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Lecture.715 白黒つけたがる人の心理
講師:大谷常緑
子供の立場から見て養育者(親)から十分に愛されていないと感じると、「自分が悪い」「自分には価値が無い」といった思い込みをします。
一方、私たちは養育者から躾を受けます。この時、往々にして「よい」「悪い」の2極化した考え方を教えられ、判断基準として持ってしまいます。
その結果、「よい」「悪い」という価値基準で自分自身や周りの人達を見るようになります。
そうすると、「自分が悪い」とか「自分は無価値」などは感じたくない感情ですから、それを感じないような言動になりがちになります。
例えば、正論による正しさの証明、完璧主義、ハードワークなどです。
そこには罪悪感の否定や自己価値の証明が関わってきますから、自分の優位性を保つためにあたかも自身が裁判官になったように白黒をつけるような言動が多くなり、また2極化した判断をする習慣(あるいはその方法しか頭にない)で自然と白黒をつける論理展開になってしまうのです。
Keywords
白黒 罪悪感 無価値感 躾 良い悪い

◎リクエストを頂きました◎
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とある本で、アダルトチルドレンは白黒ハッキリつけたがる性格になりやすい、と書いてありました。また、自己肯定感の低い人も、白黒ハッキリつけたがるとも聞いた事があります。
ACや自己肯定感の低い人は、なぜ白黒ハッキリさせたくなるのでしょうか?
白黒ハッキリさせたり、決めつけたりする心理って、どうしてそうなるんでしょうか?
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子供の頃、私たちは養育者(親)に愛されたいと思います。
養育者に愛される事こそが、子供の最大の関心事なのです。
なぜならば、子供は自分一人では生きていけないからです。
人間は、他の動物と異なり、未成熟で生まれてくる生き物です。
例えば、馬であれば、生まれた直後から一人で立ち上がることができますが、人間はそうはいきません。
養育者から面倒を見てもらう事により、生き伸びていかなければならないという宿命があるのです。

子供の立場から見て、養育者から十分に愛されないと感じると、大人である養育者は絶対であるとの思い込みから自分が不十分ではないかと思い、養育者に愛されようと一生懸命になります。
例えば、親のいう事をよく聞く“良い子”になって我慢したり、あるいは逆に養育者の関心を引こうとしていたずらをして怒られたりという事をします。
前者は、「本当の自分は愛されない存在」という形で自己否定を作り出し、後者は「やっぱり私は愛されていない」という形で自己否定を作り出します。
いずれにしても自己肯定感が低い私になってしまうのですね。
そして、心の中に「自分は悪い存在」「自分は罰せられるべき存在」という罪悪感や、「自分には価値が無い」という無価値観が大きく影を落とすことになります。

一方、「いい」「悪い」という価値観は、私たちが子供の頃、養育者から躾という形で教わります。
躾は、成長しても社会で生きていく為に必要な事柄を教える行為です。
躾は、養育者によってそのやり方が様々で一概には言えませんが、基本的には「やっていいこと」「やってはいけないこと」の2つのカテゴリーに分けて教えるのが一般的かと思います。例えば「電車の中でおとなしくしていて良い子だったね」と、電車の中でおとなしくするのは良い事と教えたり、「弟をいじめては駄目」と、弟をいじめる事は悪い事だと教えたりします。
そうすると、子供は「いい事」と「悪い事」という2つのカテゴリーで物事を覚えていきます。
そして、先に述べた「自分は悪い」に対して「良い人」、「自分には価値が無い」に対して「価値がある人」という2極化した価値観で自分自身や周りの人達を見るようになります。

本来は「自分は悪い」とか「自分には価値が無い」というのは感じたくない感情です。
従って、それを感じさせるような状況に出会うと、スイッチが入って、それを感じないような言動を取りがちになります。
例えば、正論による正しさの証明、完璧主義、ハードワークなどです。
そこには罪悪感の否定や自己価値の証明が関わってきますから、自分の優位性を保つためにあたかも自身が裁判官になったように白黒をつけるような言動が多くなり、また2極化した判断をする習慣(あるいはその方法しか頭にない)で自然と白黒をつける論理展開になってしまうのですね。

世の中には当然の事ながら、白黒だけでは済まない状態が生じます。
寧ろ、白黒では決着がつかない事柄が非常に多いように思います。

人の言動にしろ、今ある状況にしろ、そうなるには必ず訳があります。
その訳を理解しようとする事こそが、自分自身をも含めて誰かや何かを裁くのではなく、真摯に向き合う姿勢になるのではないでしょうか。

(完)

関連する講座へのリンク集

4.罪悪感の心理学1〜罪悪感とは?〜
321-3.無価値感の心理学(3)〜無価値感が作られるプロセス〜


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