「今の自分にできること」は光の入り口 ~佐藤真海さんのプレゼンテーションに思う~

2020年東京オリンピック開催が決まりましたね。
オリンピック招致の最終プレゼンの素晴らしさは、テレビ等でも話題になりました。
プレゼンの様子もTVやYouTubeで流れていて、わたしも遅ればせながら、観ることができました。
プレゼンテーションの最初に登場したパラリンピアンの「佐藤真海」さん。
「わたしがここにいるのはスポーツに救われたからです」という言葉から始まったスピーチの中で、19才で骨肉腫という病気のために片足を失ったこと、絶望の中にいた自分をもう一度奮い立たせてくれたのが陸上であったこと、3.11の震災で家族の安否がわからなかったこと、家族の無事を知ったとき、家族の幸せとはくらべものにならないほど大きな悲しみが国にあふれていたこと、その悲しみの地にたくさんのアスリートが訪れたことが多くの子供たちを「インスパイア(激励)」したこと、スポーツには、そういった影響力があることなどを語ってくれました。
終始笑顔で語ったスピーチ。
その中で、彼女自身の体験を語るとき、時折見せる感情の波。
その表情の影に、この人はどれだけの絶望を感じたのだろう・・と思うと、聞いているわたしの心も揺れました。
19才、夢と希望に満ちあふれる時代、病気を知ってたった数週間で片足を切断することになった時、彼女の世界は一変したことでしょう。
昨日まで同じように笑い、同じように未来を語った友が、全く別世界の人間のように感じることもあったでしょうし、自分の運命を嘆く日もあったでしょう。
描いていた未来が一瞬にして消えてしまう・・そんな体験だったのかもしれません。
彼女の病気がわかったとき、佐藤さんのお母さんは、こう言ったそうです。
「神様は乗り越えられない試練を与えない」
絶望のまっただ中にいる娘にこの言葉を語った母。
(推測ではありますが、この言葉を娘に伝えながら、お母さんもまた、絶望の中の「光」をみようとしておられたのかもしれません)
佐藤さんはスピーチで「私にとって大切なのは、私が持っているものであって、私が失ったものではないということを学びました。
」と語っています。
この言葉を聞いたとき、わたしは、胸が熱くなりました。
「失った足」、「失った未来」19才の佐藤真海さんにとって「失ったもの」の大きさははかりしれません。
そんな状況の中で「今私が持っているもの」に目を向けることは、どれほど難しく、どれほどの勇気のいることでしょう。並大抵の心の強さではない、と思うのです。
そうして、絶望の中から顔をあげ、「自分の持っているもの」に目を向けたときに、今のわたしにもできることがある。まだ、走れる。まだ、競技者として生きる道がある。という世界が見えてきたのだと思います。
それが、スポーツ用の義肢を装着して行う、陸上競技であり、「パラリンピック」であったのでしょう。
義足のアスリートとして生きること、それが彼女の選択した生き方であり、生きる目標になっていったのです。
ところが、その生き方や目標の意味を見失う出来事が彼女を襲いました。
3.11の震災です。
個人の力など無に等しく感じられるほどの未曾有の災害の爪痕。アスリートとしての存在の意味すら見失いかけていたのかもしれません。
けれど、彼女は「スポーツの真の力を目の当たり」にした、といいます。
自分が走ることで勇気づけられる人がいる。アスリートたちの競技する姿が、人々に希望と笑顔を与える。これこそが「スポーツの真の力」だと・・・
佐藤真海さんのプレゼンでは以下のように表現されています。
「そのとき初めて、私はスポーツの真の力を目の当たりにしたのです。
新たな夢と笑顔を育む力。希望をもたらす力。人々を結びつける力。200人を超えるアスリートたちが、日本そして世界から、被災地におよそ1000回も足を運びながら5万人以上の子どもたちをインスパイア(激励)しています。

「今、じぶんにできること」
「今、じぶんが持っているもの」
それを考え、行動に移していくことは、今の自分を受け入れ、許し、信頼することだとわたしは思います。
ちっぽけな自分かもしれない
だめな自分かもしれない
でも、その自分を受け入れて、そんな自分にもできることがあると信じ
そのできることに全力を尽くす
それが、たとえちっぽけなことだとしても、
「今の自分にできること」にベストを尽くすことができたなら、そこに誇りと自信が生まれるのだと思うのです
持っていないものやできないことに目を向けるのではなく、「今持っているもの」「今できること」に目を向けてみませんか?
それがあなたを輝かせる「光」への入り口となるかもしれませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
たくさんの幸せが訪れますように・・・
参考資料
佐藤真海さんのIOC総会でのスピーチ全文(読売新聞 9月13日(金)14時35分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130913-00000643-yom-spo
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那賀 まき

夫婦関係や子育て、対人関係、仕事、障害児の家族の問題など幅広いジャンルを扱う。特に「ずっと一人で頑張ってきた人が『より楽によりよい人生を選択できるようになるサポート』が好評である。 お客様から「無理のない提案で確実に変化できた」「会うと元気になる」等の感想が多く寄せられている。