子どもに期待してしまう気持ち

“無償の愛”
という言葉を多くの方は聞いたことがあると思います。
・見返りを求めないこと
・利益を考えず相手に尽くすこと
ということですね。

親が子供に向ける愛、
パートナーが相手に向ける愛、
友達間の愛、
など、

誰しも自分が見返りを期待せず、ただただ相手のためにした、してあげたかった。もしくは、してもらった経験はあるのではないでしょうか。

 

■子どもへの期待

・無償の愛と期待と

誰かに何かを期待することなく見返りを求めることもなく、ただただ相手が喜ぶためにしてあげたいこと。ただ笑顔が見たくて、それだけの思いで動くことって、誰しもあると思います。
特に、自分に子どもが出来たなら、その子には、

自分よりもずっと幸せになって欲しい。

そんな思いは多くの親御さんが持つと思うので、何度も何度もいろんなことをして、子どもをたくさん笑顔にしてあげたいと日々接していると思います。
ただ私たちは感情を持った“人”なので、時に自分のその頑張りの見返りを期待してしまう気持ちって少なからずは出て来てもおかしくないと思うんですよね。

H3・期待という気持ち
期待なんて、誰しも経験があるだろうし、人であるからには持ってしまってもおかしくないことですから、期待しちゃう気持ちはそこまで責めることではないと私は思います。
ただ、見返りを期待し過ぎてしまったり、そもそもその見返りの期待が前提となっての発言や行動であったとしたら、勝手に『裏切られた』という感情と繋がりやすくなりますね。なぜこういう気持ちになってしまうんでしょうか。

 

■愛の成せる業?

・なぜ見返りを期待するのか

私たちが時に見返りを期待してしまうのってなぜなんでしょうね。
大好きな大好きな夫。大好きな大好きな家族。
大好きな大好きな我が子。
だからこそ、いっぱいの笑顔にさせてあげたい。幸せにしたい。
でもそんな思いがあるからこそ、私たちは愛を与えるために、時に自分をほったらかしちゃうの。
多くのお母さんのあるあるかもしれませんが、
自分の買いたい服が目の前にあっても我慢して、子どもや家族のためにそのお金を使う。
例えお金に余裕が出来たとしても、自分のためにはほとんど使わず、やっぱり子どもや家族のため、夫のために使ってしまう。
自分には適当で、でも子どもや家族のためにはひたすら頑張る姿勢です。
もちろん、それが苦ではなく、それが喜びのことだってありますよね。それこそ無償の愛です。
でも長い目で見て考えると、そうやって自分がある意味 犠牲 するような形になって、子どもたちに、夫に頑張ってしまうと、つい思っちゃう時はあるんじゃないでしょうか。

こんなに頑張ったんだから、こうしてくれたっていいじゃない!
こんなに必死にやったんだから、私の気持ちも分かってくれてもいいじゃない!

こんなにお母さんが心配していろいろしてるのに、あなたも少しは努力したっていいんじゃないの?

って。

 

■親の本音

・頑張り過ぎるわたしたち

頑張り過ぎて、つい相手に見返りを期待してしまう。
それは、あまりにも自分じゃなく相手に尽くし過ぎてしまって、でもその頑張りが一方的過ぎちゃうとしんどくなっちゃうんですよね。
そのしんどくなった分、わたしたちは多かれ少なかれ見返りを期待するような思いになってしまうのでしょう。
特に子ども相手だと、子どもは感情のまま動くし難しいことは分かりません。だから親にとって、それにどれほどの労力がかかっているのか、どれだけの頑張りが必要なのか、気づかなくてもおかしくはありません。
親が自分にそこまで頑張ってくれてることは成長過程では何となく分かって来るけれど、学生時代には自分の友達だったり勉強だったりで、子どもは子どもなりに悩むことがあるし、目の前の楽しさをつい優先してしまったりで、そんなに視野は広くありません。
親にしてもらってることも当たり前のように受け取っていく時代だから、そこはもう少し成長してこないと分からないところです。
それと同時に子育て中って、特にあまり褒められることがないですからね。

親として当然。
母親として当たり前。

保護者会などで、お父さんだけが来ていると、 “なんでお母さんは来てないの?” という言葉も耳にしたことがあります。

だから余計にわたしたちは頑張るしかなくて、ついつい自分の大変さに目がいかなくなっていくんだと思います。

 

・母親の本音

わたしたち親が我が子に対してこんなに一生懸命頑張るのは、自分が得られなかった幸せを子どもには与えたいという思いと、自分の痛みの体験を子どもには与えたくないという思いからです。
でも同時に自分はこうだったのにという羨ましさもそこには出てくるかもしれませんが、やはり、少しでも自分たちよりはいい時代に子どもが生まれて来たことは嬉しいことですよね。

そういう自分の経験をもとに子育てはそれぞれ始まります。
厳しく育ったかったからこそ、子どもへも同じようにこの世に強く生きて欲しいと願い育てていく人。
厳しかったからこそ、自分は優しく関わりたいと願い育てていく人。
寂しかったからこそ、寂しい思いをさせたくない、貧しかったからこそモノがないことで辛い思いをさせたくないと思い育てていく人。
皆さんそれぞれの思いがそこには託されています。
だからこそ、それを子どもに与え子どもを抱きしめ、子どものために・・・。

あなた自身のことは見てあげてますか?

 

■自分の頑張りもしっかり認めてあげること

ひとりの人間をはじめから育てていくわけですから、本当に子育てって大変ですよね。
でもその大変さにはもちろん喜びも多いし、学ぶこともとても多いものです。
だからこそ私たちは頑張れるのでしょう。
だけど、やはり子育てはなかなか誰かに褒められて続けることではありませんから、子どものためと頑張り過ぎても、自分が相当疲れてることに気づかないことも多いものです。
だからこそ、自分のメンテナンスはとても大事。
自分の認識での“ちょっと”の疲れって、ちょっとじゃないんですよね。
頑張ってしまうのは、見かたを変えれば相当な愛があるからに違いないことなので、その自分を充分認めてあげて下さい。
そして時には、

「こんなに今日は大変だったのよ。頑張ったねとか大変だったねとか言葉と同時にハグしてください。」

と、はっきり旦那様に伝えてもいいと思います♪
そしてその言葉を彼にも同じように伝えてあげてもいいですね。
「あなたも頑張ったよね。きっと大変だったんだよね。」って。
子育ては一人で頑張るものじゃないですが、旦那様にその余裕がないときは、せめて言葉や態度でお互いをしっかり認めて、癒しましょうね。
そういう自分のメンテナンスが出来ていれば、頑張り過ぎて子どもへいろいろ見返りを考えてしまうことも少なくなっていくと思いますよ。

このお話が、子育て中の皆さんにとって、少しでも楽になる文章であれば小川は嬉しく思います。

8月12日(金)は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。