「自己受容」がうまくできない自分を「自己受容」する

過去に「自己受容」したあまり、対人関係で失敗をしてしまった、と後悔している方からのご相談です。

カウンセリングの現場でも「自己受容」は、大切なテーマです。
ありのまま、等身大の自分自身や感情を受け入れ、認めることであり、癒しの基本原則とも言えるでしょう。

ですが、実は「自己受容」で誤解しがちなポイントがあります。ご相談者の方のケースも、まさしくこの誤解に起因するトラブルだったと言えるでしょう。

◎リクエストを頂きました◎

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数年前、「自己受容」という言葉に出会いました。自分の感情を丸ごと認めていいんだと、実践することにしました。
ちょうど、職場に新人の女性社員が入社しました。私より10歳若く、自由で甘え上手な彼女に、ひどく嫉妬しました。
従来の私なら、我慢して上辺だけの付き合いをしたでしょう。しかし、当時は「自分の感情は素直に出していい」、それが「自己受容」だと思い、彼女にとてもつらく当たってしまい、それが社内で大きな問題になりました。小さな町なので、私が彼女をいじめた、という噂が流れ、親にまで迷惑をかけていたらどうしようか?今まで良くしてくれた地元の人達が離れていったり、責めてくるのではないか?と、不安です。
何の罪もない人を傷つけてしまった罪悪感、親に迷惑をかけているかもしれない罪悪感、失敗した罪悪感から解放されたいです。
(掲載の都合上、原文を編集させていただいております)
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リクエストありがとうございます。

今回、担当させていただく安田未稀です。どうぞよろしくお願いいたします。

ご相談者の方が、具体的に何をなさったのかがわかりませんので、こんなケースだと仮定します。

「彼女のせいで気分が悪い。だから、それを本人にそのまま表現した。あるいはそれとわかるような言動をとった。」

つまり、自分の感情を大切にし、忠実にそのまま表現した。
その結果、本人を傷つけ、周りから非難されるような状況を作ってしまった。

だから、「自己受容」そのものがもう怖いし、してしまったことを悔い、自分を責め続けている、ということではないかと思います。

 

「自己受容」に関してよくある誤解

「自己受容」とは、「ありのまま、等身大の自分自身」を認め、受け入れること。
そのためにも、まずは「ありのまま、等身大の感情」を認め、受け入れること。

だと思います。

ところが、誤解しやすい点があります。

「どんな感情でも受容する」とは
「どんな感情でもそのまま表現していい」

という意味ではない、のです。

腹が立つ!憎い!等の感情をそのまま相手に伝えたとします。
相手の気分を想像するに、少なくともあなたへの好意は持てない、ですよね?
職場、サークル、クラスなど、コミュニティ内の人間関係は、当然ながらうまくいかなくなります。

ですから、「受容する」ということと、実際に「表現する」ということは切り分ける必要があります。

 

本当の感情がわかれば、表現も変わる

私達は、よく「怒り」や「嫉妬」などの苦しい感情を、悪いものとして扱ってしまいます。

ですが、実は「怒り」「嫉妬」の下(奥)には、本当の感情が隠れています。

今回の例ですと、自由で、甘え上手な彼女に嫉妬したということは、本当は自分もそうありたいのに、できない、とか、私らしくないからムリと思っているわけです。(このギャップがあるから、嫉妬心が生じます)

まずは「甘えたい」という感情と、そう思っている私を受け入れる必要があります。

そして、実際に甘えられるようになるにはどうしたらいいのか?

ここにフォーカスできれば、嫉妬という表面的な感情を相手にぶつける必要もなくなります。

ご相談者の方は、本当の感情はもちろんのこと、感情をどう取り扱っていいのか知らなかった、のだと思います。

実は、ご相談者の方に限らず、カウンセリングを受けるまで「わかっていませんでした!」という方は、とても多いのです。

私達は、苦しい感情をどうしていいかわからないとき、そう感じさせる相手のせいにしてしまいがちです。
この苦しさを相手に「ぶつける」「ぶちかます」「投げつける」ではなく、自分自身のものとして、取り扱えるようになること。

ここが大切です。

 

「自己受容」に関して誤解していた私を、まず「自己受容」する

・私は「自己受容」を誤解していたなぁ。
・そして、相手に感情をぶつけ、傷つけてしまった。
・そのことを後悔している。
・ずっと自分を責め続けている。
・親にも迷惑をかけているのではないかと申しわけなく思っている。

・周りに嫌われているのではないかと怖れている。

これが私のありのままの姿・感情なんだと、受け入れてみてください。

そして、

・感情のことや、その取り扱い方もわからなかったのだから、仕方なかったよね。

・私って感情の扱いについては、ビギナーだったよね。

と、受容してみてください。

自分を許そうとしなくてもいいです。

ただただ、そうだったよね、と。

そして、

・彼女に嫉妬するぐらい、甘えたいんだなぁ。

・甘えること、ずっと我慢してきたなぁ。

と、自分の奥底にあった感情も、認めてあげてください。

もし自分1人では難しいという方は、カウンセラーと一緒に自分の感情を丁寧に見つめ、受容していくことをお勧めします。

自分の過去は変えられない、とよく言われます。
ですが、過去の事実は変えられなくとも、物の見方、捉え方を変えることはできます。

失敗だと捉えている過去も、自分を変えていく可能性を秘めています。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

安田 未稀

「浮気・不倫をした/された」等の複雑な恋愛・離婚問題、ビジネス・生き方・自己実現などを得意とする。 ビジネスパーソン、主婦、自営業者、経営者のプライベートカウンセリングまで、幅広く対応できるキャパシティを持つ。人生を大きく変化させるサポート力に、高い評価を得ている。