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Lecture.524

正しさにこだわる心理 〜自己概念と補償行為〜

講師:多田陽香
私たちは皆、自分に対するいろいろなイメージを持っていますね。自分に対するイメージのことを「自己概念」といいます。私たちはこの自己概念を通して、世界を見ています。
自己概念は何層もあり、最も奥底にあるものは酷いものです。私たちは人生の最初の頃に体験した辛い出来事をベースに、自分や世界をいまだに判断し、誤解したままなのです。
ネガディブな自己概念をなんとかしようとするあまり、私たちはその反対の行動に駆り立てられて何十年も自分自身を生きていない場合があります。
自分の生き方が窮屈になってきたな・・と感じたら、自己概念という檻から脱出するチャンスです。こだわりの原因となった出来事にもう一度向き合いましょう。
あなたが思いこんできた事実とは全く違う事実を知ることができたとき、あなたは無限の可能性を感じられることでしょう。
今回は「正しさ」へのこだわりに関するリクエストにお答えして、自己概念と補償行為のお話です。
Keywords
補償行為・自己概念・失敗感・正しさ・ヒーリング

◎リクエストを頂きました◎
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私は正しさに物凄くこだわってしまう心の癖があります。
何をするにしてもが正しいか正しくないかが気になってしまい、間違ってしまうこと、失敗することが恐怖に感じてしまいます。
正しさの檻に囲まれてしまっているような息苦しさをいつも感じています。
何故こんなにも”正しさ”に囚われてしまうのでしょうか?

正しさにこだわってしまう心理について是非教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
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リクエストをありがとうございます。
「正しさ」にばかり重点を置くと、物事に対する反応力が十分に発揮されず、ご自身にとっては欲求不満のような状態になりますね・・。
頭の中だけでエネルギーがぐるぐるまわっているだけの状態になり、自分に対する怒りの気持ちもでてくるかもしれません。まるで出口が見つからないような問題のように感じると思います。

「正しさ」とは、人それぞれに持っている考え方、つまり「観念」のことでもありますね。
正しさや観念が悪いものというわけではなくて、大切なのは、その“使い方”ですね。

私たちの人生にも季節やその時々にふさわしいことをする時期があり、
「正しさ」にこだわることで、立派な生き方をすることが出来た時期もありますね。
だから、正しさやこだわり、観念をすべて否定してしまう必要はありませんね。
まずは、ご自身の正しさを貫いてきたこと・・「今まで本当によくやってきたなあ!」と承認しましょうね。

ご依頼者さまのおっしゃるように、しばらくすると「正しさ」にこだわりすぎて生きづらくなる状態・・つまり、
正しさ>感情 
となってくる時期がやってきます。
正しさは思考から生まれた左脳の部分。そして、感情は右脳の部分です。
相反する二つの要素をバランスよく使うことは、幸せの秘訣です。

思考と感情 
肉体と精神 
男性と女性 
陰と陽 
光と闇・・
相反する二つの要素を対等にしてゆくことは、全ての良きことにつながっていきます。
大切なのは、どちらが良いか悪いかの決着をつけることではなくて、私たちの心の中で、どれだけ統合させ、二元的なものの見方を、一元的な見方へと戻していけるか?ということです。

さてここで、どうして正しさに囚われてしまうのか?という原因の方を見ていきましょう。
潜在意識や無意識にカギがあります。

とても深い意識のレベルでは、私たちというのは皆、「補償行為」ということをしています。
「補償行為」とは穴を埋める行為のことです。
これは「自己概念」といって、自分に対するイメージや思い込みがあって、それを埋めるために何かに駆り立てられて生きているということなのですが、

例えば、あなたがもし、自分のことを、「とても悪い人間だ」と思い込んでいるとしたら、それを自分自身からも誰からも隠すために、「とてもいい人である」ことを証明しなければならない人生になります。

また例えば、「私はとても弱い」という自己概念があると、「私はとても強い」と自分でも思えるように、自分を鍛え上げることをしていきます。そして、誰が見ても「あなたは強い人だね」というふうに見えるようになるのですが・・ご本人はなぜか心の底からは満足していないのです。

見事、目的を達成したのに、虚しさが残る感じがあったり、心から喜べなかったりする場合には、「補償行為をしているのだな・・」と気づく時が来たということです。
さらなる意識の成長の時が来た!ということですね。

「正しさ」にこだわる人は、「自分は正しくない・間違っている」という自己概念に縛られていないかどうかチェックしてみてくださいね。
そして、一体どうして「自分は間違っている(だから正しくあらねばならない)」と思い込んでしまったのでしょうか・・?
この思い込みこそが、≪間違い≫であり、あなたの人生を疲弊させる元凶なのです。

さて、この≪誤解≫はどうして創られたのでしょうか?
多くの場合、「正しさ」へのこだわりは「失敗感」に関連していることが多いのです。
私たちは皆、人生の最初の時期に、「自分は間違ってしまった、失敗してしまった・・」という体験をするものなのですが、そこに執着が強い時に、その時の傷をカバーするかのように、その「真逆の自分」をハードに“やり”続けてしまうようです。

ご自分のことを失敗者だと誤解してしまった出来事は何だったのでしょうか・・?
できるだけ、小さい頃の記憶があれば、その時期に埋め込んだ、最初の原因を知ることが出来ます。

ずっと隠してきた“それ”は、まるで地雷のように、怖いもののように感じます。
ですが、そっと掘り起こして、爆発しないように解除することもできるのです。
ただ、見つけてあげる必要があるだけなんですね。

今、ご自身がやっていること、これまでやってきたことに対して、「ほんとにもう、疲れたな・・」と感じてきたら、ご自身がどんな自己概念を穴埋めしようとしてここまで1人で頑張ってきたのかを見直してみるチャンスです。

私たちを檻に入れてしまう「自己概念」というのは、全て幻想です。
最初の誤解のシーンをもう一度思い出し、その時の感覚に触れ、≪本当には何が起きていたのか?≫ということを直視することができたなら、あなたはどれだけ自分が完全で、そして世界も愛に満ちあふれているのかを体感することが出来ます。

「失敗感」というのは、誰かを幸せにしたかった人ほど、そうした力のある人ほど、大きな痛みになるのです。
人生の最初の頃、あなたは誰を幸せにしたかったのでしょうか?
そしてそれは本当に「失敗」や「間違い」だったのでしょうか・・?

きっとあなたは成功したんです。
ただそのようには感じられないでいるだけなのです。

あなたの人生の大きな≪誤解≫が解けますように。
そしてあなたが本当に自由になることができますように。

関連する講座へのリンク集

4.罪悪感の心理学1〜罪悪感とは?〜
13.『埋め合せで手に入れられるもの』 〜補償行為〜
24.「役割」の心理学
313.自己攻撃の心理学〜罪悪感と無価値感の《罠》〜
353.受容の力

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