母乳ドナー

今アメリカでは、母乳ドナーというのがあるそうです。
これはもともと、ある出産直後の主婦のちょっとした気持ちから始まったそう
です。
母乳が出すぎて余ってしまったこの主婦は、出来れば自分の母乳を無駄に
したくない、何か役に立たないだろうか、と考えながら、ネットを検索していた
そうです。
そうしたら、ネットであるものを見つけました。
それは南アフリカの孤児院で、母乳が不足しているという内容でした。
そこで主婦がネットで呼びかけたところ、あっという間に400人近くの人が賛
同したそうです。
そうして誕生したのが「母乳ドナー」でした。
しかし、母乳ドナーになるには、色々なハードルがあるそうです。
なぜなら、南アフリカの孤児院にいる子供たちの多くはHIVに感染しており、
免疫力が著しく低下している状態です。


より免疫力の高い母乳が求められるわけです。
そのため、母乳が子供たちに適しているかどうか、さまざまな検査を行い、
その検査をパスした母乳だけが、南アフリカに送られ、今では、約40人の子供
たちがこの母乳によって育てられているそうです。
そして、母乳を提供しているドナーも、遠い国で命を支えている事に喜びを
感じたり、また子育てでつらいときにドナーになる事で、喜びを感じて、子育
てにもいい影響が出たりしているそうです。
母乳ドナーを呼びかけた主婦は、自分の思い付きがこのように発展していく
事を想像できたでしょうか?
おそらく、そこまで考えていなかったでしょうね。
自分が住む世界にとって、それは当たり前のことですから、意識することは
日常ではほとんどありません。
しかし、自分が住む世界以外の場所では、その当たり前のことがまったく当
たり前でないことになる場合が多くあるわけです。
例えば、これもテレビでやっていたのですが、日本人と結婚した外国人女
性に、日本の便利グッズはなにか、というアンケートをとったそうです。
すると、熱さまシートや使い捨てカイロ、健康サンダル、コロコロなどが上位
に上がっていたのですが、一番便利だと多くの人が言っていたのは、洗濯
ばさみがたくさんついたあれが、一番便利だという意見が多数あったんです
よね。
特にヨーロッパのほうではそのようなものがあまりなくて、日本に来たときに
その道具を見て、カルチャーショックを受けたそうです。
私たち日本人にとっては、昔からある当たり前のものなのですが、外国人
にとっては、まったく当たり前ではないわけですよね。
さて、なぜ私がこのようなお話をしたのかというと、日常生活の中で意外と
意識していないこと、当たり前と思い込んでいて退屈だと思っていることが
あった場合、何かほんの少し目線を変えてみたり、考え方を変えてみること
で、やりがいや生きがいって、すぐに見つかるんですよね。
それは夫婦や友人、親子関係などでも同じで、何かうまくいっていない、関
係がマンネリ化している、つまらないと感じているとき、そこには「当たり前と
思ってしまう思考に閉じ込められている」状態になるわけです。
この状態では、変化しなくていいという「楽」な状態は手に入りますが、同時
に「つまらない」というのも手に入るわけです。
そして、その「つまらない」ことから抜け出ようとするときに、人間関係で問題
を作り出して、自分に刺激を与えようとする、と行動する人は、意外とたくさ
んいます。
さらに、自分にちょっと与えようとした刺激が、結果自分の手に負えない、コ
ントロールできない状態になってしまって、最終的に投げ出すか逃げてしま
う、なんてこともカウンセリングをしていてよく聞く話でもあります。
毎日を単調に繰り返して、何かつまらない、退屈だと感じていたとしたら、そ
れは大きく変化するチャンスでもあります。
このときに退屈しのぎの刺激を自分に与えるのではなくて、それこそちょっ
とした発想の転換や新しい視点が、より人生を楽しく、豊かにしてくれるかも
しれませんよ。
同じように、周りにいる人たちに対しても、今までとは違う新しい視点、発想
で見てあげてくださいね。
そうすれば、今まで気づかなかったその人の新しい一面やよさ、才能が見
えてくるかもしれまえんからね。
特に家族間、恋人間でコミュニケーションがうまくいっていない人は、お試し
ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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