人と話すときに緊張してしまう心理と対処法

人と話すとき、自分で自分の言動を監視していませんか?

人と話すときに緊張する心理として、失敗したら嫌われるという思いがあげられます。
そのため、自分は失敗していないだろうかと自分で自分の言動を監視してしまうのです。
失敗しても誰も怒らず、嫌うこともなく、許されるだろうという思いをもつことで、緊張は軽減されるのではないでしょうか。

あなたは人と話すときに緊張して辛いと感じることがありますか?

初対面の人かもしれないし、ただの知り合い程度の人かもしれません。
1対1のときかもしれませんし、複数相手のときかもしれません。

今日は人と話すときに緊張する心理と、その対処法をご紹介します。

◇人と話すときに緊張する心理的な理由

人と話すときに緊張する代表的な心理は、「失敗したら嫌われる」という思いです。

「失敗したら嫌われる」と思っていると、誰でも嫌われるのはいやですから、なんとか失敗しないようにしよう、と思うのではないでしょうか。

人と話すときの「失敗」が何を意味するかは人それぞれだと思いますが、まずは言葉遣いを間違えないように、笑顔を絶やさず、変な目つきをしないように、そして話題選びにも細心の注意をはらおうとするかもしれません。

そして誰かと話すときに、怖い風紀委員に監視されるように、「私はちゃんとできてるか?」などと、自分で自分を監視してしまうといえるのです。

◇失敗したら嫌われるという思いをもつようになった原因

失敗したら嫌われるという思いをもつようになった原因は、過去の経験や現在の習慣などが考えられます。

・過去の経験

たとえば、幼少期にお母さんが教育熱心な方だったとしましょう。算数のドリルなどであなたが答えを間違えてしまったときに、お母さんに怒られ、とても怖かったという経験があったかもしれません。子どもですから、お母さんに怒られることが嫌われることだと思ったかもしれません。

私たちの心には「投影」といって、心の中の感情や経験、過去に出会った人などを、心の外の世界に映し出すということをします。

この投影というしくみにより、お母さんに怒られた経験を現在の対人関係に映し出し、間違えることや失敗することで人に怒られ嫌われるような気がしてしまうことがあるかもしれないのです。

・他人へのダメだし

私たちは、自分の心の中のルールにしたがって生きているといえますが、人も同じルールに従うべきだとも感じるものです。

たとえば、あなたが「人に話しかけるときは、笑顔でなければいけない」と思っていたとしましょう。そうすると、他人もそうあるべきだと感じるため、無表情で話しかけてくる人に、「あの人は礼儀知らずだ」などと心の中でダメだしをしてしまうことがあるのです。

心の中で人にダメだしをするのが習慣化していると、それを投影し、私が失敗をしたときにも人はきっと私を許さずにダメだしをするだろうと感じてしまうのですね。

◇緊張を手放してリラックスしながら会話をするための対処法

緊張を手放してリラックスしながら会話ができるようになるため、今日は対処法をふたつご紹介します。

1. 他人へのダメだしをやめる

まずは、他人へのダメだしをやめようと思ってみることをおすすめします。
もちろん、すぐにはやめられないかもしれませんので、そんなときは、「次に自分のダメだしに気づいたらやめよう」と思っておくだけでいいと思いますよ。

上の例のように、「人に話しかけるときは、笑顔でいなければいけない」とあなたが思っているのに、無表情で話しかけてくる人がいて、「あの人は礼儀知らずだ」と心の中でダメだししてしまったとします。

そうしたら、「ダメだししちゃった」と気づくことが大切です。
そして、「ダメだしはやめよう、なにか事情があったのかもしれない」などと、相手の状況に寄り添ってみることもできるのではないでしょうか。

「べつに笑顔でいる必要もないか」などと、自分のルールを見直すきっかけにもなるかもしれません。

気づいたらやめるということを繰り返すうちに、ダメだしが減り、緊張も減っていくのではないでしょうか。

2. 相手の失敗にドンマイという

人は誰でも失敗するものですよね。誰かが失敗したと思ったときに、相手にドンマイといってあげるのもおすすめです。

ドンマイ、Don’t mind、気にするな、大丈夫!など、失敗してもいいんだよ、と相手に言っているうちに、自分が失敗したとしても、きっとみんなも大丈夫だと言ってくれるだろうと信頼できるようになり、緊張もやわらいでいくのではないではないでしょうか。

◇人と話すときの緊張を手放す秘訣は、失敗しても許されるという思い

人と話すときの緊張を手放す秘訣は、失敗しても誰も怒らず、嫌うこともなく、許されるだろうという思いをもつことです。

そのためには、あなたが他人の失敗に寛容になることといえるでしょう。

また、自分が失敗したときには、素直に「ごめんなさい」と謝れることも大切です。
人は真摯に謝罪をされると、たいてい許そうと思えるものではないでしょうか。

失敗しても誰も私のことを嫌いになんかならない、そう思えるようになることで、自分の言動を監視する必要もなくなり、人と話すときの緊張もほぐれていくのではないでしょうか。

ご参考になりましたら幸いです。

(完)

 

 

 

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。 「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。