◇「ひとり暮らし」   

この歳にして、やっと親から独立しました。
親には、高校卒業したら家を出るのが当然だと言われ続けて、10年余り。。。
それにもめげず、面の皮厚く、親のスネをかじれるだけかじっていました。
自慢じゃないですが、蛍光灯の取り替え方を知りませんでしたし、それどころ
か照明自体どうやって取り付けるのか知りませんでした。
トイレットペーパーは家にいつでもあるものだと信じて疑いませんでしたし、
同様にビールはいつでも冷蔵庫に入っているものだと。
そりゃ、1週間ぐらい母が家を空けているときは、料理や掃除ぐらいの家事は、
困らないぐらいにやっていましたが、それ以外、光熱費なんて考えた事無かっ
たし、何も知りませんでした。
しか〜し、ひとり暮らし歴10年の、4歳の頃からの親友の部屋に遊びに行った
時、ズッシーンと思い知らされました。
「私、何も出来ないやん・・・」
てきぱき私をもてなしてくれる彼女が、親の有りがたさと、「ひとり暮らしと
は?」を切々と語ってくれたのです。
自分の無知さに恥ずかしくなり、「これではいかん!!!」と、一念発起。
11月の末にひとり暮らしをすると決め、物件探しでは胃が痛くなり、それにも
めげず、晴れて1月11日というゾロ目に引越しをしました。
けれど、、、
寂しいのです。
かなり強烈に寂しいのです。
引越ししてまだ、一月もたたないというのに。
現状、テレビも無く、PCも無く、音の出るものといえば職場より拝借してき
た、「壊れかけのラヂオ」でなく、壊れかけのMDデッキ。
どれくらい使ったら、どのくらいの電気代がくるのか、全くもって見当つかな
いので、明かりもケチって蛍光灯は2本点けられません。
ましてや、エアコンなんて恐くて恐くて。。。
今の私の趣味は、ベランダに出て隣近所のマンションの明かりのついた部屋を
見つけること。。。
「あ、あそこ電気ついてる〜」
ひとり、ベランダで呟いています。
「いろんな人に電話したらいいやん」と、友達は私に言いました。
そんな事が出来ていたら、寒いベランダに出る前に、しています。
出来ないか
ら、寂しいのじゃ。
なぜ出来ないのか?
恥ずかしいから。
あほみたいな理由ですが、真剣です。
質問です。
みなさん、「寂しいから電話した」って言えますか?
カウンセラーとして言うなら、「そう言われて、電話もらった人は、嬉しいよ」
と、アドバイスするでしょう。
それは、きっと間違いではないです。
私が電話をもらう立場ならそうでしょう。
しかし、しかし、きの個人として、電話をかける側に立ったとしたら・・・
恥ずかしいです。
恥ずかしすぎます。
さらに、質問です。
「寂しいから電話した」の後、何を話せばいいのでしょう?
私は、ネタ帳に何も入っていないつまらない女です。
話題が無さ過ぎて恥ずかしいです。
よく、恥ずかしさを乗り越えて、自分の感情を伝えるレクチャーをしますし、
受けます。
いま、それが身にしみて、胃が痛いです。
。。
でもいま、これを書いている私は、かなり恥ずかしさと戦い、乗り越えようと
していないでしょうか?
さらにもっと恥ずかしいことを言います!!!
むかつくこと満載あっても、家族はいるだけで安心なのですね。。。
おとうちゃん、おかあちゃん、ありがとう。
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