指令は嫌でもお願いなら大丈夫?

わかっていてもなかなかできない葛藤もありますよね。

「何度注意しても、子供が言うことをきかない」という悩みは、多くの親御さんが抱えているものなのかもしれません。「どうして私が」という思いが出てくるのは当然ですが、少し言い方を変えてみることでイライラを減らすことが可能になるかもしれません。

今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。

子育て中の親御さんからのご相談に、「何度言っても、子供が言うことをきかない。それどころか子供の態度がどんどん悪くなっていく」というものがあります。

仕事や家事に追われる親御さんとしては、子供には自分のことは自分でできるようになってもらえると助かるし、なんなら家のことも手伝ってくれると、より助かります。
もちろん、そのような自立する力を養っていくことは、子供自身のためにもなります。

ところが、「食器を片づけなさい」「勉強しなさい」「部屋の掃除をしなさい」と言っても、子供はなかなかやってくれない。
仕事もあるし、家事もある。
親御さんは、やらなきゃいけないことに追われて、余裕がどんどんなくなってくる。

そうすると、「いい加減にしなさい!」「自分のことなんだから自分でやりなさい!」と怒りたくもなってしまいます。

親御さんのイライラが限界にきて、叱ったとすると、大抵の場合は命令というか、指令という形になってしまいます。
もちろん親御さんが、子供の食費や学費の面倒を見て、食事の準備をし、安全な生活を送ることができるように経済的、精神的に支えているわけですから、「〜しなさい」という言い方になるのは、理解できます。

もちろん私自身も、子育て真っ最中の時は、「あれしなさい」「これしなさい」と言いまくっていました。
そうすると、子供はどんどん反抗的になっていきました。

「あれしなさい」「これしなさい」と親御さんに言われた結果、我が家とは逆に、子供さんがだんだんと、どんなことも言われる前にやるようになっていったというご家庭もあるようです。
自主的に、心穏やかな状態で、そうやってできるようになっていくことは、子供が成長しているということなので、喜ばしいことなのですが、中には、親御さんに叱られすぎて、自分の意思が持てなくなってしまったということもあるようです。

また、子供さんが小さい間は、反抗というのもほとんどないかもしれませんが、子供さんが思春期に入ってくると、反抗期も重なってどんどん言うことをきいてくれなくなってくるようです。

そんな時ついつい、声のボリュームも上がり、口調も強くなり、命令や指令するように言ってしまうのですが、実はそうすると、逆効果になってしまう時があります。

もちろん、身に危険が及ぶことや、誰かに危害を加えることや、社会的にやってはいけないことなどの場合は、声のボリュームを上げ、口調も強くして注意する必要があります。
煙たがれようが、毅然とした態度で注意することは、とても大切です。

でも、そういった危険なこととは違うジャンルで、「部屋を片付けなさい」「勉強をしなさい」と、反抗的な態度の子供さんに指令を出し続けたとしたら、相手はどんどん頑なになっていってしまいます。

これは何も、親子関係に限ったことではありません。
誰だって、「〜しなさい」と言われると、嫌な気持ちになるものです。
反抗したくなります。

上司に「データ整理しなさい」と言われるのと、「データ整理、お願いできるかな?」と言われるのでは、気分が相当違いますよね。

親子関係では、親は自立の立場で、子供は依存の立場です。
同じように、上司は自立の立場で、部下は依存の立場です。

依存の立場の人は、度々自分ができないことを自立の立場の人のせいにしてしまうことがあります。

「ちゃんと教えてくれないからできない」
「もっと優しく言ってくれないからできない」

自立の立場の人は、「いやいや、それくらいできるでしょ!」と思ってしまいます。
そして、「〜しなさい!」と指令をだしてしまうことになります。

ここで、指令ではなくお願いスタイルにしたらどうなるのか?

人は、命令や指令を出されると嫌になり、お願いされると「しかたないな」「やってあげてもいいけど」という気持ちになりやすいのです。

「データ整理、お願いできるかな?」
「部屋の掃除、お願いできるかな?」

どちらも、その人自身がやるべきことなので、お願いするのは違うだろうという気持ちは出てきます。
確かにその通りではあるのですが、ここで命令や指令を出してしまうと、関係性がどんどん悪くなっていってしまいます。

そこで、自立の立場の人が、「お願い」をしてあげることで、激しいバトルは回避することが可能になってくるのです。
ついでに、お願いされた側である依存の立場の人も、自立側の人からお願いされることで自信がついてきます。

「〜しなさい」という言葉は、その後言わないまでも「どうせあなたは言わないとできないでしょ」という思いが込められていることも多々あります。
そのつもりはなくても、できない人として扱ってしまうと、人はそのようになっていってしまいます。
ですから、あえての「お願い」スタイルにすることで、依存の立場の人の成長を助けるという効果もあるのです。

とは言っても、私自信が子育てをしている真っ最中に、そのような説明をされても「どうして私がお願いしなきゃいけないのよ!」と思っただろうと感じます。
子育て中は、忙しすぎて余裕がなかなか持てませんからね。

だから、できる時だけお願いしてみるから始めるといいかもしれません。
できないときは、親御さんに余裕がないときですから、自分自身を休ませてあげることも必要です。
誰か協力者を探して、親御さんの負担が軽減できるように考えてみるといいかもしれませんね。

簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです!
ありがとうございました。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。