ブレイクスルー(突破口)はどこにある?(1)〜このままではいられないと焦れるあなたへ〜

 

このままではいられないと焦れるあなたへ

心の成長に伴って、これまでの人間関係や職場や趣味のコミュニティが窮屈で居心地が悪くなることがあります。どうにか突破したく、ブレイクスルーを求めて悶々としている時、どんなことに意識を向けるといいか、見方、考え方、できることをこれから4回に分けて考えます。心の変容を遂げて、もっと自由に生きられますように。

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変化や変容は、あなたの心の成長が引き起こす

「もう、このままではいたくないんです」。
「もう、今の自分がイヤで、イヤで仕方がないから、変わりたいんです」。
「めちゃくちゃ焦るんです。私はこのまま変われず、自分だけが取り残されてしまうのではないか、って」。

このように訴えて、私のカウンセリングを受けにいらしてくださる方が大勢おられます。7~8年に一度はくる、自己変革の波が来ていて、「何かしなくちゃいけないけれど、何をしたらいいのかわからない」とどうにも落ち着かない気持ちになられるからだと思います。

環境の変化にいきなり飲み込まれるようにして変わらざるを得なくなることもありますが、大人の場合、多くの変化は、内発的な変容によります。誰かを好きになっておつき合いをして結婚する、住みたい街へと引っ越す、やりたい仕事を見つけて異動願を出す、転職するなど、どれも主体的なアクションによる「変化」です。そんな主体的なアクションは、感情が引き起こします。変化の前に、心の変容がありますが、その「変わりどき」を、感情が教えてくれるのです。

この「変化」を引き起こしているのが、私たちの内面的な成長です。これまでの生活、これまでの対人関係、これまでの自分のあり方が、どうにも窮屈でしようがなくなると、ムズムズ、イライラし始めます。

ところが、私たちは、基本、「変わる」ことが嫌いです。「変わりたい」と言いながら、本音では、ちょっと飽きたから新しいことを体験したいけれど、大筋はこれまでと一緒がいい、と思っていることが多いものです。それは、「未知」が何よりも怖いからです。

なので、自分が成長したことで、自分が今いる環境が窮屈で不都合が多いものになったとしても、現状を維持したいという気持ちを打ち破るのには、かなりのパワーがいります。もちろん、ワクワクするのが楽しい、ローラーコースター大好き、バンジージャンプ大好きな冒険好きさんもいらっしゃいますけれど。どちらかといえば、「恐がりさん」の方が多いのではないでしょうか。

心の成長は、「いい」ことですし、そのことで周りの人たちとの対人関係が変わるとしたら、それもきっと「いい」ことのはずです。望むべくことであるのに、思いっきりブレーキを踏んで自分を抑え込むから、ものすごく疲れます。感情が突き上げるようにして、これまでの環境や対人関係を壊して新しいものを求める一方で、必死にそれを押しとどめる理性や、尻込みする臆病な自分との綱引きが延々と続くので、実際には何もしていないのに、疲れて体が重く、何もする気になれません。でも、感情は、ガンガン心の扉を叩くので、恐いやら、焦るやらで、不安な気持ちを拭い去れずに、持て余してしまうのです。

この焦燥感と闘う時間が長いほど、大きな変容が待っているときだったりします。もし、あなたがそんな経験を、今、されているのでしたら、これだけは覚えておいてください。

「悪いことが起きているのではありませんから心配いりません!成長痛ですから。すべての準備が整ったら、この時期の意味がわかる日が来ますから」。

不安と焦りの正体を知りましょう

とはいえ、不安や焦りがなくなるわけではありません。どうしたらいいでしょうか?

あなたの不安と焦りの正体を見てみましょうか。私たちは「未知」を恐れると言いました。どんな「未知」かと言えば、「今日あるものを失うかもしれない」という恐さと「明日、何が来るかわからない」という恐さの二つです。

「もう、今のままでは嫌だ」と思っているのに、「今日あるものを失う」ことを恐がるなんて矛盾しているようですが、私たちは、見知らぬ天国よりも馴染んだ地獄の方を選びやすいようで、それくらい「知らない」ものへの抵抗が強いのです。

今あるものを手放さなくてもいいなら、いくらでも新しいものを見に行って試してくるのに、というところでしょうか。旅で訪れるのはいいけれど、移住は如何なものか、と二の足を踏む感覚と同じです。

「次に入ってくるものは、絶対にいいものだという保証が欲しい」と思うんですね。ごもっともです。

残念ながら保証はありませんけれど、移住する前に、何度も旅をして、「知らない」土地に馴染もうとするように、人ならば「会ってみる」、場所ならば「行ってみる」、「やってみる」を繰り返すとハードルは少し低くなります。「気になる人がいたら会ってみたら」とよく言われるのは、その人のエネルギーに触れることで、新しい自分の可能性に触れてみるといいからです。何も特別なことはない、ということに気づけたら万々歳です。

現状を卒業するためにやりたいことが二つあります

それにしても、勝手知ったる「今」の自分の環境を手放すのは、それがどんなに鬱陶しいものになっていたとしても、「居場所」を失うようで恐いものです。職場や住処、仕事やパートナーを手放すのは、とめどない悲しみや寂しさがひたひたと押し寄せてきます。その寂しさを感じたくないから、ことさら「今」いる場や、そこにいる人々に対して批判的になることもあります。離れがたいからこそ、わざわざ「今」の環境や人々を悪者にして、嫌いになることで、次のステージに行くための弾みをつけようとします。反抗期の時に使ったテを持ち出すのです。

でも、それをやると、そうして悪態をつく「自分」をあまりいいものだと思えなくなります。結果、せっかくできた人とのつながりを切って、お引越しや転職を繰り返し、また新しい環境でも、似たような問題を抱える方もおいでです。

卒業しましょう。ブレイクスルー(突破口)を探しているのであれば、「今」、人生で経験していることから学べることをすべて学び、やるべきことを完了させて、卒業したいと思ってみましょう。

それには、現状を受け入れることが大事です。「今」、自分に与えられているものをすべて受け取ろうという意思を持ちましょう。そのためにできることが二つあります。

1)「ある」マップを作ってみませんか? 私は、時折、自分が持っているものをすべて紙に書き出してみます。家族、親族、友人などとの人間関係、所得、不動産資産、借金、貯金、保険などの金融資産や実物資産、資格や知識、趣味など、得意なこと、経験、体験などのキャリアなどなど、有形無形の、あなたに「ある」ものの棚卸をしてみましょう。「当たり前」になっていて忘れていたけれど、私、こんなに豊かだった。と気づいていただけたら嬉しいです。このマップにあげられたものはすべて、あなたがこれまでの人生で時間をそこに使ったものです。ご自分が、どんなことを大切にされて生きてこられたか、見えるようだと思いませんか?

2)目の前の人を心から大切にしてみましょう。「今」ある仕事、家事、やるべきことを誠実に、いつも以上に心を込めてやってみましょう。今日が最後になるかもしれないとしたら、いつ辞めても後悔しなくてもすむようにと思うと、ソワソワとした不安や焦りを切り替えやすいです。

目の前のことに集中できると、小さな課題をクリアできます。この時期は、この小さな達成感の積み重ねが自信を取り戻すのにとても役に立ちます。ここをしっかりとやると、闇雲に不安や焦りに飲み込まれずに、「今」の自分のあり方を卒業して、次のステージに進めます。

変化の時期は、自分の内的な変容を、外側の世界に映し出して世の中を見ますので、「いい話」と「またいつものがっかり」が交代交代でやってきます。ひょっとしてこれからは少し楽になれるのかしらと思ったかと思うと、足を掬われるようなことが起きてがっかりします。なので、つい悪いことが起きることへの恐れと不安に絡め取られそうになりますが、そんなときこそ、「今」、「ここ」の目の前にいる人の気持ちや、やるべきことに集中してみると、次にどうしたらいいか、ブレイクスルー(突破口)のインスピレーションが降りてきます。

2回目以降、このインスピレーションの受け取り方について、詳しくお伝えしますね。

あなたが、真に自分らしく生きられますように。応援しています。

>>>『ブレイクスルー(突破口)はどこにある?(2)〜「シャドウ」はあなたの可能性を見せてくれる〜』へ続く

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