復縁を求める自暴自棄な元彼(女)との関係が切れません

別れたあとも、相手がとても自虐的で依存的になって、関係性がこじれてしまうことがあります。

相手が傷ついているのを見ると、情もありますし、サポートしたくなりますが、かえって相手は弱くなり、「助けたい」気持ちと、依存的になる相手への「怒り」との板挟みなりがちです。共依存の罠にはまらないためにも、相手の自分の人生を生きる力への「信頼」と自分の「愛せない」罪悪感を手放すことに意識を向けてみてくださいね。

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◎リクエストを頂きました◎
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悲観的で自暴自棄な元彼への対応を教えてください。彼は、復縁を望んでいますが、私は考えられません。彼は、自分が経営している会社のことや母親との関係など他にも悩みはあり、感情の浮き沈みが激しく、穏やかにしていても、急に自暴自棄になって私に当たり出し、復縁しないことで責め、最後は復縁を懇願してきます。私は、いつも「そんなことないよ、大丈夫だよ」と励ましていますが、すべて否定されてイライラします。彼が楽になって、グチるのをやめて、前向きになってくれればいいのですが、どう対応したらいいのでしょうか?もう連絡も取らないで忘れてもらうのが一番いいと思うのですが、それは辛すぎるから無理だと言われます。無視したり着信拒否をするのも違う気がします。私のせいでこんなに苦しんでいると彼に責められている気分で、すごくストレスです。どうしたら、彼が普通の状態に戻る手助けになるでしょうか。
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● 心の境界線を意識してみましょう。

優しい人が陥りがちな「罠」というのがあります。自分にとって大切な人が、みんな幸せであってほしいと願うあまり、つい他人の幸せを「自分の責任」のように感じてしまうのです。誰かの「痛み」を自分のことのように共感できる心の柔らかさは、人としてもちたいものだと私も思いますが、他の人の「心のありよう」は、あなたの責任ではありません。元彼の感情は、「彼」のものなので、彼が苦しんでいるのは、「あなたのせい」ではありません。彼の会社の経営状態も「あなたのせい」ではありませんし、彼と彼のお母様との関係性がどういう状態であるとしても、それは「あなたのせい」ではありません。

「癒し」とは、ものの見方、感じ方、考え方が「変わる」ことですが、当人が「変わりたい」と思わないと、誰が、どんなに頑張っても、「癒し」は起きません。まず、最初の一歩として、彼の感情は彼の責任で、彼だけが「変える」ことができる、という「心の境界線」を意識してみましょう。限界を知ることで、「できる」ことが見えてきます。二人ともが、いつかこの苦しみから抜けられるように、あなたがリーダーシップをとって、自分の悲しみや寂しさを癒したい、前向きになりたい、「変わりたい」と思っていただけると嬉しいです。

● 「愛せない」という罪悪感とどう向き合うか。

元彼の問題は横において、あなたの苦しみの方にフォーカスしますね。あなたのストレスは、彼の苦しみが「あなたのせい」だと責められているように感じること、ですね?この「私が悪い」という感情を「罪悪感」と言います。これは、本当にイヤな気分で、自分をいいものと思えない、酷い気持ちなので、誰しも感じたくはありません。

あなたが彼を「特別なパートナー」として「愛せない」と思ったのは仕方がないことです。「復縁できない」とあなたがご自身の意思を明確にしていらっしゃるのは、とても勇気のいることで、私は素晴らしいと思います。ここでご自分の気持ちをごまかすと、彼に対する怒りを溜め込んでしまいますから、正直でいるのがベストです。

彼を「愛せない」ことでこれだけストレスを感じている、ということは、それくらいあなたは人を「愛したい」人なのだ、という証明でしかありません。「特別なパートナー」とは見れなくとも、彼の「幸せ」を願っていらっしゃいますね?その気持ちに自信をもちましょう。ご自分の中にある、「彼が幸せでありますように。彼が前向きが心を取り戻すことができますように」という願いをしっかりと感じながら、祈ってみてください。

● ひょっとして「助けたい」病?

人に「あなたがいてくれないと困る」と頼られることが多く、自分も「助けたい」と思い、できないと罪悪感を感じるとしたら、それは「助けたい」病かもしれません。次から次へと、助けなければならない人があなたの人生に現れませんか?助けたい「病」と私は呼んでいますが、ここには、深い慈愛の才能が隠れています。ただ、効果的に愛するのには、自分の中の「助けたい」願望を自覚する必要があるのです。

子供の頃、あなたのまわりに、この元彼のように重荷を背負い、助けを求めていた人がいたのでしょうか?その人を助けたいと願いながら、子供ゆえ「できなかった」という罪悪感を抱えていらっしゃいませんか?あるいは、あなたを「愛したい」のに、何らかの事情で(上手に)「愛せなかった」という人がおられましたか?子供の頃の経験から抱えた罪悪感や怒りが、「どうしても助けたい!」という切迫感を作っていることがよくあります。

「助けたい」気持ちが強い人が、本来の優しさや慈愛を効果的に使うために必要なのが、「信頼」と「手放し」です。「(元)彼は、今はボロボロだけれど、きっと彼にとって必要な人に会えるし、彼には立ち直る力がある。彼を助けるのは『私』でなくてもいい」。この「信頼」と「手放し」た感覚を持ちながら、彼に「今はしんどいね」と慈愛をこめて伝えるに止めてください。彼の幸せを祈りつつ、あなたがご自分の幸せのために一歩、一歩、前に進まれるのを応援したいです。

いつか、お二人ともが最高の幸せを手にされますように。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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