パートナシップにおけるパワーストラグルの罠~正しさの争いを終わらせるために~

2人にとっての本当の幸せを見つめ直す

パートナシップで訪れる最初のプロセスは「ロマンス」。
しかし残念ながらこの時代は長くは続きません。
しばらくすると「パワーストラグル」というケンカの時代に突入します。
相手に映しだした自分の理想とのギャップに失望した分だけケンカが増えていきます。
ここを抜け出すのに必要な鍵は相手をもう一度尊重し信頼すること。
そして「2人にとっての本当の幸せ」を見つめ直すことなのです。

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私たちは誰でも、子供から大人に成長するにしたがって、さまざまなプロセスを経験します。

じつはそれと同じように、あなたとパートナーとの関係性にも“恋愛のプロセス”というものがあるのです。

パートナシップの最初期は“ロマンス”と呼ばれるプロセスです。

ここにいると、お互いに相手のどんな部分を見ても魅力的に感じるので、最高の人と出会えたような気持ちになります。

自分の理想を相手に映し出すので、相手がまるで運命の人のように感じるのです。

だから、どこで何をしても楽しいですし、相手がどんなことをしても許せてしまいます。

ただ、この蜜月は長くは続かないんですね。

この時期はお互いに相手に好かれる為「無理をして自分を良く見せている」ので、一見すべてが完璧なように思えてしまうのです。

しかし、そんな無理を続けることは難しいので、しばらくすると2人のプロセスは“パワーストラグル”と呼ばれる「ケンカ」のステージに進んでいきます。

パワーストラグルとは、難しく表現すると「権力争い」、平たく言うと「自分の方が正しい!」という主張であり、競争のことです。

ではなぜ、私たちは大好きなはずのパートナーとケンカをしてしまうのでしょう?どうして相手の言葉や態度に腹が立つのでしょうか?

それは、相手が自分の理想の人であってほしいと期待している分だけ、パートナーが理想から外れた言動をした時に、ものすごくガッカリしてしまうからなんです。

「本当のあなたはそんな態度をとる人じゃないでしょ。どうしてそんなこと言うの?」

そう感じるほどパートナーに怒りを覚えますし、失望もします。じつは、このギャップがケンカの元になってしまうんです。

よく辛い失恋や離婚を経験した人が言う、

「もう誰も好きになるものか」「結婚には二度と期待しません」

こういった言葉の裏には、理想と失望のギャップと終わらないケンカの中で、すっかり疲れ切ってしまった過去の痛みが横たわっていることが多いのです。

パワーストラグルのステージにいると「あんな態度をとるパートナーが悪い!」という怒りをたくさん感じます。

そして「私は間違ってない、正しいのは私」と思う分だけ、相手を負かして自分の正しさを証明したくなります。ただ、パートナーもあなたに対して同じように感じているのですけどね。

この状況で私たちがよく陥ってしまうのが、「パートナーが悪いんだから、パートナーを何とかしよう」と相手を変えようとしたり、間違いを認めさせようとしたりと、相手ばかりを見てしまうことです。

ところが、たとえ自分の正しさを証明しても、競争に勝ったとしても、そこで手に入るのは「正しさだけ」なんですよね。

「2人がどうなったら幸せなんだろう?」という部分を見落とすと、「本当に欲しい幸せ」は手に入いるどころか、むしろ遠ざかってしまいます。

パワーストラグルは「自分の正しさ」の主張ですから、ケンカを止めてここを抜け出すためには、相手を尊重する・信頼することが鍵になります。

そこで最初に必要な一歩は「パートナーを責めるのを止める」ことです。

なぜなら、あなたが自分の正しさを相手に突きつけるのを止めると、パートナーもあなたを責めたり抵抗するのを止めることができるからです。

ただ、相手を責めるのを止めると嫌なことに気づいてしまいます。それは「私も悪かったんだよなあ」という感情です。

そうなった時に自分の方から先に「ごめんなさい」と謝ることはとても勇気がいりますよね。

もし自分の方から謝ったら、この先ずっと相手の言いなりになりそうな気がしてしまいます。むしろ相手の方から謝ってほしいと思いたくもなります。

でも、このパワーストラグルを終わらせたいのなら、「ごめんなさい」と、(例えば)「笑顔のあなたと一緒にいたい」「もっと仲良くしたいと思っています」などの心の奥にある願いを伝えることが必要かもしれません。

その上で相手がどうするかを任せられたら、相手の意志を尊重していること、信頼していることを伝えることもできそうです。

ここで思い出してほしいのは、相手も同じようにあなたに対して感じているということ。パートナーも「もし、自分が悪いって謝ったら・・・」と不安を感じているんです。

「ごめんなさい」は、心に「許す」という寛大さを受け入れるとても大きなパワーを持った言葉です。それだけに、パートナーを悪者にしない選択ができた時、同時に自分自身を縛っていた怒りという鎖を解くことにつながります。

それは相手も、自分も許すことになり、失望という痛みから心を自由に解放できるので。

パワーストラグルとは、相手との関係を前に進められそうな時に、あなたの気をそらそうと出てくる心の罠のこと。

そんな時こそ「2人にとって本当に欲しいもの」を選択し続けてみてください。その時、あなたとパートナーの幸せがグッと近づいていることに気づけるでしょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

近藤 あきとし

超自立男性との恋愛・コミュニケーションに関わるお悩み・慢性的な生きづらさの解消などを得意とする。 理論的な“心理分析”と、感覚を使った“心理セラピー”を活用する多面的なサポートが好評。 問題の裏に隠れた「真実の物語」を読み解き「自分の本質を生きる」ことを目指すカウンセリングを提供している。