髪を染めたくないのに・・・

 

相談者名
しげる
はじめまして。大学生の男です。(ちなみに、就活は数年後です。まだ、時間的余裕があります。)
親や親戚が「髪を(茶色く)染めないのか」と、やかましく、困っています。「何事も経験」という理屈を半ば強引に捻じ曲げる形で「おかしな時期に髪を染めたくなるかもしれないから今のうちやっておけ」「今しかできない」「髪を実際に染めてみることでそういう人たちの気持ちが分かる」などと、髪の毛のことが話題になるといつも言われます。(例えば私の友達が髪を染めた、など。)
私はどうしても髪を染めたくありません。そんなことをしただけで、おしゃれ、自分が格好良くなるなんて思わないからです。本当の格好よさはもっと外見以外の別の所にあるような気がして、ならないのです。似合うか否かの問題もありますし、何より染めるかどうかは各自の判断の自由だと思うのです。私は「染めない」と判断を下している、それだけのことです。
口でいくら言っても分かってもらえず、どうしても染めたくないという考えを示すために、私はこの夏、頭を丸刈りにしました。親・兄弟をはじめ周囲には驚かれましたが、(不評でしたが)髪を染めるよりは100倍いいと自分では思っています。母親はがっかりしていましたが・・・。「前進」は自分ですべきだが、「後退」は自分ですべきでない、と怒られました。私は決して茶髪を「前進」だとも思いませんし、坊主頭を「後退」だとも思いません。就活が始まるまで暫くは坊主頭でもいい位です。染めろとさえ言われなければ・・・。
しかし、坊主にしてもやかましいのには変わりありません。むしろ坊主頭への批判も強まり余計に茶髪、茶髪言い出してくるようになりました。(ただし、染めるだけの毛がないので何と言われようと染めませんし、物理的にも無理なので、その点では自分の主義を通せるので坊主頭はいいと思っています)
私は、この先も染めることはないでしょうが、染めろと言われるのが苦痛です。やはり、就活までは我慢するしかないのでしょうか。いくら言っても、茶髪にしてみろと口やかましいです。でも、私は自分のスタンスを通したい。どうしたらよいでしょうか。よろしくお願いいたします。
カウンセラー
小倉健太郎
しげるさん、はじめまして。

担当をさせて頂きます、小倉健太郎と申します。

どうぞ、よろしくお願い致します。

自分のしたくないことをさせられるって、本当に嫌な気持ちになりますよね。

それが何かしら役に立つように思えることならまだしも、髪を染めるか染めないかという事について、どうして親御さんやご親戚の方がそんなにこだわるかは、私も不思議に思いました。

それに、何より問題なのは、しげるさんが坊主にしてまでもまだ髪を染めさせようとするぐらいですから、一旦言い出したら、どうしても引いてはくれないのですね。

そしてまた、しげるさんも自分の主張を通すために、坊主頭にしてしまうぐらいですから、相当に意思の強い方なんだなと思いました。

そんなしげるさんが、自分のスタンスを貫き、親御さんともうまくいくにはどうしたらいいのか考えていきたいなと思いました。

それではどうぞ、よろしくお願い致します。

まず、最初に聞いて欲しいお話があるのですが、しげるさんは「太っ腹」という言葉を聞いたら、どんな印象を持ちますか?

私は、「気前が良い人」とか、「お金持ちな人」など、ポジティブな印象を持ちますが、今の若い人が聞いたら、もしかしたら、そのままの意味で、「肥満気味の人」など、ネガティブな意味を想像する人もいるかもしれませんね。

昔、日本も戦争を経験していて、本当に食べるものが無かった時代があるという事はご存知ですよね?

それにそれ以前も、十分なほど食べ物が豊富にあったかと言われれば、日本はそれほど豊かな国では無かったと思うのです。

なので、そんな時代の人達から見れば、太れる程食べる事の出来る人がそのままお金持ちや豊かな人というイメージにつながっていても、なんら不思議では無いかと思います。

しかし、今の日本は食べ物は豊富にあり、食べられない心配よりも、むしろ食べ過ぎてしまう心配のほうがよほどしなければならない時代になってしまったので、今度は痩せている人のほうが、賞賛されるようになってしまった訳です。

また、私が生まれた昭和50年というのは、まだTVゲームというものは、一部のマニアや不良の遊びというイメージが強かったと思うのですが、今ではすっかり社会に浸透し、ゲームクリエイターという肩書きはむしろ憧れの様な職業になり、それを目指す為の学校まで用意されているような時代に変わっています。

つまり何が言いたいのかといいますと、今はどんどんと時代が移り変わっていくような時代ですので、親の世代の常識は、子供の代では既に非常識になっていても、なんらおかしくは無いということが言いたいのですね。

確かにしげるさんの親御さんのように、茶髪にすることにそんなにこだわるのは、とても変わっていて、私にもその理由はよく分かりません。

けれども、親が子にそんなにしつこく言うくらいですから、きっと何かしらそう言いたくなる様な理由は、あるのではないかと思います。そして、どんな言い方でも、基本的には親御さんは自分の子供の幸せを願っているものだと思います。

もちろん、しげるさんの人生はしげるさんのものだし、”今”というものをより理解し、そしてこれからの社会を作っていくのは、親御さんよりむしろしげるさんのような若い世代だと思います。

そういう意味でも、私はしげるさんの信じたとおりに、生きたいように生きて欲しいなと思いました。

また、この茶髪にすることへの考え方ですが、確かに親御さんやご親戚の方は、口では「茶髪にしろ。」と言っていますが、それは、おかしな時期(おそらくは社会人になってからという意味でしょうか)にしない為なんですよね?

では、茶髪をあまりいいと思わない気持ちは、しげるさんと同じだと思うのですがいかがでしょうか?

親御さんやご親戚の方にとって、茶髪にする事とはどんな意味なのでしょう?

もしかしたら、「遊び」「自由」「気楽」など、ポジティブな意味も持っているかもしれませんよ。

そうなると、もしかしたら茶髪にさせることが本当の目的ではなく、「社会人になったらなかなか遊べなくなるから、大学生の今のうちは思い切り遊んでおけ。」という親心の可能性もあるのではないかと思いました。

このあたり、ものすごく気持ちにすれ違いがあるような気がしてなりませんので、もう一度そういう目でコミュニケーションをしてみてはいかがでしょうか?

しげるさんにはうまく伝わらなかったかもしれませんが、伝え方が分かりやすい言い方でないだけで、実はものすごく、しげるさんを応援し、味方なのかもしれないと思ったのです。

また、今回このように相談を頂けたのは、心のどこかに、自分を産んでくれた親御さんの意見に従えない自分の事を、「悪い」とか、「親不孝物」だと考える気持ちはありませんか?

私には、しげるさんがそんな親御さん思いの、やさしい息子さんなんだなと感じますよ。

でも、一番の親孝行は、親御さんの言うことに真面目に従うことではなく、たとえ逆らってでも、しげるさん自身が、本当に幸せになる事ではないでしょうか?

しげるさんには、茶髪にするかしないかは問題ではなくなるほど、社会に出ても立派に活躍し、ご両親からも誇りと思われる人物になれる事をお祈りしていますね。

今回は、ご相談ありがとうございました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

この記事を書いたカウンセラー