部下同士の折り合いが悪いとき、上司にできることとは?

部下同士で協力して仕事を進めてほしいのに、折り合いが悪くいがみ合っていることありますよね。
そんなとき、上司は頭を抱えてしまうものです。

よくあるのが、新しく配属されてきた部下と古株の部下の折り合いが悪いケースです。

例えば、こんなケースです。
バックオフィスの効率を上げるために、転職でBさんを採用しました。入社したばかりのBさんはモチベーションも高く、仕事を覚えるのも早いし、作ってくれる書類も正確なので大助かりです。
一方で、古株Aさんは、やる気のあるBさんが出現してから、気が気ではなくなってしまいました。
「あなたは仕事ができない」と言われているように感じてしまうのです。
実際に、転職組Bさんは正確に早く仕事を仕上げています。
すると、古株AさんはBさんに冷たい態度を取ったり、ほかの社員とやけに親しげに接し始めたりしました。
Bさんはとても仕事がやりにくそうで、「ここで働くのはつらいです」と言い出しました……。

この場合、まず、気にかけたいのは古株Aさんです。
やる気のある人が入ってきたことで、Aさんは自分のポジションを侵されるような気持ちになっているんですね。
「あなたではダメ」と言われているような感覚もあるかもしれません。
そんな不安から、Bさんを攻撃する態度に出てしまっています。
そのため、古株Aさんの居場所をきちんと作ってあげることが大切です。

そのためには、古株Aさんの存在を上司や同僚たちが承認することで居場所を作ってあげることです。
例えば、
「Aさんはこれまで一人でこの業務をやってきてくれたんだよね。これだけの量、大変だったでしょ。Aさんには頑張ってもらってたんだなと、今さらながらわかったよ」
「部のことは、Aさんが細かいことまで把握していてくれるから本当に助かる。わからないことがあったら、Aさんに聞こうと真っ先に思うよ」
と過去に頑張ってくれたことや存在意義を伝えていきます。
Aさんの不安がおさまるまで、繰り返し伝えていくといいでしょう。
「新しい人が入ってきたけれど、私は私で認めてもらえているんだな、必要とされているんだな」と感じられれば、Aさん自身「この部署には、ちゃんと自分の居場所がある」と思えるので、落ち着いてくるはずです。

できれば上司自身が「Aさんに感謝できること」を思い返してみてください。
長く一緒にいる相手に対しては、「できていないこと」が目につきやすくなっているものです。
すると上司は「古株のAさんよりも、新しく入ってきたBさんのほうがやる気があっていい」と心の中で思っていて、それが知らず知らずのうちにAさんに伝わり、その結果Aさんが居場所を取り戻そうとやっきになっていることもあるのです。

「Aさんは、部署の人員が少なくて大変だった時期に頑張ってくれていたんだな」
「自分の指示があいまいでもくみ取って、ツーカーでやってくれていたんだな」など、
Aさんのこれまでの頑張りが見えてくると、自然とAさんを立てるようなものの言い方にもなっていきます。
そうなるとAさんの不安も次第に薄らいでいきます。

そのうえで、Bさんにも声かけしていきます。
配属されたばかりでまだ自分の居場所を感じられていないことを配慮しながら、「慣れないことも多い中、よくやってくれて本当に助かるよ」と頑張りを認める声かけをしていくといいでしょう。
「新しい職場はわからないことばかりでしょう。慣れるのに3カ月くらいかかるものだよね。少しずつ慣れてくれたらいいから」とBさんの緊張をほぐすような声かけもおすすめです。
また、「あなたが入る前、Aさんは一人で全部やっていたんだよ」などAさんの苦労話もまじえながら「あなたに入ってもらって、Aさんも助かってると思うよ」と伝えていくのもいいかもしれません。

また、お互いの橋渡し役を意識するのもいいでしょう。
「Bさんが、『Aさんは、こういう細かい点に気を付けていてすごいと思います』と言ってたよ」など、「こんなふうに、ほめてたよ」「こんなところが助かると言ってたよ」と伝えてみてください。
ほめポイントは、ほんの小さなこと、ささいなことでOKです。

部下同士の間に冷たい風が吹いていて職場の空気が重いのは、チーム内でコミュニケーションが足りていないことがほとんどです。
上司が、部下それぞれの小さな頑張りやほめポイントを見つけて「あなたはこんなふうに頑張ってくれたよね」と具体的に言葉にして承認し、感謝を伝えることは職場の円滑油にもなります。

上司がリーダーシップをとって、部下それぞれのいいところを見つけて伝えることで、チーム全体に「お互いのいいところを見る視点」が育っていきます。
そうなれば、しめたもの。
職場の雰囲気もチームの雰囲気もだんだんよくなり、成果の上がりやすい組織になっていくでしょう。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

中村 陽子

恋愛、婚活、夫婦関係、自分らしい生き方、仕事などの悩みをひも解きながら、深層心理にある「本当にほしいもの」「幸せな未来像」を引き出すのが得意。痛みの先にある魅力や才能に光をあて、自己イメージの変容へと導く。生きづらさ、誰にもわかってもらえない孤独感を持つ方も力強くサポートしている。