ブレイクスルー(現状突破)の起こし方~限界を知る~

突然ですがみなさんは「蚤(ノミ)のサーカス」というお話をご存じでしょうか?蚤という生き物が驚異的なジャンプ力を持つ生き物だということは、一般的にも広く知られています。
(垂直方向には、自身の体長の50倍跳ぶことができる!と言われているそうです)

しかし、サーカス用の蚤はトレーニングの最初の段階で背の低い箱に閉じこめ、ジャンプすると蚤が箱の蓋に自身の頭をぶつけるようにすることで、みだりに高く跳ねないようにするのだそうです。

すると、箱に閉じこめられた蚤は最初のうちはその箱の中でぴょんぴょん飛び跳ね、その度に何度も頭をぶつけることになるのですが、そのうちその箱の高さ以上に跳ぶことをやめてしまい、いざ箱の蓋が外されても、その後も箱を飛び出る高さまではジャンプしなくなるのだそうです。

これは、蚤自身が何度も頭を打つという痛い経験の中で
「私はここまでしか跳べないんだ」
「これ以上は跳んではいけないし、望んでもどうしようもないことなのだ」
という”思いこみ”ができてしまうからだ、と言われています。

しかし、こうした【見えないガラスの天井】に頭を打ち付け、自身の限界を感じたり、それ以降、その枠の外に飛び出せなくなってしまうのは、私たち人間も同じなのではないでしょうか?
むしろ、私たち人間の方が今までの経験を元に、自分の未来をシュミレーションする事の方が多いので、その中で「どうせこんなもんだ」と自分の限界を感じたり、「ここまで」とラインを引いてしまうことが多いのかもしれません。

例えば、「この会社では出世できても、部長クラスが関の山だろう」とか、
「これから先、昇級しても給料はこの程度だろう」とか、
「がむしゃらに仕事を頑張っても、○○くらいしか評価されないだろう」とか、
「今から何かスキルアップの為に勉強を始めても、時間がかかるだろう」とか。

そしてその結果、仕事へのやりがいを見失ったり、モチベーションが下がってしまったり、働く意義を見失いただお金の為に働く毎日に心が疲弊してしまったり、と私たちの仕事への満足感や、人生の充足感にも大きく影響を及ぼしてきます。

タイトルにもある「ブレイクスルー」とは直訳すると、
「突破(口)」「打開(策)」
という意味です。
最近ではビジネスの世界で、現状を打破して大きく一歩前進したり、進歩や成長を阻む壁を突破する意味で使われることも多くなりましたね。

私は、このブレイクスルーをこう定義しています。
『ブレイクスルーとは、“今のあなたの世界観”の向こう側に行くときに起こるもの』

そして、壁を突き破るブレイクスルーの起こし方は大きく分けて2段階あると考えています。

1)知らない間にあなたの中にできている「限界」を知る
2)その”向こう側の世界”にいる自分をイメージする

今回の記事では、まず

1)知らない間にあなたの中にできている「限界」を知る

についてお話をしたいと思います。

【見えないガラスの天井(限界)】ができるのには、人それぞれ、理由が必ずあります。
人によっては、全力を注いでチャレンジしたけれども挫折した経験があったり、人によっては自分の身近な人が失敗する光景を見てしまったり、それによって自分にも影響があったので、自身が失敗することをとても恐れるようになってしまったり。
近くに優秀な誰かがいて、その人の1番優秀な部分と自分を比較し、「自分には才能がない」と劣等感を感じてしまったり、「自分はあの人のようにそこまでできない」と情熱や投資するエネルギーの差を感じてしまったり。

話の前半で出した「この会社では出世できても、部長クラスが関の山だろう」という例の場合であれば、
あなたの上にまだまだ出世待ちをしている人が多くいるので、「自分はその人たちを飛び越えて評価されることはないだろう」と、自分自身で「私は役員や社長の器ではない」と感じたり、「そこまで評価されるほど会社への貢献度がない」と自身の価値を小さく見積もってしまっているのかもしれませんし、
「部長でもあれだけ責任を持たなくてはならないのに、さらにその上を目指そうとしたところで、自分がうまくできるのか?」と失敗を恐れてしまっているのかもしれません。

カウンセリングをしている中で感じるのは、人それぞれ限界ができる理由や、限界の程度は違えど、その土台となるものは
【失敗する恐れ(自信のなさ)】
である事が多いようです。

【見えないガラスの天井】を知らない間に自分にかかってしまうリミッター(制限)ではなく、越えられる具体的な1つの壁として突破するためにも、「自分の限界を知る」というのはとても意味があります。

自分はどんな失敗を恐れているのか?
その失敗をしてしまったら、自分はどんな風になる(どんな扱いを受ける)のでは?と感じているのか?

自分はどんな風に自分自身を評価しているのか?
「どうせ私は○○だ」の○にどんな言葉を今の自分は当てはめやすいのか?

まずは今日、自分の中にある「限界」を、良い・悪いと判断するのではなく、ただ「知る」ことから始めましょう。

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。