100回のプロポーズ

「結婚しよ!」

私は夫に100回ほどプロポーズしました。
コラムを書くにあたり、実際に100回プロポーズされた夫に当時はどう感じていたのか、確認してみました。

「100回もプロポーズされてどうだった?」
「しつこかった」

「感想、他にもきっとあると思うんだ」
とも、聞いてみましたが
「しつこかったし、今もしつこい」
と、笑いながら答えてくれました。

でも
「私からプロポーズしなかったら、結婚した?」
と、たずねたところ

「してないよ」
と、笑顔で答えてくれました。
私からプロポーズしてよかった! と、心底思います。

私は「夫と」人生を歩んでいきたかったのです。
 

夫と出会う前の私は「この男だけはやめたほうがいい」と言われる人を見つけ出しては、恋していました。
私は結婚したいと渇望し、家族が欲しいと願い祈りながら、結婚に向かない男の人ばかりを選んでいました。

私にとって「結婚」や「家族」はとても遠いものだったのです。
両親が離婚し、再婚。両親はそれぞれ家を出たので、私は実家で1人暮らしをしていました。

両親の離婚も自分のせいだったのではないか、私は諸悪の根源だと、誤解からですが思ってもいました。
こどもというのは辛いものだと、思っていました。
本当に辛かったこども時代を大切な人にはプレゼントしたくありません。
私はこどもを産まないと決めていました。
でもその考え方は私を大変苦しめ、生き辛さにもなりました。

この生き辛さをなんとかしたくてネットで検索したところ、カウンセリングサービスの母体である神戸メンタルサービスのHPを見つけました。
ここだ! と、思った私はカウンセラー養成コースに入りました。
養成コースのカリキュラムであるワークショップに参加しました。
たくさん泣き、笑い、気づき、まなび、癒してきました。

両親の離婚は両親の課題であり、こどもである自分のせいだと思ったのは誤解だったことを知りました。
私は諸悪の根源でもなかったのです。
それどころか両親のことが大好きで、たくさん祈ってきたことを思い出し、少しずつ自分を受け入れられるようになっていきました。

こどもの私が生きていることが、両親の勇気や生きる希望になっていたことをちょっとずつではありましたが
「そういう側面もあったのかもなぁ」
と、受け入れていけるようになっていました。

そんなある日、赤ちゃんを抱っこしている女性の幸せで満ちたりている眼差しを見たときに
「私も赤ちゃんがほしい!」
と、体に稲妻が落ちたように思いました。

そこからです。
男性の見方が変わりました。
これから産まれてくるだろうこどもをともに育てることができて、一生恋し続けられる人がいい!
私が本当に幸せになれる人を自分にプレゼントしてあげたい。
そう、心から思いました。
そして、今まで自分を傷つける人ばかり選んできた自分にごめんなさいをしました。

その3日後のことです。
夫とは以前から知り合いでしたが、夫のことが大好きになり、恋に落ちました。
この人しかいない! と、思いました。

夫は私にとって最高の男性で、運命の人だと思ったからこそ、私は夫に100回もプロポーズしました。
最初の数回は、本当に怖かったです。
膝もがくがくと震えました。

今の関係が壊れたらどうしようという恐れもありました。
でも、それ以上に私は彼と結婚したかったのです。

プロポーズも10回を超えてくると、プロポーズが楽しくなってきた時期もあります。
もちろんそれだけではありません。
本当は泣いたり、ひきこもったり、脅しもしました。
そんな私に振り回されることなく、夫は本当に真剣に考えていてくれて、私を見てくれていました。

私には
「結婚しよう」
と、100回も私が決める必要があり、彼に言う必要があったのだと思います。
決めて叶える力があるわりには、本当には決めていなくて、逃げ癖もありました。
本当に本気になること。
本当に幸せになると決めること。
勇気を持つこと。
勢いだけではなく、積み上げていく大事さ、決め続ける努力をすること。

夫は本気で生きている器の大きな人なので、私の本気を雑には扱わない人だとは信頼もありました。
これでもしダメだったとしても、それは本望。
恋は猪突猛進、猪なので正直後先考えるのはかなり苦手なのですが…それがよかったのかもしれません。

「彼がプロポーズしてくれない」
もし、お悩みの方がいたら、私は
「女性側からのプロポーズも選択肢の一つとしてぜひ入れてほしいかもしれません」
と、お伝えしたいなと思っています。

今の時代、「女性は待つ側」ともし、決めてしまっていたとしたら、少しもったいないかもしれません。
私のプロポーズ100回が、どなたかの勇気に少しでもなれたらいいなと願っています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

いしだ ちさ

発達障がい児の子育ての経験から、生き辛さの根っこにある未消化な思いや痛みに穏やかに寄り添い隣で支えることを大切にしており、 「話すことのすべてを大切に聴いてもらえる安心感」がある。 あらゆる人のなかにある豊かな才能・魅力に光をあてることで、生きる力を一緒に育てるカウンセラーである。