●木村家、大いに向き合う

木村家は結婚して3年半ほどになります。
おかげさまで、小さなケンカはあれど、離婚話にまで発展するような大きなケンカもなく平穏に夫婦しております。
しかしながら、3年半もの時を経ると、すれ違いや衝突の部分がない方がおかしいというものです。
今は問題として表面化していない小さなことかもしれませんが、それが表面化するくらいに大きくなってから修正していくのには、多大なる労力を必要とします。
それは避けねばなりません。
少し前に、2人共がなんとなくトゲトゲしている状態の時がありました。
なんとなく言葉の端々にトゲがあって、なんとなく好戦的な態度で…
爆発してケンカになるというほどでもない、なんとなくな感じだったのでそのままにしておきました。
そんなある時、カウンセリングが終わった後、「真正面から向き合うことって、とっても大事なんだな〜」としみじみと心の底から思うことがありました。
家に帰るなり、「真正面からちゃんと向き合おう!」と、台所でごはんの用意をしていた奥さんに言いました。
何のことか全くわけのわからない奥さんは目を白黒させながら驚くばかりです。
「ちゃんと向き合って、腹の下に隠しているものを、全部出し合おう!」
「思っているけど言えないこと、ない?ない??」
「ちゃんと俺の目を見て!」
奥さんはあきれながらも、真剣で譲りそうもない僕を見て、それに応えてくれました。
奥さん:「よーちゃんこそないの?」
僕  :「くーちゃんはあるでしょ?」
奥さん:「よーちゃんもあるでしょ?」
僕  :「くーちゃんから言ってよ」
奥さん:「よーちゃんが言い出したんだから、よーちゃんの方から言ってよ」
非常に醜い争いです(笑)
あっさり言えることならとっくに言っているわけで、あっさり言えないから未だ心の中にしまいっぱなしになっているんですよね。
「これを言ったら怒られる」「これを言ったら嫌われる」「これを言ったらケンカになる」そんな不安や怖れから言えなくなってしまいますし、相手の口から出てくる言葉を聞くというのも、これまたとても怖かったりします。
しかしながら、真正面から向き合ってコミュニケーションを取るということに燃えていた僕は、どうしてもそれをしたかったのです。
醜い争いからごまかし、そして言うか言わないかという葛藤まで少しの時間を経て、ついにお互いに思っているけど言えないことを発表しあうことになりました。
奥さん:「家のこともせずに遊んでばかりでごめんなさい」
僕  :「服の一枚もプレゼントしてやれなくてごめんなさい」
出てきたものは、自分を責める気持ち。そう、罪悪感です。
奥さん曰く、言ったら絶対に怒られると思っていたようです。
僕自身も「この甲斐性なし!」と責められるような感じがして、とても言い出しにくいものでした。
しかし、実際のところは、それぞれがそのことで自分を責めていたんですね。
それを「相手にそのように怒られるのでは…」と感じて、言えなくなっていたのです。
「すれ違いや衝突って、こんなふうにして出来るんだ〜」
しみじみとそう思いました。
その後話をして、お互いに、相手がゴキゲンでいてくれたらそれで満足というのを確認するに至りました。
この一件が関係あるかどうかはわかりませんが、その後、2人のトゲトゲはいつの間にか無くなっていました。
たまにでもこうして真正面から向き合うことって大事だな〜と思うと共に、こんな気まぐれにちゃんと付き合ってくれる奥さんへの尊敬と感謝の気持ちで一杯になったのでした。
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