夫婦のロマンスを取り戻すために(4)~夫婦のすれ違いは「心の通訳」で解消できる~

夫婦のロマンスは「お互いのコミュニケーション」が取れることが最も大切なこと。

それがうまくいかないことであきらめる必要はありません。
夫婦のコミュニケーションを取る方法は「心の通訳」の仕方を学ぶこと。

それは「男性心理・女性心理を知識として学び」「悪い態度=愛情がないとは限らない」という心の法則を念頭に置きながら「相手の気持ちを本当に知りたい」と思って近づくことです。
このことによって「夫婦のロマンス」を取り戻すことができるようになるのです。

私と妻(池尾千里)は夫婦で「カップルカウンセリング」をしています。
カップルカウンセリングとは、私たち夫婦カウンセラーが二人揃ってお話を伺うスタイル。

ご相談者は、お一人の場合も、カップルで来られる場合もありますが、カップルで受けていただくと、カウンセラーもカップル、ご相談者もカップルという4人でお話しする形になります。

そこで私たちが何をしているかというと「二人の通訳」をしてるだけなのです。

具体的な事例を「カップルカウンセリングの現場」から、ご紹介していきましょう。

○Bさん(妻)とCさん(夫)の場合
Bさん(妻)はママ友に苦手な人がいる。その人との付き合いが億劫で仕方ない。
それを夫に相談すると「だったら距離をおけばいい」という。
「それができれば苦労しないわよ」とBさんが言うと、夫は「いつもお前はそうだ。お前とは話をしても意味がない」と相談に乗ってくれない。
夫はいつも私の話を聞いてくれないし、冷たい態度。こんな夫とやってられるか!と思う。
Cさん(夫)はCさんで言い分があり「いつも愚痴ばかりで態度を変えようとしないのに、話を聞いてられるか!と思う」という。

こんな時のお互いの心理ってどうなってるの?

<池尾昌紀・池尾千里のカップルカウンセリング>

(昌紀):ご主人は奥さんの相談に答えようとしてるんですよ。男性は問題に対して結果を求められていると感じる傾向が強いんです。だから、苦手な人に対しては距離を置く、という回答を答えているんです。

(千里):でも、言い方が問題よね。こんな言い方では奥さんには伝わりませんよね。

奥さんが求めているのは、単に「話を聞いてほしい」ということなんですよ。女性は具体的な回答を求めながらも、気持ちをわかってほしいと思う傾向が強いんです。

(昌紀):Cさん(夫)が話をしても意味がない、というのは奥さんを否定しているわけではないんです。それは、奥さんへの怒りではなく、自分が妻を助けてあげられるような良いアドバイスができなかった、と自分を責めているんですね。

この感情をどう感じていいかわからないので、奥さんを攻撃してしまうんです。

(Bさん:妻):あれは私のために言ってたことなの?!

(Cさん:夫):お前も話を聞いてほしいなら、最初からそう言えよ!

(千里):実はお互いのことを思いやっていたってことなんですよ。

こうやって通訳してみると、相手の見方が変わりますよね。相手の悪い態度=愛情がない、と感じるのは当然ですが、本当の気持ちは態度とは違っていることが多いんです。

(昌紀)「あんな悪い態度をしているけど、実は愛情の裏返しなのかもしれない」「やり方がわからないだけかもしれない」「仕方がない事情があるからかもしれない。」そんな視点で相手のことを見ていくと、腹が立ちにくくなりますし、悪い態度の中に「優しさ」が隠れていることを発見しやすくなるんです。

(Bさん・Cさん)・・・お互いの顔を見つめあって黙る二人・・・

この後、思わずBさん(妻)が静かに泣きはじめ、Cさん(夫)が困り果ててしまいました。

(千里):Cさん(夫)、奥さんは今、寄り添って欲しいと思ってるんです。そっと寄り添ってあげていただけますか?

そういうと、Cさん(夫)が、そっとBさん(妻)の肩に手を回してくれました。

しばらく二人がぴったりくっついて、お互いを感じる時間が流れたのです。

* * *

二人のコミュニケーションがうまくいく方法の一つは「男性心理」「女性心理」を知ること。

男性心理・女性心理の違いを簡単に解説すれば、次の2点になります。
・「男性は結果を求める」「女性は感情を共有してほしい」
・「男性は感情・感覚を感じるのが苦手」「女性は感情・感覚を感じるのが上手」

私たちは「異性の心理」を学んできていません。
「男性と女性では心理的な傾向が違う」のですが、ことに気がつかないことも多い。

日本人同士のカップルでも「国際結婚」するくらい「心理」が違っているのです。

その違いを知るだけでも、お互いの本当の気持ちを理解していくのにとても役立ちます。^

二人のコミュニケーションがうまくいく方法のもう一つは「悪い態度=愛情がないとは限らない」という視点を持つこと。

この例では「男性心理」「女性心理」の違いからスタートして、その次に「悪い態度=愛情がないとは限らない」という視点に続いています。

結婚すると「夫婦だから分かり合えて当然」という思いを持ってしまうことが多い。

でも、それは違うんですね。

私たちは「カップルカウンセリング」を通じて、長く一緒に暮らしている夫婦であっても、こんな風に「相手の気持ちを知って驚きを隠せない」シーンをたくさん見てきました。

それくらい、私たちは相手のことを「知らない」のです。

二人のコミュニケーションがうまくいく方法の最後は「夫婦はわかりあって当然」という思いを捨てて「自分は本当に相手のことを理解できていない」という謙虚さを持つことです。

私たちは、コミュニケーションがうまくいかない時、相手の気持ちがわからないと不安になり、その不安をなくしてほしいと思ったり、こうした不安を抱えている自分の気持ちをわかってほしいと焦ります。

でも、それは相手のことを思いやっているのではなく、相手になんとかしてほしいと相手任せにしている状態なのです。

これでは、相手は心を開く気持ちになれません。

「自分は実は、相手の気持ちを知らない」という視点で相手のことを見ることができた時が、相手のことを本当に理解する入り口に立つことができます。

相手任せにするのではなく、自ら相手の心に近づいていくことができるからなのです。

こうして「相手本位」ではなく「自分本位」で相手の気持ちを理解しようと近づくことで、相手もまた、自ら近づいてこようとしてくれます。

「男性心理・女性心理を知識として学び」「悪い態度=愛情がないとは限らない」という心の法則を念頭に置きながら「相手の気持ちを本当に知りたい」と思って近づくこと。

こうした姿勢が二人の距離を縮めます。

そのことによって、夫婦のロマンスは段々と戻っていくのです。

こうしたアプローチで、夫婦のロマンスが戻っていったご夫婦を、私たちはたくさん見てきました。

私たちは、こうしたことをお伝えしたいとカップルカウンセリングを続けています。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 昌紀

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。