恋愛で「依存」したくなる「自立」女性のジレンマ~「大人の女」になりたくない!~

女性が自立して強くなると男性に捨てられてしまうのでしょうか

普段、超「自立」的な生き方をしている女性に限って、恋愛ではパートナーに「依存」することに執着して、パートナーとうまくいかなくなることがあります。自分の方が強くなると捨てられると思い込んでいますが、本当は、自立すると自分がパートナーを必要としなくなるのが怖いのです。対等なパートナーシップは、愛を受け取れてこそ、なのです。

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○恋をするといつもめちゃ「依存」な「自立」女性たち

人一倍努力家で、仕事はきっちりやらないと気がすまない。そばに困っていそうな人がいれば、声をかける。人の悩みに寄り添い、周りの人を励まし導くリーダーで、一人で家族やコミュニティを背負って立つような「自立」的な生き方をされているのに、こと「恋愛」となると、「彼がいなくては生きていけない!」と思うほど「依存」的になってしまうこともあるようです。

超がつくくらいの「自立」的な生き方をしている人ほど、他に甘えられる場所がなくて、唯一、自分の弱さを見せられる「彼」に対して、ニーズの全てが噴き出すから、彼の方も、受け止めきれずに怖気づいてしまうのでしょうか。

「甘えたい」気持ちを押し殺すから、「お願い」ができなくて、それでも「欲しい」気持ちが募ると、何としても手に入れたいと頑張るので、相手からすると「愛」や「気持ち」を奪われるように感じてしまうのかもしれません。

愛を「受け取る」のが苦手な「自立」女性は、自分の「依存」感情を上手に受け止められません。それを誰かに引き受けてもらいたいからか、恋愛ではびっくりするほど「依存」的になることがあります。

 

○ 「依存」嫌いを克服したいなら「お願い」と「ありがとう」を大事にします

「自立」女性は「依存」が大嫌い。なのに、恋をすると「依存」してしまうので、自己肯定感はダダ下がりになります。ますます「お願い」しても、きっときいてはもらえないと思うので、我慢を重ねては、爆発する、という、残念なパターンを繰り返してしまうのです。

まずは、自分のニーズを受け入れることが課題になりますので、何を「わかってほしい」のか、本当はどうしてほしいのか、見つめるといいでしょう。「悲しい」「寂しい」という気持ちや、本当はどうしてほしいのか、言葉にして「お願い」できるようになると、気持ちも軽やかになります。申し訳ない気持ちや、相手にスルーされる怖さも感じますが、だんだん度胸がつきますから大丈夫です。最初は、「そちらのお醤油を回していただけますか?」のような、リスクの少ない「お願い」を意識して言って、きいてもらったら「ありがとう」を、心をこめて言うところから「受け取る」練習をします。

 

○「強くなる」と彼に「捨てられる」?!

いざ、自分の気持ちを受容でき、自己肯定感が上がり始めると、違う抵抗感が出てくることがあります。それは、「私が自立すると彼に捨てられませんか?」という恐れと疑いです。

「男性は与えるのが好き。そんな男性の愛を受け取れる女性は愛される」と聞けば、何だか「この子の面倒を見てあげなくては」と思われた方がモテそうにも思います。女性が自立して強くなると、彼が、必要とされていないと思って、どこかに行ってしまいそうな怖さが出てくるのです。そうすると、あえて「依存」の立場を取りたくなります。「彼のことを頼らなくちゃ」とか、「彼より稼いではいけない」など、彼より自分を小さく、弱い立場におきたいという気持ちが働くのです。

「男性に勝つとモテない」という思い込みを持っていらっしゃる女性は少なくないようです。「男の沽券」という男性側のプライドもあるかもしれませんが、実は、女性の方も、自分より弱い男性に魅力を感じなくなるのが怖いから、「負けたい」と思っていることの裏返しなのです。

「私が強くなったら、彼のこと必要じゃなくなっちゃうかも」と、この心のカラクリに気づくとお客さまも笑い出されます。自分が自立して強くなったら、きっと「捨てられる」と怖がっていたのが、本当は、自分が「捨てたい」と思うかもしれないのが不安だった、なんて。私たちの心の中では、潜在意識下でこういう感情のすり替えがよく起きているのです。

 

○「大人の女」になりたくない?!

子供の頃、私たちにとって、「親」は、神様にも近い存在で、親の決めたルールに従い、親に愛されることが死活問題でした。「親」を必要としていましたし、親を愛してもいました。ところが、大人になるにしたがって、身体的にも、経済的にも、精神的にも、親を「必要」としなくなります。親を「超えた」と思うこともあるでしょう。

反抗期を経て、一人前になって、「親」から離れたものの、大人同士の、お互いを尊敬し、尊重する新しい関係性を作れないと、親を「捨てた」ように感じて、罪悪感を抱えます。大切な人を、「自立すると必要じゃなくなる」、「必要としなくなると捨てる」という思い込みを作ったのは、この罪悪感の仕業なのです。

子供時代は、お父さんの愛を、競争も、遠慮もなく受け取れました。成長し、素直にお父さんの愛を受け取れなくなると、「大人の女」なんぞにならずに、子供でいた方が、愛されやすいのではないかと思います。そう思うのも、子供時代に愛された成功体験があるからこそ、なのかもしれません。

 

○「必要」なのではなくて「喜び」合う人になろう

大人の相互依存のパートナーシップは、どちらかがどちらかを「必要」とするというより、お互いが、お互いの「喜び」になって、一緒に人生の「喜び」を分かち合う関係性です。新しい「愛し合う」関係性を持つために、子供時代の成功体験の名残である「思い込み」は手放せるといいですね。

もし、今、ご両親(女性にとっては、特にお父さん)とあまり行き来がないようであれば、お誕生日や父の日、母の日、などのイベントの機会を捉えて、「感謝」を伝えてみましょう。「感謝」することで、潜在意識下の罪悪感が少しずつ溶けて、対等になっても、愛を受け取れるようになります。

(完)

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