親が幸せだと子どもは自分の人生を生きることが出来る

親が幸せだと子どもも幸せ

親の幸せと子どもの幸せは直結しています。
なぜなら、親の幸せな姿を見ると子どもは安心するから。

親が楽しそうで幸せでいると、子どもは不安になったり親のことを心配したりしなくてすみます。
すると、子どもは子ども自身のことに集中できます。
自分の人生を生きることが出来るのです。

 

子どもが感じる安全と安心

「愛着」という言葉がありますよね。
主に親と子どもとの心理的な結びつきのことをいいます。
子どもは身近な人たちの愛情を感じて心が安定し、人への信頼感を得てゆきます。

お腹を満たしてもらったりオムツを換えてもらったり、抱っこしてもらったりして「世界は優しい」「私は愛される存在」という感覚を覚えるのですね。

愛着を形成してゆくことによって安心、安全、探索の基地(ベース)を獲得します。

・恐れや不安、悲しみなどネガティブな感情から守ってもらえるという安全の基地
・「家(親)にいるとホッとする」などポジティブな感情が生み出される安心の基地
・親から離れ、また帰ってくるという一連の自身の体験を親に共有し受容してもらうことで、好奇心を発揮し世界から学びを得る探索の基地

セキュアベースといいますが、子どもは怖いことや不安なことがあっても、安全で安心な基地があるから外へ出て色んなことに挑戦したり意欲的に生きていける、という感覚を持てるのです。

ということは、親自身が安定して幸せであることが重要なカギになってきます。

 

親を思う子の気持ち

子育てについてのご相談は多くいただきますが、我が子といえども別の人間ですもの。
思うようにいかないことは多々ありますよね。

けれど、子育て中のお母さんのカウンセリングをさせていただいていて私が感じることは、お母さん自身が自分の人生を生きるようになるとイキイキとパワフルさを発揮されるんだなぁ、ということです。
「ドンと来い!」というような肝っ玉かあさんの素質が顕れてくるんです。

母親ってどうしても家族の中で犠牲的になりやすいんですね。
「お母さんはいいから」と遠慮ばかりしていませんか?
「子どものために」と我慢し過ぎていませんか?

それに加えて、ご主人の顔色を伺ったりお姑さんのお小言に耐えていたり職場の人間関係に疲れていたりで、八方塞がりのように感じることもあるかもしれません。

たとえば、子どもの不登校でお悩みのお母さん。
子どもの年齢にもよりますし学校に行かない理由もそれぞれですが、子どもが学校に行かない理由は
・学校に問題がある場合
・家庭に心配事がある場合
大きく分けてこの2つが考えられます。

学校にいじめっ子がいたり怖い先生がいると、学校に行きたくなくなる気持ちはわかりますよね。
子ども本人が口にするかどうかは別として「〇〇ちゃんからのイジメが辛い」「〇〇先生の大声が苦手」など、理由が明確です。

けれど家庭に心配事がある場合というのは、本人も明確に理由を説明できないこともあるんです。

頭では自分でも「学校に行った方がいい」「学校に行かなければ」とは思っているけれど

・自分が学校に行っている間にお母さんがいなくなるかもしれない
・おばあちゃんがお母さんをいじめるかもしれない
・お父さんが暴れるからお母さんを守らなくてはならない
・両親が離婚してしまうんじゃないかと不安

潜在的にそんな“恐れと不安”があって学校に足が向かない、というようなことって意外のように感じるかもしれませんが、よくあることなんです。

ただ、本人も学校に行けない理由として意識上に上がってこないので上手く説明が出来ないことはよくあります。
上手く説明は出来ないけれど“恐れと不安”がブレーキになって学校へ行けないのです。
親からするとその態度は、のらりくらりしているように感じられて心配になったりイライラしたりするのですが。

大人の私たちも、頭ではわかっているけど気持ちがついてこない、ということってよくあるかと思うのです。

あるクライアントさんは、子どもの不登校とご主人との夫婦関係でも問題を抱えていて孤軍奮闘しているような気持ちで疲れ果てていました。
家族のためを思ってがんばっているつもりなのに報われない。
子どもは何を考えているのかわからないし、夫とはもう何年もまともな会話をしていない。

「本当は夫ともっとわかり合えたらいいのに」とは思うけれど、歩み寄って拒否されるんじゃないかと思うと向き合えない。
拒否される“恐れと不安”で、その状況から抜け出すことが出来ないままでいたのです。

頭では「〇〇した方がいい」「〇〇しなければ」と思うけれど出来ないときは、感情的なブレーキが掛かっているときです。
この場合は、拒否されるのではないかという恐れの感情と不安な気持ち。
ある意味、学校に行けないお子さんと同じ恐れと不安な感情をお母さんも抱えていたのです。

カウンセリングでは一緒に探りながら、ひとつづつ感情のブレーキを外してゆきます。
その感情はいつから持っているものなのか。
一番最初は誰に感じたものなのか。

そうやってお母さん自身の心をほぐし受容してゆくと、固まっていた心と身体が緩んでくるのです。
そうすると気持ちにゆとりが出てきます。
頭の中がずっと子どもと夫のことだったのが、自分自身にも意識が向くようになるんです。

「お母さんはいいから」が「お母さんも♪」と自分自身も家族の数に入れたり、「子どものために」と自分に我慢ばかりを強いるのではなく「私のためにも」楽しさや心地よさを許せるようになります。

 

幸せな基地(ベース)

お子さんが学校に行くようになったキッカケって何だったんでしょうね?
そんなお話しをしていると
・私が子どもを学校に行かせようとするコントロールを手放せたこと
・子どもの気持ちを聞けるようになったこと
・なんでも「ちゃんとしなきゃ!」と思っていたけど「ま、いいか」と思えることが増えたこと
・夫に感謝できる自分になれたこと
・私は私なりに出来ることをしていればいいのだと思えたこと
・自分自身に素直に正直に生きたいと思えたこと
と答えてくださいました。

「良い妻良い母であらなければと思い過ぎてたんですね。良い妻や良い母でなくても私は私でいいんだと気づきました。あの子にとっての母親は私だけですし」
素敵な笑顔で話してくださいました。

お母さんが幸せに、そこにゆったりと存在してくれていること。
その姿は子ども(ご主人も)の心と態度をゆるませます。
なにかあれば帰る基地(ベース)があるという安心感があってはじめて、子どもは自分の人生を意欲的に冒険できるようです。

しんどいとき、苦しいとき、疲れたなぁ、というときは、ひとりでがんばらずにお話しをお聴かせくださいね。

来週は、那賀まきカウンセラーがお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに♪

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。