自分は愛情がない人間だと評さないために(4)~愛がないのではなく心の傷が悪さをする~

自分のことばかり主張して相手のことを思いやれなかったことに気づき自分を責めてしまうお話をお聞きすることがあります。そして自分のことを愛情がない人間だと評してしまうお話をお聞きします。

しかし、よくよくお話をお聞きしていると相手を思いやれなかったその理由が愛情がない人間だからではなく過去の癒えていない心の傷が悪さをしていたのだということがわかることがあるのです。

カウンセリングで誰かを傷付けてしまったことに気づき自分のことを責めてしまうようなお話をお聞きすることがあります。

そして自分は愛がない人間だと評してしまうお話をお聞きすることがあります。

しかしよくよくお話をお聞きしていくとそれは愛がないからではなく癒えていない心の痛みが悪さをしていたことがわかることがあります。

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例えばこのような話です。

A子さんは付き合っている彼氏がいました。

彼氏はいわゆるハードワーカで夜遅くまで仕事をしており平日はなかなかあうことはできませんでした。

そして休日も休日出勤になることが度々あるような仕事が忙しい彼でした。

会えない日が続くとA子さんは不安になりたびたび彼を試すようなことを言っていました。

「夜遅くまで連絡がつかないけど本当に仕事なの?浮気しているんじゃないの?」
「前は日曜日は確実に会おうとしてくれていたけれど最近は日曜でも仕事であえないことが多くなったわね。もう好きじゃなくなったのならそう言ってくれていいのよ」
「他に好きな人がいるなら正直に言ってね」

などのようなことを度々言っていました。

その度に彼氏は「そんなことは無いよ。本当に仕事なんだよ」「ごめんね不安にさせて時間がとれるように頑張るから」「好きなのは君だけだよ」とA子さんをなだめ、あやまり、安心させようと頑張りました。

そしていつものようにA子さん彼氏に対して「本当に仕事なの?」と試すようなことを言った時のことです。

彼氏はいつものなだめ、あやまり、安心させようということをせずに、しばらく距離をおこうと言い出したのです。

「僕の仕事が忙しいのはこれからも続くと思うそうすると君の不安これからも続くことになる。僕では君を幸せにできないのかもしれない・・・。
君とこれまで付き合ってきて僕は恋愛や結婚に向いていない人間なのかもしれないと思うようになってきた。だから、しばらく距離をおいてこれからの付き合い方を考える時間をもらいたい」と彼氏は言うのです。

その言葉を聞いてA子さんは気づきました。
今まで自分がやってきたことが彼氏を傷つけていたということに・・・。

A子さんは自分を責めました。
自分の不安ばかりをぶつけて彼氏が傷付くかどうかを気にかけていなかった自分のことを責めたのです。

そして毎日仕事が遅い彼氏の身体を気遣うことなく自分が不安になっていることをだけを主張し続けた自分を責めました。

『私は自分のことばかりで彼のことを考えてあげられていない愛情が欠けている人間だ』と自分を責めたのです。

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例え話のA子さんのようなケースをお聞きすることがあります。

このようなケースで例えばA子さんの場合だったら彼氏に不安をぶつけるのではなく彼氏の身体のことを気遣ってあげることができれば確かに良かったかもしれません。

しかし、よくよくお話をお聞きしていくとそれができなかった理由が見えてくることがあります。

例えば前の恋愛では彼氏が仕事だというのを信じていたら本当は浮気をしていたことがわかったというような経験があるというお話をお聞きすることがあります。

そのような経験がありその傷が癒えきっていないと『本当に仕事なの?』という疑いの気持がでてきてしまうのはわかります。

そんな時にこう私はお伝えすることがあります。

「あなたに愛がないから彼氏のことを考えずに不安をぶつけていたのではなくて心の傷が悪さをしていたのではないでしょうか?ご自身をそんなに責めないでください。心の傷が悪さをしていたのだとしたらその傷をこれから癒やしていきましょう」ということをお伝えすることがあります。

心の傷が悪さをしていたのだと理解することができれば自分を責めることをやめ自分を許すことをしやすくなります。

そして自分は愛情が欠けている人間だと間違った思い込みをせずに良くなります。

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仮に肉体的に身体の一部をケガしたとします。
例えば、手にアイスピックのようなものが刺さったとしましょう。

するとどこに意識がいきますか?

そう!手にいきますよね。

痛いところに意識がいきます。

心も一緒で心が傷付いていると痛いところ(自分の心)に意識が向きがちになります。

その為、相手のことに意識が向きにくくなりA子さんのような自分の不安ばかりぶつけて(自分のことに意識が向いている状態)彼氏が傷付くかどうかに気づかない(相手に意識が向いていない状態)ことがおきやすくなるのです

これも癒えていない心の傷が悪さをしていると言えます。

では、癒えていくとどうなるのでしょう?
癒えていくと痛いところ(自分の心)に意識が向きがちなることが解消されていくので相手に意識が向けやすくなります。

A子さんの例えで言うとハードワークをしている彼に「休みの日会えないのは気にしなくていいから無理しないでね」と彼のハードワークで大変というところに意識を向けてあげたり「仕事が忙しくて疲れているだろうに私との時間をとろうとしてくれてありがとう」彼なりに頑張ろうとしている想いに気づきやすくなったりします。

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時には反省することがいることもあるかもしれませんが自分を過度に責めたりはしないでいただきたいのです。

ミスは訂正できればいいのです。過度に自分を責めないでくださいね。

そして“できなかった理由”“そうしてしまった理由”を見つめなおしてみて見ませんか?

すると愛がなかったわけでなく癒えていない心の傷が悪さをしていたことがわかるかもしれません。

その場合は自分は愛がないと評するのではなく癒やしがいるだと気づくことがいるのでしょうから。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。