認めてほしい心理〜承認欲求からの解放〜

「人から認めてほしい」気持ちが満たされない時に必要なもの

「人から認めてほしい」という承認欲求は誰にでもありますが、強すぎると自分を苦しくします。承認欲求が強い人はどんな行動をとりやすいのか、承認欲求が満たされにくい人の心理を解説します。そして、他人頼みではない承認欲求を満たす方法として、自己承認と3つの着眼点を紹介していきます。

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「認めてほしい」という承認欲求は、誰にでもある欲求です。「認めてほしい」とがんばることは、モチベーションや成長のきっかけにもなるものです。

しかし、「人から認められたい」という気持ちが強すぎると、対人関係がうまくいかなくなったり、期待した反応が得られずに不満に思ったりすることがあります。

 

●承認欲求が強すぎるときの行動

承認欲求が強くなりすぎていると、どのような行動をとりやすいのでしょうか。

「優れている」と認めてほしい場合、人と比べて競争をします。プライドが高い、自慢話をする、マウンティングする、上から目線で話すといった行動をとりやすいです。

また、比較での優劣を重要と思っているので、劣っていると感じて落ち込みやすかったり、優れた人に嫉妬して相手を批判したりすることもあります。

「特別な存在」と認めてほしい場合は、みんなと同じではない「特別さ」をアピールしようとします。なお、いい意味で目立てない時には、炎上発言や過激な表現など「悪目立ち」で特別さを示そうとすることもあります。

「大切な存在」と認めてほしい場合は、相手の話を聞かずに自分の話ばかりする、不幸話をして気にかけてもらおうとするなど、「かまってほしい」態度になりやすいです。また、同じ考えや同じ気持ちでいると認めてほしいと、頻繁に「○○だよね」と同意を求めることがあります。

以上のような行動は、周囲の人に「承認を強要されている」と感じさせやすいものです。「面倒な人」と扱われ、かえって承認されにくくなってしまうことがあります。

 

●がんばって認められたとしても

「必要な存在」「役に立つ存在」と認めてほしい気持ちが強い場合は、相手の顔色をうかがい、相手の期待に応えようと行動しがちです。そして、無理をしてがんばったり、自分の気持ちをがまんしたり、犠牲を払ってまで尽くしたりもします。

この場合は、実際に成果を出しますし、評価・承認を得ることが多いです。しかし、本人が「自分のいいところだけを見せて、ダメな自分を隠せているだけ」と思っていると、素直に評価をうけとることができません。また、「認められたい」を動機にがんばり続けていると、思うような結果が得られず虚しくなったり、燃え尽きたりすることもあります。

 

●承認欲求が満たされない理由

承認欲求は誰にでもあるものですが、満たされる人と満たされない人がいるのはなぜでしょうか。

承認欲求が満たされない人の多くは、自信がありません。自信がないから、他人からの承認を得つづけることで自信のなさを埋めようとします。いわば、他人頼みになっているわけです。そして、他人は自分の思い通りにはなりませんから、他人の言動に気持ちが振り回されてしまうのです。

例えるなら、満たされない人の心は、穴の開いた器のようなものです。いくら承認が注がれたとしても、穴から漏れ出てしまうので、いつまで経っても満たされることがありません。本人は苦しいでしょう。

この状況の解消には、繰り返し他人から承認を得ることよりも、自己承認で器の穴をふさぐことが必要なのです。

 

●自己承認に取り組む

「自信がない」の原因のひとつには、自己否定があります。自分ができていないこと・自分にはないものに焦点を当てて自分にダメ出しをしていると、自信が持てません。

自己否定の癖を持つ背景には、褒められた経験が少ない、できていないところばかり指摘されてきた、結果がすべてで評価された、自分ではない誰かが褒められることで間接的な否定を感じたなど、他者からの承認が不足しているケースが多いです。だからこそ、「認められたい」と強く思い、人から認められるととても嬉しいわけです。

子供時代は他人に依存するしかないことでも、成長すると自分でできるようになります。承認も、他人からの承認を求めるだけではなく、自分が自分を承認していくことが可能です。自己承認に取り組むと、自分次第で心が満たされるので、他人からの承認への執着から解放されやすくなります。

 

●自己承認の着眼点

では、具体的に自分自身の何を承認すればいいのでしょうか。

まずは、今生きていることを承認しましょう。辛いことや苦しいこともあった中、生きてきた自分をほめましょう。あなたがいてくれたことに感謝している人がいて、あなたが生まれたことを喜んだ人がいたはずです。

次に、がんばっている姿勢や、「よりよく」という思いがあることを承認しましょう。たとえ理想通りではなかったとしても、あなたなりの努力やあなたなりの優しさがあるはずです。小さなことも「がんばっている」と積極的に認めていきましょう。

そして、「できたこと」「達成したこと」を承認していきましょう。例えば、この記事を最後まで読んだことだって、できたことの一つです。必ず「ある」と思って探すと見つかるでしょう。「できた!」「よくやった!」と自分をほめていきましょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。