自分嫌いを直す方法(4)~好きなことをする/褒める/感謝/与える~

好きなことをしない、ということは私たちにとってすごくストレスなんです。でも、子ども時代の癖でそのことが当たり前になってしまっています。それが好きなことが見つからない理由でもあります。

また、そのほか、下らないことで自分を褒めたり、当たり前だと思うことに感謝をしたり、誰かにその気持ちを伝えたり。簡単な習慣を身に着けることで自分嫌いは自然と解消されていきます。

さて、自分のことを好きになるには2回目にちょっとご紹介した「好きなことをする」というのが基本線です。
でも、なかなか好きなものが見つからない・・・という方も多いでしょう。
そういう皆さん、それだけ毎日しんどい生活をしている、って自覚はありますか?

好きなことを我慢するって、子どもにとってはもう、生きている意味が分からないくらい苦痛なことなんです。
でも、それって子供だけじゃないはず。

もし、ダイエットのために好きなケーキを我慢した経験のある方なら、、、
貯金のために欲しかったカバンを諦めた経験のある方なら、、、
仕事だから、と恋人とのデートをキャンセルしたことのある方なら、、、

きっとその苦悩は分かると思います。
しかし、それが繰り返されると癖になります。

その我慢するしんどさ、辛さ、惨めさ、悲しさ、罪悪感、寂しさ、苦しさを味合わずに済む方法があるとすれば、それは「好きなものを持たない」ということです。
そしたら、苦しくないでしょう?

もしかしたらあなたの人生はそんな過去の積み重ねだったのかもしれません。
だから、「自分のことを好きになろう」としても、今までの数々の抑圧がなかなかその思いを遂げさせてくれないんです。
あなたのインナーチャイルドはこういうわけです。

「何を、いまさら・・・。今まで散々我慢させて、いまさら好きなことをしろって?は?」

拗ねちゃってるのかもしれません。

だから、その子のご機嫌をうかがいつつ、継続的に続けられる方法をご紹介したいと思います。

好きなことをする

これは解説済み。それがある方はぜひできる範囲で、出来るだけ早く、好きなことをしてみてください。

どれくらい下らないことで自分を褒められるかゲーム。

1日五個、自分を褒めてください。
どんなに下らないことで褒められるか?が勝負です。
真面目にやるとできないので、ちょっとしたゲーム感覚にするのがお勧めです。

・ちゃんと外行きの服を着た。
・メイクをちゃんとした。
・時間通りに駅に着いた。
・ちゃんと自転車置き場に自転車を置いた。
・ちゃんとマナーを守って電車に乗った。
・出入り口に近いときは駅に着くとホームに降りて後ろの人を通してあげた。
・会社の守衛さんにちゃんとあいさつをした。
・会社の人に眠いながらもあいさつをした。

「そんなの当たり前じゃん」という“エゴの罠”に引っかからないでください!
「当たり前」を崩すことが自分を好きになる大切な法則の一つなんです。

感謝の言葉を敢えて使う。

「ありがとう」の反対言葉って何か知っていますか?
「当たり前」だそうです。「ありがとう」って「有難う」って書くでしょう?
すなわち、「有り難いもの」だから、反対言葉は「当たり前」。

できて当たり前なことって何もありません。

もし、あなたが足の骨を捻挫して松葉づえをついた経験があれば「歩く」ということがどれくらい当たり前じゃないか分かると思います。

もし、あなたが海外に住んだことがあったとしたら、電車が時間通りに来ること、シャワーから温かいお湯が出ること、指定した時間に荷物が届くことが全然当たり前じゃなくて、どれも奇跡だということを知っているでしょう。

当たり前という気持ちは私たちの心を冷やし、人生をつまらなくする特効薬。
だから、「ありがとう」という言葉を敢えて使うことは、とても素敵な習慣になります。

また、何かしてもらったとき、つい、「すいません」と言ってしまいません?
それを「ありがとう」って言いかえることも効果的です。

そして、ありがとうって言いながら、思いながら何かをすると、その動作は丁寧になります。
試しに、歯を磨く時、体を洗う時、包丁でニンジンを切るとき、テーブルの上を拭く時、「ありがとう」と言いながらやってみてください。
心が穏やかになって自分の手つきが変わるはずです。

言葉を変える。

できるだけポジティブな言葉を使うように心がけます。
「でも」「だって」「どうせ」の“人生を不幸にする3D”をできるだけ使わず、使ってしまった時は、すぐに「訂正、訂正」と言い直してみてください。

カウンセリングを録音されてた方が、家に帰って聞き返した時、ある驚きに出会ったそうです。
それは「私、こんなに否定的な言葉、使ってるんだ。」ということでした。
自覚、無いんですよね。自分の言葉。

最近はスマホでも携帯でも簡単に録音できますから、友達との電話を一度録ってみてください。
(なかなか勇気いるでしょ?怖いでしょう?)

ただ、全部の言葉をポジティブにしなくてもいいんですね。
使う言葉の51%がポジティブだったらいいんです。

「でも」とか言っちゃいけないわけでもなく、暗い言葉、ネガティブな発言を禁止するのもまたしんどいですから。
しちゃったときに言い直す、という習慣の方が健康的です。

そうして、ポジティブな言葉が持つ、ポジティブな言霊を採り入れて行くと、自分に対するイメージもポジティブになっていきます。

*実際、自分のことを好きな人ってポジティブな言葉を使ってますよね?

与える、という習慣を持つ。

これは心理的に余裕があるときだけでも構いません。(ただ、しんどいときにやってみると、そのしんどさを抜けることもできるので、チャレンジしてみて頂きたいのが本音なんですが。)

誰かのために、その人が喜ぶことを、喜んでしてあげる、ということ。

一番簡単な与える方法は「感謝を伝える」「褒める」ということかもしれません。
「いつも話を聴いてくれてありがとう」
「いつも付き合ってくれてありがとう」
とか、
「お前ってほんとよく気が利くよね。優しいよね」
「あなたって場の雰囲気を盛り上げるのがうまいよね」
とか。

人に感謝したり、褒める癖を付けると、人から感謝されたり、褒められることが増えます。
これは皆さんが体験されてることですから、ぜひ、「おお!ほんとうだ!」という経験をしてみてください。

かつて、あるクライアントさんは自分が人を褒めるのが苦手だと気付いて、でも、いきなり人を褒めるのは恥ずかしいから、テレビに出てくるタレントさんをテレビに向かって褒める、ということで練習していたそうです。

これ、素晴らしいな!と思いました。

「最近、ちょっと疲れてない?少し休んだら?」
「いつも頑張ってるから、少しは自分のための時間作らなきゃね」
「今度、前から行きたいって言ってた映画行こうよ」

そんな風に少し相手の心の中に入り込む発言や行動ができるとさらに与えられる世界が広がります。

これらの方法は確実に効果があるんですが、今日明日すぐに、という方法ではありません。
できれば2,3か月。最低でも1か月、続けてみてください。
だいたい多くの人が2,3週間で「効果がない」と諦めてしまいます。
それは2,3週間で“心のデトックス”が起こってしんどくなったり、諦めたくなったり、抵抗が出てきたりするからなんです。

そうやって自分嫌いを直そうとしていると、きっとある気付きがやってきます。
それは今回の連載で一番伝えたかったことの一つ。

「自分のこと、嫌いでも、ええやん」
「自分のこと、嫌いでも、いいじゃん」

ということ。

逆説的ですが、自分嫌いを許せたら、自分嫌いじゃなくなるのです。

自分のことを受け入れ、好きになり始めたとき、きっとあなたはそれを感じることができます。
それこそ「自己攻撃」がない状態で、あなたが「安全な人」になり、自然体で生きられるようになった証拠なのです。

(了)

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