緑はげしき国

「緑はげしき国」
ある本で、戦後に夢を求めて米国に移住した著者が、日本のことをこんな風に表現していました。
降水量が多く、湿気の多い日本の緑濃いさまを懐かしく思う気持ちが伝わってくるようではないでしょうか。
雨というと、ジメジメして洗濯物が乾かなかったり、電車やバスが混んでしかも濡れてしまうなどといったように、あまりいいイメージがないようです。
それに、お日様が出ない日は薄暗く、昼間から電気をつけなければならないし、厚みのある雲は重く、なんだかどんよりした気持ちになるものです。
恵みの雨ともいいますが、普段都会で働いているひとにとってみると、いまひとつピンとこないのかもしれません。
それよりも、舞い上がったホコリなどを取り除き、空気をキレイにしてくれる作用があるという方が、身近な「恩恵」を感じられるのではないでしょうか。
雨の日の空気は、雨上がりの空気よりも澄んでいて、マイナスイオンを多く含むのでリフレッシュするのに最適といわれているんですね。
うっとおしいと毛嫌いすることの多い雨。
そう思うようになったのはいつからでしょうか。
思い返すと、子供のころは、わざと水溜りを長靴ではいってぴしゃぴしゃしたり、カタツムリがたくさんいるのを見つけてはしゃいだり、雨の日ならではの楽しいことを発見していたような気がします。
それに、雨の景色は普段の景気を普段とは違うものに変えてくれて、それは何か特別なものを感じさせてくれるようです。
私は、心の中で言葉で尽くしがたいさまざまな感覚がうごめくことがあります。
それらは、決して悪いものではなく、どこか落ち着くような、優しい子守唄の調べにも似た優しいものだったように思うのです。
たまには雨の日を、楽しんでみませんか。
日本では古来から、五月雨、梅雨、小雨、霧雨など、さまざまな雨にあわせた呼び名が数多くあり、先人たちは多くの雨を感じ分けていました。
こうした風情を愛でる心に、日本のゆかしさを感じます。
雨の音を聞きながら、お気に入りの音楽をかけてぼんやりとこの「空気」を感じるのが私は好きです。
雨の日は浮ついた心を鎮めて穏やかにしてくれる作用があるように思います。
上から下に流れていく、そんなエネルギーだからでしょうか。
雨の粒がきらめくさまや、道行くひとの傘の彩りを見ていると、なんだか優しい気持ちになってきます。
私にとって、心をうるおす豊かな時間でもあります。
日常の中の、特別。
いつもと違う自分に出会えるかもしれません。

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