夫婦におけるセックスレスの男心(4)~産まれた命の「守り方」が違うだけだとしたら~

セックスレス解決のアプローチは、「すれ違いの原因」と「お互いの状況と気持ち」を知り、その上で、相手とコミュニケーションを取っていくこと。夫は「寂しさ」から「拗ねて」「怒って」いるかもしれませんが、凝り固まった気持ちを、コミュニケーションで解していくアプローチが有効です。

そもそも「出産・育児」の時の「すれ違い」が起こったのは「愛情」から。お互いの子どもへの責任感や力の使い方が違っていただけで、二人の思いは同じなのです。

セックスレスを解消していくアプローチ

このように、夫と妻の感覚の違いからくる「すれ違い」が、相手との距離を作り、それがセックスレスの原因になっている場合が多いようです。

もしそうであるなら、この「原因」である「すれ違い」を解きほぐしていくことが、その解決方法になります。

その具体的な方法は「夫婦のコミュニケーション」。
これは「感情のコミュニケーション」という意味です。

つまり「お互いが、どんな気持ちなのか」ということについてコミュニケーションをするということ。
この時に大切なのは「セックスレスについて」話をすることではありません。
「セックスレス」になった「すれ違い」はどこにあるのかについて、お互いの気持ちを話していくこと。

言うは易し、で、それができれば苦労はしない、と言われるご相談者さまも多いです。
そのためには、まず、「凝り固まった相手の気持ちを聞いてあげる」ところから始める必要があります。
しかし、相手は「凝り固まっている」「拗ねている」だけに、時間がかかる作業になるのですね。

そして、「相手の気持ちを聞いてあげる」ためには、まず「自分の気持ちを誰かに聞いてもらう」ことをしなければ、難しい。
なぜなら、相手だけでなく、あなた自身も傷ついているからです。

夫のセックスを拒絶してしまった過去の罪悪感。
自分がセックスを夫に拒絶された痛み。

そして、それは「誰が悪いわけでもなく、育児という状況からくる、仕方のない理由」があったのです。
なにより「育児がいかに大変だったか」ということを、自らが認めてほめて労ってあげる必要があります。
まず、自分の話を誰かに聞いてもらい、そこでできた余裕を使って、夫の気持ちを聞いてあげる。

カウンセラーとは、こうして誰かと一緒に、二人三脚でサポートさせていただく仕事です。
ひとりでやらないで、どうか、助けを求めてください。

 

産まれた命の「守り方」が違うだけだとしたら

女性は子どもを産んだ時、子どもに意識が集中します。
目の前に自分が何もしなければ、生きられない小さな命がいる。

しかも、その命は、へその緒でつながり、自分のお腹の中にいた命です。
その小さな命を生かし育てることに、すべての意識が集中するのは当然のことなのです。
でも、男性は「子どもを妊娠して出産する」ことができません。

頭では理解できている男性もいるでしょう。
今、イクメンという言葉があります。
育児に積極的な男性が増えてきたのはとても素晴らしいことです。

でも、それは「産んでいない」以上、女性の子育ての感覚とは違います。
では、男性は小さな命を生かし育てる感覚がないのでしょうか。

もちろん、あります。
日本の男性の多くは、それを「仕事」「経済力」でやろうとしていきます。

子どもが産まれた時。
男性は、今まで以上に社会的な責任感を感じます。

自分が父として、夫として、妻と子を守る。
この感覚は、男性が持ちやすいもの。
そして、自覚していない男性も多いものです。

そうすると今まで以上に
・仕事をがんばらなければ
・出世して今後の経済力を安定させなければ
・家を建てなければ

そんな方向に気持ちが向いていくことが多い。
女性とは違うやり方で、男性なりの「産まれた命の守り方」なのです。

そう考えることができた時。
夫も妻も、同じ「産まれた命を守ろう」としていることになります。

ここが、本当に大切なところなのです。
ここまで、二人でお互いの愛を理解することができた時。
お互いの怒りや傷ではなく、お互いの愛情を見ていくことができる。

そう考えることはできないでしょうか。
そこまで見ていくことができた時。
「セックスレス」の問題は、二人の生き方、愛情、子どもへの思いであることに気づいていけます。

この本当に大切な思いを感じていただきたい。
それが、私がカウンセラーをやっている理由の大きなひとつです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 昌紀

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。