登山で寝坊したお話

今回のコラムは、前回書かせていただいた、「登山に行って来ます。
」の続きになります。
この登山というのは、カウンセリングサービスの母体である、神戸メンタルサービス代表の平社長に同行すると言う、一般の会社の話で考えると、社長接待と言ってもいい旅行だったのですが、私は初日の集合時間に寝坊しました。
前回書いた、「登山に行って来ます。
」は、まさに登山に行く集合時間のわずか数時間前に書いたコラムで、今読み返しても、これから始まる登山に胸を躍らせている天国のような状態だったなと思うのですが、その数時間後が寝坊。まさに天国から地獄と言ってもいい、精神的なジェットコースター状態でした。
なので、私は、登山初日は、集合場所ではなく、一人で現地へ向かうことになったのですが、その電車の中、私が考えていたのは、「こんな大事な日に寝坊するなんて、自分はなんてドジな男なんだろう。でもこの経験、5年後には、笑って話せるようになっていたい。」と思っていました。
初日に寝坊したとはいえ、その日の15時頃には現地に到着し、その後はとても楽しい登山となりました。
そして、いつもなら、このような旅行をすると、お土産を買い込んで、旅行話とともに親しい人に渡したり、写真をブログにアップしたりするのですが、今回はしませんでした。
なぜなら、初日に寝坊した事が人に知れてしまうと、自分のイメージが悪くなると思い、隠しておきたかったからです。
ところで、カウンセリングサービスには、感謝祭と言うものがあります。
これは、東京、名古屋、大阪、福岡の各地域で、年一回、カウンセラーの講演会をメインとしたイベントで、講演会の合間に、クイズ大会が催されます。
そのクイズは、私達カウンセラーに関する内容のクイズだったりするのですが、ここで、私の寝坊の話がネタにされてしまう事になりました。
もちろん、事前に聞かされてもおらず、突然、「今回参加のカウンセラーの中で、登山で寝坊した奴がおります。
それは誰でしょう?」と。私は、「えー!それクイズにされたら、私が寝坊した事、ばれるじゃないですかー!私のイメージが悪くなるじゃないですかー!」と思いました。
もちろん、そう思ったって、既に出題された後ですから、じたばたしても仕方ないのは、もちろんですが。
私は、恥ずかしくて困惑したのですが、その場の参加者の方々には、暖かく(?)笑っていただき、私は、なぜかそれで心が軽くなりました。
私は、笑ってもらったことで、許してもらえたと感じて、ほっとしたんだなと思います。
かくして、私が寝坊した時に思った「5年後には、笑って話せるようになっていたい。」という目標は、そのわずか半月後、「クイズ大会に出題されて、笑われる。」という、思っていたのとは随分違う方法で達成(?)されました。
そして、クイズ大会が終わってから、打ち上げなどで私は、仲間内からこの寝坊の話をつっこまれたりしたのですが、実は、クイズに出題される前から、案外みんな知っていたという事もわかりました。
私は、寝坊した事がばれないようにと思って、一切自分から話をしなかったので、隠し通せていると思っていたのですが、そう思っていたのは自分だけだったと言う、余計に恥ずかしい状況だったという事も知りました。
こんな事なら、始めからお土産でも渡しつつ、寝坊の話も自分からネタにして話すくらいのほうが、かっこよかったかなと思いました。
また、その登山では、山でコーヒーが飲みたいと思って、その為の道具を持って行ったのですが、私は山に行くのに重たい装備は命取りだと思い、とにかく軽量にする為に、お湯を沸かす道具として、携帯固形燃料を持って行ったんです。
しかしながら、これが山の上では火が点かなくて、飲めなかったんです。
名古屋の感謝祭では、もうひとつ私の失敗話として、このコーヒーが飲めなかった話(しかも、持って行ったコーヒーはインスタント。)の話も出されたのですが、初日に寝坊したことばかり考えていた私は、「おぉ、そんな失敗もしていたな!」と、コーヒーの失敗談は、もはや忘れかけていたのに、クイズ大会で、もう一度思い出して、恥ずかしい感情をもう一度味わう事になりました。
ちなみに、私は、名古屋だけでなく、東京や大阪のカウンセラーと連絡をとる機会もあるのですが、「いやぁ、聞きましたよ。コーヒー、沸かせなかったんですってね。」と、コーヒーの失敗の話を聞かれたことが、2度程あります。
一体この話、どこでどう伝わっているのか、やや不安です。
けれども、この寝坊による失敗は、私にとって、マイナスな面だけではありません。プラスとなる恩恵もありました。
まずは、待ち合わせの際は、集合場所へ行く時間が、格段に早くなったこと!これは間違いありません。今までは10分前につけばいいやぐらいに思っていたようなことでも、30分以上は前につきます。
それから、早寝早起きを心がけ、朝はゆったりと、コーヒーを飲むようなゆとりを持つようになりました。
それから、このコラムを読んでくれた方へ一言言わせて下さい。寝坊、失敗、日々生きていれば、嫌な事だってあると思います。
恥ずかしくって、穴に入りたくなるよな事もあると思います。
けれども、負けないで欲しい!失敗をするのは、チャレンジした証拠。失敗も、そこで諦めなければ、単なる通過点です。
と言うわけで、私は来年も、登山をして、今度こそコーヒーを飲みたいなと思っております。
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この記事を書いたカウンセラー