面倒くさがりの心理~やらない理由と意欲の引き出し方~

「面倒くさい」と思うのには、「できるのにやらない」心理と「できないからやらない」心理の二種類があります。

できるのにやらないのは、我慢する犠牲感・しなければの義務感・強制される不自由感などの感情が不快で、それに怒ったり反発したりする表現が「面倒くさい」とやらない形で現れています。

できないからやらないのは、いわゆる完璧主義で、「完璧にしようとするとものすごく大変。完璧にできないのなら一切しない。」が「面倒くさい」という表現になるもの。背景にコンプレックスがあり、自分の不完全さを感じる挑戦を避けようとします。

意欲を引き出すには、できるのにやらない時は、誰かにやらされている感を払拭して「自分がやりたいからやる」と自主的に取り組む意味を見つけていくことが必要でしょう。できないからやらない時は、「完璧にできなくてOK」と要求水準を見直し、過程を評価していくこと、不完全さを許すことが必要でしょう。

◎リクエストを頂きました◎
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自分は面倒くさがりなのですが、面倒くさがりの心理と改善方法を教えてください。
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「面倒くさい」と思う心理には二種類あります。一つは「できるのにやらない」心理、もう一つは「できないからやらない」心理です。

「できる」のにやらないのは

「やろう!」と思って取り組めば、そんなに難しくなく終わるのに、面倒くさくてやる気が起きないというケースです。

簡単に言えば、人は「やりたくないこと」をしようとしている時に「面倒くさい」と感じます。「なぜやりたくないと感じるのか?」がやらない理由になるでしょう。

例えば、休日に自分は読書をしたいのに、友達に「洋服を買いに行こうよ。」と誘われた場合。「その日に本を読むのをあきらめて、洋服を買いに行けなくはない。でも、面倒くさいなぁ。」となったりしませんか。自分の意志と違うことをしなければならない時、私達は面倒だと思うようです。

自分が我慢しないといけない犠牲感や、「~しなければならない」という義務感、誰かに強制されているような不自由感があったとしたら、「やりたくない=面倒くさい」と感じるでしょう。

「できるのにやらない」のは、犠牲・義務・不自由などの不快な感情に対してストライキを起こしているようなものかもしれません。時には、「私は今こんなに大変なの。誰かわかってよ。」という気持ちが、「面倒くさいからやらない。」という反逆のスタイルで表現されることもあります。イカリや反発心が面倒くさがりの背景にあるのかもしれませんね。

「できるのにやらない」タイプの面倒くさがりさんには、「自分がやりたいからする」という自主性を取り戻していくことが必要となってきます。

そのためには、それをすることの「意味」をもう一度探してみること。それをすることで自分にとってもメリットがあるとか、それをすることで誰かを喜ばせることができるなど、何か意味はありませんか。意味が見つかって「自分がやりたいこと」に分類されたら、面倒くささも減るのではないでしょうか。

また、「やらなくてもいいことをやめていく」という方法もあります。選択の結果、自分が「やる」と選んだことだと思えたら、意欲をもって取り組みやすくなるでしょう。

「できない」からやらないのは

「やるからには、ちゃんとやりたい。でも、そのためにはAとBとCもしなきゃ…。」と、一つのことを成し遂げるのに「しなければならないこと」がいくつもあると、「全部するのは無理かも。面倒くさいからやめておこう。」となるケースです。

こちらのケースは、物事を0か100かで見る、白か黒かをはっきりさせたい、いわゆる完璧主義傾向がある人に多く見られます。完璧主義者の基準は「完璧にする」か「完璧にできないのなら一切しない」の2択です。完璧にするためには、多大な労力の投資が必要です。この膨大な労力をかけなければならないことを想像して面倒くさくなるわけです。

ここでは「完璧にできなくてOK」と、自分や他人への要求水準を見直すことが大切になってきます。

例えば、オリンピックで金メダルを獲得できない選手がいたら、その選手の存在意義はないのでしょうか。そんなことはないですよね。たとえ金メダルを獲れなくても、オリンピックで競技できたことは素晴らしいことでしょう。その選手を通して、たくさんの人が夢を抱き、挑む姿から感じるものがあったでしょう。金メダルがなくても、その人は評価される存在でしょう。

あなたという存在も同じではありませんか。たとえ完璧にできなくても、何かに一生懸命取り組む姿は周囲にいい影響を与える存在なのではないでしょうか。

心が元気でいるのには、「結果がすべての考え方」よりも、「過程を評価する考え方」を取り入れた方がいいのかもしれません。過程が大切にできたら、「完璧にできないなら一切やらない」という極論から抜け出しやすくなるのではないでしょうか。

取り組むことで成功体験を重ね、達成感を覚えて自信を持ち、更なるやる気につながっていくとか、失敗を乗り越えて成長するとか、やってみるからこそ生まれる流れがあります。

完璧にできなくてOKです。まずは、少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。動き出しは面倒に感じるかもしれませんが、転がりだしたら意外に楽しいかもしれませんよ。

それから、「完璧な自分でいよう。」とする裏側には、「自分は不完全だ。」というコンプレックスが潜んでいると言われています。私達は不完全さを隠そうとして完璧さを求めることがあるようです。

人間はみんな不完全です。自分の不完全さを否定するのではなくて、不完全さがある現実を受け容れてみませんか。不完全ながらがんばっているのだとしたら、「よくやっていると思うよ。」と自分を認めやすくなるのではないでしょうか。

自分を認められるようになると、「完璧にできないなら一切しない」と面倒くさがっていた気持ちが変化して、「ちょっとやってみようかな」という意欲が芽生えるかもしれません。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。