嘘をついてしまう心理(4)〜悪意の嘘〜

悪意の嘘

嘘はつかれたくないものですし、つきたくないものです。
誰かをだまそうとしたり、おとしいれようとしたりする嘘で、誰かに不利益を与えます。そうしようという悪意をもってつく嘘です。
私たちが日常で触れる嘘の中で、実は一番触れる機会が少ない嘘なのかもしれません。

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嘘をついてしまう様々な心理を解説するシリーズ4回目は、【悪意の嘘】についてです。

明確に誰かをだまそう、おとしいれよう、不利益を与えようという意志をもってつく嘘です。
ですから、その嘘によって傷つく人も当然いますし、不利益をこうむってしまう人も出てきてしまいます。

と、このように表現すると、犯罪のような感じがするかと思います。
犯罪の中には、もちろんこういった嘘も含まれることが多いわけですが、犯罪というわけではなくても、悪意ある嘘というのはあります。

悪意を擁護するわけではないのですが、悪意があると言っても、嫉妬のために相手を失脚させるための嘘をついたりするように、悪意を持つにいたった理由は存在します。

人は、感情を感じる生き物ですが、感情の中には感じたくないものも多々存在します。
嫉妬や、競争心、誰かを恨む気持ちやなども感じたくない感情です。
感じたくない感情を感じ続けるのはとてもつらいことですから、それらの感情から逃げるために悪意を抱いてしまうことがあります。

例えば、同期は上司からの評価も高く、営業成績も自分よりも良い。
自分も頑張ってはいるけれど、どうしても同期の成績にはかなわない。
悔しいし、同期に嫉妬を感じてしまう。
この悔しさや嫉妬から逃げるには、同期が失敗すればいいんだ。
同期をおとしめるために嘘の噂を流してやろうと考えた。

というような場合が、感じたくない感情から逃げるために悪意を抱いたということになります。

他にも、自分には到底手にれることができそうにない高級バッグを友人が持っている。
私には手に入れられないのに、友人が持っているなんて世の中は不公平だと思った。
悔しいので、友人が恥をかくような嘘の情報を周りの人に伝えてやろうと考えた。

というのも、感じたくない感情である羨ましさや、みじめさから逃げるために悪意を抱いたという例になります。

決して良いことではありませんが、そこのは、その感情から逃げるためにはそうするしかないという切羽詰まったものがあります。

人は、自ら進んで悪い人になりたいわけではありませんし、悪意を持ちたいわけではありません。
ですから理性が働く状態であれば、例え感じたくない感情があったとしても、その悪意を実行することを踏みとどまることがほとんどです。
しかし残念ながら、理性が働かず踏みとどまることができないことがあるのもまた事実です。

悪意のある嘘は、誰かを傷つけ、悲しませ、不利益を与えてしまうものですから、できればそのような嘘はつきたくないですし、その被害にも合いたくないものです。

そうならないために、感じたくない感情であっても、その感情と向き合い、逃げないで解消していくことが大切になります。

悪意のある嘘は、嘘をつく人も、つかれる人も、ある意味一番悲しい嘘なのかもしれません。

ただ、私たちが日常接することがある嘘の中で、この悪意の嘘は意外と少ないものです。
1回目でご紹介した自己防衛の嘘、2回目でご紹介した誰かを守る嘘、3回目にご紹介した自分を大きくみせる嘘の中のどれかであることが多いものです。

悪意の嘘をついてしまって、そんな自分は嫌われると怖くなったので、自己防衛の嘘をつくというように、嘘は嘘を重ねてしまうことにもつながってしまいます。
また、どんな嘘であっても、嘘をついてしまうと罪悪感を持つようになります。
罪悪感は、とても苦しい感情の代表格ですので、感情から逃げたつもりが、更に苦しい感情を感じることになってしまうのです。

罪悪感は許される必要がある感情ですので、きちんと謝罪することは、とても大切です。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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