自分を持ちたい、自分の人生を生きたい

 

相談者名
TD
私は基本的に自主性がなく、自分で考える、ということが苦手です。
すぐに人の目を気にしてしまいます。
そのため自分を生きている感じがしません。
自分がないように感じます。
芯の部分というか… 自信が持てません。
原因は環境だと思います。
昔から母親がなんでも手を出してしまう過干渉で、自分は不自由なくやってきたので甘えてしまっていました。
そのせいか自分で何か決める、といった自主性、親の顔色を伺ってしまう(いい子を演じようとしてしまう)など、自分の人生を生きている感じがしないのです。
危機感もあまりなく、親がなんとかしてくれる、と思ってしまう甘さがあります。
親にはもちろん感謝していますし、反抗期でもありません。
このように親や環境のせいにしてしまっているのも甘えなのはわかっているのですが、なかなかこういった意識を治すことができません。
親と距離を置くために1人暮らしを考えていましたが金銭面で現実的に難しいので、今は家の中で出来る自立(掃除、洗濯、皿洗いなど)をしています。
ですが根本の部分(自信がなく、甘い)はどうしても変えられないのかな?と思ってしまいます。
こんな自分を変えたいのですが、無理にいろいろしてしまうとどうしても精神的にキツくなってしまいます。
カウンセラー
大谷常緑
TDさんこんにちは。
はじめまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。さて、ご相談を拝見しました。
ついつい親の顔色を気にしてしまったり、甘えてしまったりして自分で決められ
ない、自分で自分の人生を生きている気がしないとのこと、辛い状況ですね。
しかし、ご自身でこの状況から変化したいと考えておられること、そして掃除や
皿洗いなどをして自立に進もうと実践されていることは、とても素晴らしいこと
だなぁと思います。
“根本の部分(自信がなく、甘い)はどうしても変えられないのかな?”
と思っておられるとのことですが、決してそんな事はありませんよ。
人は、変わろうとすれば変化できるものです。
多くのカウンセリングをさせていただいていますが、「変わろう」と本当の意味
で決意された方は、変わっていかれています。
ここは「どうせ変われないよ」という前進を阻むご自身の怖れからの声(心理学
では「エゴの声」と言います)に耳を貸さずに、変わる決意をされるといいと思
います。
ちなみに、このエゴの声は、変化しそうになればなるほど、怖いので大きくなり
ますし、また他の人の口から出てきてそれに同意するという形で現れることもあ
ります。
このエゴの声に惑わされることなく、ぜひ、ご自身の人生はご自身で選択する
(人に任せない)という気持ちを持ち続けてください。

さて、ではどのようにすればいいかと言いますと、いくつか心がけてほしい事が
あります。
一つ目は、ご自身を責めない事です。
「自信がない」とおっしゃっていますが、自信とは、自分を信じる事です。
自分で「あれができていない」「甘えている」などと責めていたら、自分を信じ
ていない訳ですから、いつまでも自信はつきません。
人は、一般的に自分ができていない事、ダメだと感じている事に目を向けがちで
すが、自分自身の良いところが必ずありますので、そちらに目を向けるようにし
てください。
そして自分を褒めてあげるようにしてください。
そうすると、今までダメなところばかりを見ていた視点が変化し、過小評価して
いた自分の姿が、等身大の姿に変化していきます。
具体的には、例えば、1日を通して自分を褒めるネタを探します。ここで、褒め
るネタのハードルを上げると、「見つからない」という事になりますが、ハード
ルは低く設定する事がコツです。
「今日、乗り物の中で席を譲ろうと思った」・・・実際に譲らなくても思っただ
けでOK
片づけしようと思っていた所に手を付けた・・・完了しなくてOK
といった具合です。
1日にいくつかは必ずありますので、自分を見る視点を変化させる練習としてや
ってください。
そして、それを口に出して自分を褒めてください。
「今日乗り物の中で席を譲ろうと思った。私って優しいね」
という具合です。

第2番目は、失敗をプロセス(過程)と受け取ることです。
私たちは、失敗してはいけないと思いがちですが、実はそうではありません。
私たちは、失敗を経験して初めてうまくできるようになるのです。
失敗すると、叱られるとか、褒めてもらえないとか、認めてもらえないなど負の
イメージを抱きがちですが、失敗なくして成功はないのです。
例えば、TDさんは失敗せずに生まれてからすぐに上手く歩くことができましたか?
そうではありませんね。
立っては転び、しかしまた立ち上がっては転びという、歩けるようになるという
成功へのプロセスを経てこられたはずです。
失敗することを怖れてしまうと、成功へのプロセスはそこで止まってしまうので
す。
従って、失敗を怖れずに、成功を信じて何事にもチャレンジして欲しいと思いま
す。

第3番目は、焦らないことです。
「無理にいろいろしてしまうとどうしても精神的にキツくなってしまいます」と
のことですが、これは「やらなければ」と義務的になっておられる面と、焦りの
両面がご自身を鞭打っていることになります。
そうしてプレッシャーをかけないとご自身は変化できないと思われているのだと
思いますが、「本当にこうしたい」という思いだけで十分です。
私たちは、同じことをやったとしても、「やりたいからやっている」と感じてい
るか、「やらされている」とか「やらなければならない」と感じているかにより、
その辛さは異なります。
TDさんが本当に変化したいと思っておられるのであれば、「やりたいからやって
いる」訳で、先に書きました「決意」を大切にして焦らず一歩一歩進まれる気持
ちで臨まれることをお薦めします。

最後に、TDさんには、人を喜ばせたいと思われている気持ちがあり、また、人を
喜ばせる事ができるという大きな才能をお持ちだと思います。
ぜひ、できていない自分を見るのではなく、この大きな才能を信じてご自分の成
長を歩んでいただければと思います。

回答がお役にたてれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。