チョコレートと「好き」~伝える喜びを選ぶ~

2月のこの時期から、いつもは気にならないお菓子が心をくすぐることがあります。

それは、チョコレート。

皆さんにとって、この時期のチョコレートにはどんな思い出があるでしょうか?

作ってみたけど、渡せなくてドキドキしたこと?
それとも、一緒に分け合った思い出?
バレンタインデーなんて知らないと思いながら過ごしたこと?

私にも、どれも覚えがあります。

でも、思い起こせば最初にバレンタインデーを知った時に純粋に感じたのは
「好きを伝えられる喜び」だったような気がするのです。

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初めてバレンタインデーの存在を知ったのは、確か幼稚園くらいの頃のことでした。
何故か、いつも食べているチョコレートがハートの形になるのです。
そして、スーパーマーケットにハートだらけのコーナーができるのです。

食べたい…と思いながらも、子供心にチョコレートが赤やピンクのハートになったのが不思議だったのでしょう。
「何で?」と聞く私に母が教えてくれたのが、バレンタインデーの存在でした。

「好きな男の子にチョコレートを贈る」
そう聞いた時に、私はすぐに、その特別なハートのチョコレートを自分も渡してみたくなったのです。

それは、いつも遊んでくれる大好きなイトコのお兄ちゃんに。
当時の私にとっては、8歳年上でよく一緒に遊んでくれるイトコはとっても大好きな存在でした。

大好きな人に、特別なチョコレートをあげられることが私にとってはたまらく嬉しかったのです。

思い返すと、その頃の私には「義理チョコ」も「本命」も境界線がありませんでした。

子供ですから、男の子、女の子という違いがわかっていたのかも怪しいものです。

ただ「好き」を形にして伝えられることがすごく特別で、受け取ってもらえるかなんて気にしていなかったのです。

なのに、月日と共にチョコレートには色んな感情がくっつくようになりました。
イトコにあげて純粋に喜んでいられた頃を懐かしむ頃には、ハートのチョコレートの形は当時と変わっていないのに伝えることがどんどん私の中で難しくなっていくのです。

大人になって好きな人ができても「恥ずかしい」「私にもらっても迷惑かも」とあげられない。
渡せる人がいる人を「いいなぁ」と羨むこともあれば、渡せる人がいる時も「本当に喜んでくれるのかな」と喜ばせなくてはというプレシャーが大きかったこともあります。
もらってもらえなくて落ち込んだこともあります。

ただのチョコレートなんだけれど、そこにある自分の気持ちが何だか昔とは違いすぎて大人になるってそんなものだよねと思っていました。

けれど、今思い返すと私が大人になってからチョコレートを通して伝えるものが変わっていたんですよね。

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子供の頃、チョコレートに乗せて伝えていたのは「好き」だという気持ちだけでした。

でも、大人になってからはチョコレートに「恥ずかしさ」や「私なんて」って自信のなさをたくさんくっつけていたんです。
そして、受け取ってもらえないんじゃないかと思うほど「好きを伝える」という「プロセス」ではなく「結果」ばかりが目に付くようになりました。

もちろん、結果もとても大事なものですよね。
チョコレートを渡して、受け取ってもらえて…というのが一番の私達の希望だったりします。

でも、ダメだったら…果たして受け取ってもらえなかった自分はダメだったのでしょうか?
魅力がないと感じちゃったでしょうか?
愛してもらえないから哀しかったのでしょうか?

もちろん、私も長くそう感じていました。

けれど「好きを伝えたい」って気持ちは、果たして魅力がないものでしょうか?

大人になったから、そんなものと冷めてしまったのではなく、いつの間にか「好きを伝えること」を強く禁止してしまったのかもしれません。
禁止して自分に何もあげない方がダメだったって傷つかずに済む…そんなふうに心は自分を守る為にハートを閉ざしてしまったりするのです。

でも、閉ざしてしまうとあなたの伝えたい気持ちは一体どうなるのでしょう?
伝えても、もちろん相手が受け取ってくれるとも限りません。
けれど、あなたの心に届めてしまうと「好き」をお互いわかり合うこともできません。
誰かのためにチョコレートを選んだり、作っていたあなたの行動力という愛も無いものにしてしまうと、誰かがあなたのために与えてくれているものに気付けなくなるかもしれません。

ものすごく勇気がいるかもしれないけれど、「好きを伝えられる喜び」をいっぱい体験することを自分に許可してあげてもいいんじゃないでしょうか?
大人になってくっついているものを全部手放してからの方が、私は少なくとも「好きを伝える喜び」は子供の頃よりさらに幸せだと感じています。

あなたの「好き」を伝えたい誰かと、喜びで繋がることができますように。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大麻 織江

お客様からは「話していて安心できる」「気持ちが落ち着く、整理できる」と定評がある。自身の過去のいじめから来る対人恐怖(男性恐怖)、過食症を克服した経験を持ち、繊細な感受性でお客様ひとりひとりの心に寄り添い、どんな時もお客様の魅力と光を見続けるカウンセリングを心情としている。