休みたいのに休めない人の心理

やらないといけない用事ではなくて、旅行に行くとか、遊びに行くとか、自分のために有給休暇を取ろうと思うときって、楽しみでワクワクしたりしませんか。

でもそんな楽しいお休みも、会社に有給休暇の申請をすることを考えると勇気が出なくてなかなか申請できなかったり、職場の人に気兼ねして休むことをためらう人がいるようです。
人によっては、お休みを取得すること自体に抵抗感があって、なかなか休めていない人もいるようです。
また、病気や怪我など、正当な理由でお休みしないといけない時にまで、休むことに罪悪感を感じる人もいるようです。

◆なぜ休めないのか

では、休めない人が、休みを必要としていないのか、休みたくないのか、というと、そうではなかったりします。
休めないと思っているだけで、休みを誰よりも必要としていたり、本当は休みたいと思っている人も多いのですよね。
そんな、休みたいのに休めない人は、真面目で、責任感が強い、頑張り屋さんが多いようです。
どうしても仕事に穴を開けるわけにはいかない、とか、職場で人手が不足しているから、とか、自分がいないと仕事がまわらない、とか、自分の希望を後まわしにしても、会社や同僚やクライアントの為に、と頑張る方が多いのです。
自分の信念を全うし、誠実に責任を果たしていこうという気持ちが強く、また、実際にその能力がある方が多いのです。

でも、もし、休みを取ることに罪悪感を感じるとしたらなぜでしょうか。

罪悪感は、「悪いことをしている」とか「申し訳ないことをした」等のように感じてしまう感情のことです。
休むことに罪悪感を感じているということは、休むことが「悪いことだ」とか「申し訳ないことだ」と感じているんですね。
言い換えると、休まずに頑張って働き続けることは、良いことだと感じているのです。
確かに、頑張って働いているということは良いことではありますが、「休みたいのに休めない」とまで思うまでになるということは、そこに何かがあるようです。
もしかすると、仕事を頑張っているときにだけ、役に立っている時だけ、自分は受け入れられるとか、罰せられないとか、許される、というような感覚はないでしょうか。
頑張っていない私は駄目だとか。

でも、真面目で、責任感が強い、頑張り屋さんであるあなたが、誠実に責任を果たしていこうという気持ちが強く、また、実際にその能力があるあなたが、仕事を頑張っている時だけ、罰せられない、ということはあるのでしょうか。
そんなあなたに必要なのは、自分をゆるめるとか、自分を許すことなのかもしれません。

◆休むことは

リフレッシュすることで仕事の効率が上がることを、経験したことがあるのではないでしょうか。
ちゃんと休めたら、もっとちゃんと頑張れる。
しかも、効率も上がる。
逆にいうと、充分休めていないと、体も心もうまく働かないし、効率性も下がるんですよね。
「休むことも仕事のうち」と言いますが、やはりリフレッシュも含めての労働だと思うのです。
仕事のできるビジネス・パーソンの中には、思い切り遊ぶ・思い切り休むのが上手い人も多いものです。

また、休んでいても、充分休めなかったということはないでしょうか。
一日中だらだらしたり寝ていたのに、疲れがとれず、休んだ気がしなかったことはないでしょうか。
休みの日は、「休む!」と決めて、ひたすら休む。
何もしない日であっても、「何もしない!」と決めて、休む。
休んで良いのかな、とか、休んでしまったなあという思いがありながら、休みをとってしまうと、休んでいるという罪悪感に疲れてしまいます。
せっかく休むのならば、ちゃんと自分に休むことを約束して、休みましょう。
充分休めなかったという感覚も、少しずつ減っていきます。

◆休めないあなたに

疲れすぎてると、休んで良いという発想自体がなかなか出てこなくなります。
ひょっとすると、それだけ疲れていないかについても考えてみましょう。
頑張るばかりではなく、「自分を労る」とか「自分に良いものを与える」ことが必要なのかもしれません。

そして、同僚たちと、より協力しあえる関係づくりも有効かもしれません。
自分だけで頑張るのではなく、相手を信頼したり、頼っても良いのかもしれません。
人は、頼られると嬉しいものなのです。
あなたがいつも頑張って誰かのためになることでその人を喜ばせているように、誰かもあなたのためになることで、あなたも誰かの喜びになれるのです。
何より、頑張り屋さんのあなたには、背負いすぎないでいて欲しいのです。
そして、協力しあえる関係のもとでは、仕事的にも人間関係的にも、お休みも取りやすくもなります。
また、そんなに頑張るあなたがお休みを取ることで、周囲の人も、休みやすくなるのかもしれません。

健康に、あなた自身のために働いて行けますように。

この記事を書いたカウンセラー