祖父と兄のコト

 

相談者名
ウサコ
はじまして。私には85歳になる祖父がいます。
昔は社交的な人だったのですが、加齢と共にひきこもりがちに、
性格もややひがみっぽくなってしまいました。
出歩かないし、新しいものを認めない頑固者な性格のため、
話す話題といったらもっぱら戦時体験ばかり。
この間、とうとう古くからの友人(お爺さんです)にも
「会いたくない」と言って会わなくなってしまいました。
年齢を考えると、ある程度のワガママや出不精などは仕方ないと思うのですが、
あまりにも意固地で不安になります。
残念なことに、母との折り合いもあまりよくありません。
母はイジワルをするということはありません。
それどころか、お年寄り仲間のいるデイ・ケア施設などに息抜きに言ってみたらどう?
と気遣うくらいの思いやりはあります。あと、実家の家業を手伝っている兄がいるのですが、鬱病です。
頑張って働いているのはいいのですが、やはり実家とうまくいってません。

私だけ離れて暮らしているのですが、実家に帰るたびに家の中の雰囲気が暗くなっていて、
憂鬱になります。(正直、あまり帰省したくないですが、頑張って帰ってます。)
どうにかして、祖父と兄に、もう一度昔のようにとはいいませんが、
今よりも少しだけハッピーになってほしいのです。
特に祖父は年齢のことを考えると、少しでも晴れやかな気分になってほしいのです。
ワガママな態度は寂しさからきているのだと思いますが……。
アドバイスをお願いします。長文になってしまい、申し訳ありません。

カウンセラー
中原謙一
ウサコさん、初めまして。

私は中原謙一と申します。

よろしくお願いいたします。

読ませていただいて私が感じたことなのですが、お爺さんは相当感情がたまっている
ように感じられます。

一つは、怒りで、もう一つは、寂しさでしょうね。

実はもう一つありそうなのですが、これは後でお話ししましょう。

おそらく、私の想像なのですが、お爺さんは年を重ねていくごとに、自分が年老いて
きているのを感じていたのでしょうね。
そして、心の中で「役に立てなくなる自分」というのを感じていたのではないでしょ
うか?
お爺さんが昔の話ばかりをしたがるのも、自分にとっていちばんいい時代を思い出す
ことで、自分の存在を認めて欲しかったのかもしれませんね。

そして、どこか自分の存在や価値を認めてもらえなかった分だけ、周りを拒絶してい
きますので、ここでは怒りからの行動になります。

しかし、その下で感じている感情に、寂しさがあるように感じます。
「誰もわかってくれない」「誰も認めてくれない」「誰も必要としてくれない」こう
感じた分だけ、お爺さんは「頑固さ」を使って寂しさを隠しているのかもしれません
ね。
ひねくれ者の態度というのは、「どうせわかってくれないんでしょ」「愛してくれな
いんでしょ」等のネガティブな感情を証明するための態度ですからね。

お兄さんの鬱というのも、どこかで関連がある気がします。
お兄さんが感じている感情も、「怒り」と「寂しさ」でしょうね。
怒りの感情表現の一つに「引きこもり」がありますから、お兄さんはかなり怒ってお
られるのを感じますし、その状態から抜け出すことができないと。絶望に近い寂しさ
を感じているように感じます。

さて、もう一つお爺さんに隠れている感情ですが、これは「恐れ」でしょうね。
お爺さんはどこかで、「死」を強く感じている気がします。
これも私が推測なのですが、もしお爺さんがどこかで死を感じていたとして、お爺さ
んが「忘れられたくない!」と思ったらどうでしょうね。

一般的であれば、自分のことを覚えてもらうために、たいていの人は憎まれるという
やり方をします。
愛される以外に忘れられない方法。
それが、憎まれるですから、お爺さんは無意識でこの方法をとっている感じがします。

さて、ここからが私の提案なのですが、まず、ウサコさんが感じている感情、自分だ
け離れて暮らしていることで、直接的な被害を被らないことへの罪悪感は、持たない
ほうがいいでしょう。
むしろ、離れて暮らしていることで、今回のように状況がよく見える場所にいるわけ
です。
もし、ウサコさんも一緒に住んでいたら、全員鬱でどうしようもなくなっていたかも
しれないんです。
ですので、ここは自分が離れて暮らしていることをラッキーだと思ってください。
家族全員を救うチャンスが、ウサコさんにはありますからね。

そして、ウサコさんを除いてご家族に感情面で一番足りないもの、これが何かを感じ
てみてください。
例えば「認めてくれない」と感じるのであれば、この家族には「認める」ということ
が足りないのかもしれません。

まず、私の目からみて「楽しい」というのはありませんよね。

ウサコさんは、この足りないものを見つけていただき、それをどんな形でもいいので
家族の誰か、一番感情でつながりやすい人とその感情を共有しあってみてください。

そうすれば、直接お爺さんやお兄さんを扱わなくても、家族全員で、ちょっとずつ状
況を変えていくことができるかもしれません。

ポイントは、独りでやろうとしないこと。
そして、家族の中に、仲間を作ること。
さらに、家族にないと感じたものは、ウサコさんが与えるものです。

お母さんでもお父さんでも、すべて自分でやろうとせずに、まず自分と感情をこゆ共
有できる人を褒め、認めて、笑いあってみることでしょうね。
そして、その和を少しづつ大きくしていきましょうね。

それこそ、わからなければいくらでもカウンセリングを使ってください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ウサコさんの心の重しがとれるためのお役に少しでもなれれば、幸いです。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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