夢を持とう〜楽しい人生にするために〜

子供の頃、私たちは色々な夢を描いていました。お菓子をお腹一杯食べたい
(というより、僕の世代はバナナを1本ではなく2本食べたいでしたが)から
始まって、お金持ちになりたいとか、将来は電車の運転手になりたいとか、プ
ロ野球選手になりたいだとか、無邪気に様々な夢を持っていました。また、そ
んな夢は叶うかも知れないと自分自身や周りの状況に無限の可能性を見ていま
した。誰もが、夢を持つことが悪いことであると思ってもいませんでした。
しかし、私たちは成長するにつれて、大人になるにつれて、いつの頃からかワ
クワクするような夢を心に抱かなくなってしまったような気がします。
「どうせそんな夢、実現するはずがない」「現実はそんなに甘くない」「自分
にそんな力や運もない」などと思い、諦めの気持ちが心を占めてしまって、夢
を心の片隅に封じ込め、目の前にある現実のみを直視するようになってしまい
ました。今の状況や生活が唯一現実のものであり、この後もその延長線上に人
生が展開していくはずだ、とただ漠然とそれを信じている気がします。


この考え方、もう二度と傷つきたくないという心の防衛反応なのですね。
例えば、誰かに何かを期待してその通りでなかった経験があったとしたら、期
待した自分が悪いと考えて、もう二度と期待はしないでおこう、夢は持たない
でおこうと思ってしまったのかもしれません。また、何かを成し遂げようと頑
張ったにも拘わらずそれができなかった経験があったとしたら、頑張っても成
し遂げられない自分の力不足を感じ、できない目標を立てた自分が馬鹿だった、
悪かったのだともう二度と無理な目標を立てない、夢を持たないでおこうと思
ってしまったのかもしれません。あるいは、周りの誰かが夢なんて叶うはずが
ないと言い続けていたら、夢を持っている私は人と違っておかしいのかなと思
い、「夢なんて叶うはずがないものなのだ」とその人と同じように思ってしま
ったのかもしれません。
多くの人間は、しかし心のどこかで「夢を持てたらいいなぁ」と思っています。
なぜならば、物心ついた頃には、ほとんどみんなが何らかの夢を持っていたか
らです。それが普通だったからです。だから、「夢を持ちたい」という種は、
心のどこかにあるわけですね。
しかし、夢を持つと傷つくという気持ちから、夢を持つことを封印してしまっ
たわけですね。
しかし、ここで着目して欲しい事は、夢が叶わないからといってどうして傷つ
かなければならないのか、という事です。
人は、同じ状況に置かれても、その状況の感じ方が異なります。例えば、「ジ
ェットコースター大好き!」という人もいれば、「ジェットコースターは怖い
から大嫌い!」という人もいます。“ジェットコースターに乗る”という同じ
シチュエーションでも、感じ方は様々なのですね。ということは、“感じる”
という事は外の世界からやってくるのではなく、自分の内側にあることになり
ますね。
同じように“傷つく”という感じ方も、あたかも外の世界で起こっている影響
のように見えてしまうのですが、実は自分の内側にある事になります。
では、傷つくときはどういうときかというと、ほとんどの場合自分自身を責め
る気持ちがあるときなのです。自分が自分を責めている部分にヒットする事を
感じたときに、人は傷つくのです。
例えば、「歳がいったなぁ」と感じていて、昔のように若くない自分を責めて
いたとします。そんな時に「老けて見えますね」などと言われようものなら、
傷つきますよね。
本来、夢は「こんな風になったらいいなぁ〜」というものですね。これを持っ
たからといって、そしてそれが叶わなかったとしても、自分を責めることは何
一つ無いのです。夢なのですから。
しかし逆に、夢を持たなかったら、夢を封じ込めていたとしたら、それは果た
してどんな人生なのでしょうか?楽しい人生なのでしょうか?
夢は、持つからこそ初めて叶うものです。
目の前の小さな夢でも結構ですが、できれば、大きな夢を持ってみませんか?
叶うと叶わざるとに拘わらず、きっと楽しい人生になりますよ。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。