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Lecture.745

夫に言いたいことが言えない〜「自分の思い込み」という視点を持ってみよう〜

講師:池尾昌紀

「夫に言いたいことが言えない」悩み。そこには二つの遠慮の心理があります。一つ目は「良き妻、良き母」という価値観からくる遠慮。「夫は働いていて、妻は専業主婦をしている」という価値観があると、その負い目が「遠慮」を生み出します。また、コミュニケーションに対するあきらめ。どうせ伝えても無駄だろう、という思いが、最初から伝えることをやめてしまう場合もあります。実は、伝えていないから、伝わっていない場合もあるのです。
どちらも、自分を責めてしまう気持ちが生む遠慮。だとしたら、自分は悪くないと思うことが、遠慮を止めていく一歩になります。
それは、どちらも「自分の思い込み」からくる「遠慮」であることに気づくこと。
「自らの思い込み」が原因なら、「自らそれを止める」こともできるはずなのです。

Keywords
コミュニケーション 価値観 観念 男女の違い 無価値感 

◎リクエストを頂きました◎
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主人は子供の面倒をみてはくれるのですが、子供を自分の部屋で座らせたままで、自分はゲームをしたりテレビを観たりしています。
私は、それが納得できないので、主人にはっきり言いたいのですが、主人は働いていて私は主婦なので、たまの休みの主人にあまり言えず、つい自分の中で「あまり言い過ぎたらダメだ」と押さえてしまいます。
何か上手な言い方はないでしょうか?
また、この様な何かしら対等でない場合の心理状態や、このモヤモヤした気持ちからの上手な抜け出し方を教えていただけたら嬉しいです。
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夫婦が対等ではないことの辛さ。こうしたお話はカウンセリングの中で、よく伺います。
いろいろなケースがあるのですが、今回のご相談のポイントは「遠慮」ではないでしょうか。

そして、それを解決する視点は「自分の思い込み」です。

1つ目の「遠慮」は、「主婦という価値観」からくるもの。

夫は働いていて、妻は専業主婦をしている。
そこに優劣はありません。

外に働きに出る大変さも、家で家事・育児をする大変さも、どちらも大変なのです。

ところが、「夫は職場で大変、妻は家で楽をしている」というイメージを持たれることが、まだまだ多い。それは、男女問わず、感じているようです。

この背景には、自分たちの親がそうした価値観だった、という影響があります。

特に母親の世代は、こうした価値観を持っていることが多いので、母というのは娘にとって「無意識の」モデルになっている場合も多いですから、女性にとって「家事・育児をきちんとやるのは当たり前」という価値観が生まれやすくなります。

すると、外で働く夫に比べて、家にいて自由にやれる私は楽をしているのではないか、という思いに捕われやすくなるのです。
「無意識に」というところがポイントで、普段はそれを感じていない方も多い。

これは一種の「思い込み」なんです。

これを解消していくためには、「もしかしたら、私がこうした価値観に縛られているかもしれない」と思ってみることです。

すると、自分自身を責める必要がなくなります。
同じ思いで自分を責めてしまっている女性が他にもいるかも。
女性達はみんなこうした価値観に縛られて悩んでいるのかも。

苦しいのは私だけではないのかもしれない。

「負い目」じゃない「思い込み」なんだ。
そんな風に自分に言ってあげてみてください。

それだけでも、遠慮は少なくなっていきます。


2つ目の「遠慮」は、コミュニケーションに対するあきらめです。

夫に伝える前にあきらめてしまうのですね。

夫が「妻の言うことを全く聴いてくれないタイプ」の場合もあるのですが、意外に「自分が伝える前にあきらめてしまっている」ケースも多いのです。

もしかすると、今まで何度か、自分の意見を聞いてくれなかった、という体験があるかもしれません。

でも、完全にあきらめなければならないほど、伝えていなかったり、伝え方がとても「遠慮」していると、相手に思いが伝わっていないこともあります。

こうした「伝える前にあきらめてしまう、尻込みしてしまう」心理の元になっているのは「無価値感」。

例えば、過去に、伝え続けても聞き入れてもらえずにとても傷ついた体験があると、「伝えること」が怖くなりますし、何より「もう二度と同じ思いをして傷つきたくない」と思ってしまいます。

すると、人に対して自分の意見を表現することに「遠慮」してしまうようになる場合があるのです。

しかし、それは「伝わらない」という「思い込み」であることも多いのです。

そもそも、男性は、女性に比べて「察する力」が弱いと言われます。

女性同士なら伝わるニュアンスでも、男性には伝わっていない、ということは本当によくあることなんです。

あきらめてしまう前に、きちんと伝えていないから、伝わっていないのかもしれない、と考えてみましょう。

その上で、伝え方を考えていきます。
ただ、やってほしい、では伝わりにくいんです。
「納得できない」のには、具体的な理由があるはず。そして、そこには「感情」があります。

大切なのは、何が心配で、だから、どうして欲しいいのか、という理由であり、また、そこにある「自分の思い」を言葉にすること。

「同じ部屋にいても、子どもが一人でいるとかわいそうに思ってしまう」

「外に出て遊んであげたら、子どももきっと喜ぶと思う」

こうした思いについて、相手を批判するのではなく

「私の勝手な思いだけど、あなたはどう思う?」とあえて、少しだけ下手に出て、相談してみる。

それでも難しい場合は、
「仕事で疲れているあなたが子どもの面倒を見てくれるのを、とてもありがたいと思ってるし、申し訳ないと思っている。いつも、ありがとう。

ただ、気になってることがあって。」

みたいに、最初に「相手の気持ちを察してあげた上で」思いを伝えてみてください。

夫は妻から話がある、と言われると「責められる」と勝手に思ってしまうところがありますので、「責めてるわけじゃない」ことがわかる言葉を最初に使うと、安心して、彼はあなたの話を聞く土壌ができます。

ただ、それだけだと、自分の思いをぶつける先がありませんので、信頼できる友人やカウンセラーなどを使っていただき、自分の思いを聞いてもらう先を持ちながら、相手に伝えていくと、うまくいきます。

まず相手を受け入れて、それから自分の思いを伝える。
最初は、なかなか難しいですが、こうした視点でやってみてください。

今回の記事が参考になれば幸いです。

(完)


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136.コミュニケーション上手になる方法〜ニーズのコミュニケーション編〜
702.親が自分の価値観を押し付けてくる時 〜親も自分も「わかってほしい」と願っている〜
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