは決して、悪いことではありませんが、用もないのに早めに着いていないと心配でしょうがないというのであれば、待ち合わせの時間までずっと、気が抜けないでしょう。
遅刻をしてはいけないという怖れが行動の源になるので、常に不安を抱え、完璧主義になり、しんどくなってしまいますし、人と待ち合わせをすること自体がストレスに感じてしまうでしょう。

空に浮かぶ雲をイメージする

「早く片付けないといけない」という思いがつよく、自分自身を追い詰めてしまう人は、ほんの少しでもいいので完璧主義を手放せたら、もっとラクに生きられるようになるでしょう。

空に浮かぶ雲を思い浮かべてみてください。

あなたが普段、見ている空は、いつも真っ青で雲ひとつないでしょうか?
決して、そうではないと思います。快晴の青空もあれば、雨雲が立ち込め、薄暗くなっていることもあるでしょうし、キレイな夕焼けが見える日もあれば、雲だらけの日もあるでしょう。

でも、例え雲がたくさんあっても、私達はその空を変えようとはしません。再び、青空が広がるのを静かに待ちますよね。

その空に浮かぶ雲のように、いつも真っ青な空でなくても、その状況を受け入れ、慣れていくことで少しずつ気持ちが穏やかになり、今、行えばいいことに集中できるようになります。その白でも黒でもない、グレーのままの状態に慣れることが、いつもゆったりとした気持ちでいられる秘訣なのです。

もちろん、完璧を目指すのは悪いことではありません。でも、そこに曖昧さを受け入れ、期限までに終わればいいという柔軟性を兼ね添えることができれば、もっとあなたは生きやすくなるでしょう。

失敗した過去の自分を許す

では、どうしたら完璧主義を手放せるのでしょうか?
それは過去の自分を許してあげることです。

実は私もご相談者の方と同じように物事を早く片付けないと気が済まない性格でした。
でも、その動機が過去の失敗からの焦りや過去にうまくできなかったという自責の念からくるものだと気付いてからは、もっと自分にやさしくするように努めました。

過去に失敗し、そのときに落ち込んだり悔いている自身をイメージし、その自分にこう伝えるのです。

「失敗してもいいよ」
「キミはもう、同じ失敗はしないから安心していいよ」
「キミはあの頃より確実に成長しているよ」
「自分を信じてあげて」

そして、最後に、「今を楽しんでもいいよ」...って

すると不思議と気持ちが落ち着き、今、やればいいことを肩肘張らずにやろうと開きなおれたのです。

不完全を受け入れる

おそらく、早く片付けないといけないという方は自分に厳しく、真面目な方が多いのだと思います。でも、人は不完全ですし、人生の中で完璧にできること、完璧な状態って、ほとんどないのかもしれません。
もしも、そうだとしたら、その不完全さや曖昧さを受け入れ、「自分はまだまだだな。だからこそ、伸びしろがある」と、その不完全な状態、区切りの悪い状態を楽しむことができたとしたら、私達は少しだけ、完璧に近付いたと言えるのかもしれませんね^^

完璧でないあなたを許してあげてくださいね。
そして、今日行えばいいことが済んだら、あなた自身をたくさん褒めてあげてくださいね。
少しずつ、力が抜けてくると思います。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

土肥 幸司

自信喪失のケアから夢やビジョンの実現サポート、幸せになれるコミュニケーションを得意とし、”お客様を笑顔に”をモットーに、お客様の気持ちに寄り添った心理分析と、今できることを分かりやすく提案している。 優しい口調からか、癒し系のイメージを与えることが多く、いつも笑顔が絶えない。