心の距離が近づく過程

人が親密になるには、知らない人(他人)→よく会う人(知人)→一緒にいて楽な人・楽しい人(友人)→気になる人(特別な人)という過程を辿ります。

心理的には、繰り返し接触すると好意を持ちやすくなる単純接触効果や、好意をもたれると好意を返したくなる好意の返報性を活用していけるといいでしょう。

また、共通点・違いを受け容れて尊重し合うことで、リラックスしてつきあえる関係をつくれると、一緒にいることを楽しみやすくなるでしょう。あなたがハートを開くと、あなたが自己開示した分だけ相手も本音を話しやすくなる雰囲気が生まれるでしょう。自分からできることはたくさんあります。

そして、相手のタイプ・相手の事情を理解することで、相手に「何を感じさせるか」に配慮してけると、自分にも相手にも無理なく心の距離を近づけていけるでしょう。

◎リクエストを頂きました◎
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まだそんなに親しくない間柄の異性と親密になるにはどのようなプロセスがあるのでしょうか?
自分の場合ですと、会話で敬語からくだけたタメ口へと変わるタイミングがどうもつかめません。
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人が親密になっていく過程には個人差があります。あえて過程として説明すると、知らない人(他人)→よく会う人(知人)→一緒にいて楽・楽しい人(友人)→気になる人(特別な人)といった段階が設定できるかと思います。

よく会う人になる

例えば、今日初めて会った他人と、話したことはないけれど何度か顔を合わせている他人と、どちらが印象に残っているでしょうか。CMのキャッチコピーやテーマソングなど、繰り返し見たり聞いたりするものに慣れ親しんだ感覚を持ちませんか。特定のお店に何度も通うほど愛着がわいたりしませんか。

「ただの他人」から「見慣れた他人」になると、警戒心を解きやすくなります。

人には、繰り返し接触すると好意をもちやすくなるという習性があります。これを「単純接触効果(ザイアンスの法則)」と言います。

親密になるには、あなたの存在を認識してもらうのが第一段階です。親密になりたい人とできるだけ顔を合わせる機会を増やすようにしましょう。

一緒にいて楽な人・楽しい人になる

知り合って会話をするようになったら、お互いの共通点を探しましょう。

相手の考え方や行動などに自分との共通点を見つけると、「似たような価値観を持った人」「同じような感覚を共有できる人」「わかりあえる人」と思いやすくなります。仲間や味方という意識が芽生えたら、心の距離が近づくでしょう。

「リラックスした状態で一緒にいられる人」「一緒にいて楽しい人」に認定されると、友達やそれ以上の関係が築きやすくなっていきます。

なお、いろいろな人の中には「違っていること」に魅力を感じる人もいます。相手が違いを重視する人ならば、無理に共通項で括ろうとするのはやめて、違いを承認したり違いを尊重したりしていきましょう。

大切なのは、相手があなたを「私のことを批判しない人」「私のことを受け容れてくれる人」と感じるかどうかです。

「好かれると気になる」の法則 ~好意の返報性~

誰かに優しくされたら、「自分もその人に優しくしたい」と思いませんか。自分を評価してくれる人がいたら、その人のいいところが目につきやすくなりませんか。

人は相手が自分に好意を抱いてくれていると感じると、その相手に好意や興味をもちやすくなるようです。これを「好意の返報性」と言います。

もし、親密になりたいターゲットが恥ずかしがりさんなら、「○○さんの仕事ぶり、スゴイと思います。」「その腕時計カッコイイですね。」というように間接的に相手をほめるなどして、好意を示してみてはいかがでしょう。

なお、相手に準備ができていないのにグイグイ攻め過ぎてしまうと、相手は「あなたの気持ちに応えられない」のを申し訳なく思い、それを感じるのが嫌であなたとの接触を避けようとすることがあります。

相手が嬉しく思えるように好意を示すことがポイントになるでしょう。

ハートを開く

他人→知人→友人・恋人へと関係を進めていくには、あなたがハートを開いていることが大事になります。あなたがハートを開いて本音を話した分だけ、相手も本音が話しやすくなります。あなたがどれだけ自己開示しているかで相手の反応が異なってくるようです。

例えば、あなたが好きな食べ物の話をしたら、相手も自分の好きな食べ物の話をしやすくなるでしょう。

自己開示の話題の選びは、「気になる人に自分のいいところを見てほしい。」と、つい自分のいいところばかり選んでアピールしたくなるものです。

ところが、心理的には、相手のいいところアピールや美談よりも、相手の中に自分と似たような弱さを感じたり、失敗談を聞いたりする方が相手を身近に感じることができるようです。

親近感をもってもらうには、飾らない“ありのままの自分”を表現していけるといいのかもしれません。

丁寧語からタメ口へ

関係が近くなるとタメ口で話したくなるものですが、このタイミングで悩む方は少なくありません。大抵は「今日からタメ口で話そう!」といった打ち合わせなどしませんので、お互いの心の距離を測りながら試していくことになるかと思います。

まずは、相手のタイプを知りましょう。丁寧語で話すのが標準装備の人もいれば、ビジネスシーンでは丁寧語しか話さない人もいるでしょうし、年齢や立場などの理由から相手の側から言葉づかいを崩せない場合もあります。また、関係性に線引きをしたくて敢えて丁寧語を使う人もいます。

丁寧語が標準装備のちょっと硬派のタイプなら、冗談にしてこちらからタメ口を投げかけて様子を見てもいいでしょう。シーンで使い分けている人ならば、シーンが切り替わった時にタメ口になってもいいでしょう。相手の側からタメ口になりにくい環境ならば、タメ口OKの許可を出してもいいでしょう。

親しくなっても中々くだけた言葉づかいにならないと寂しく思うものですが、相手には相手の事情があってのこと、あまり気にし過ぎないようにしましょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。