他人との接触による嫌悪感について

相談者名
ピアノフォルテ
こんにちは。いつも心理学講座を拝見しております。50代の男性です。
地方在住で通勤には電車を利用しています。
電車の席は2人席と4人席があり、始発のため、決まって2人席の奥側に座ります。次の駅から席が埋まってきて隣に座る人は男性、女性半々の割合で座ります。統計を取った訳ではありませんが、特に男性の8割の人は、私の腕や肩に密着して座るような気がします。というか、接触することを気にしていないような気がします。私が逆の立場だったら隣の人には当たらないように座ります。他人と密着するのが嫌だからです。密着された時はそれはもう異常な位不快な気持ちで、怒りが湧いてきます。出来るだけ当たらないように身を縮こめています。
こんな風に感じ始めたのはここ5~6年のような気がします。以前調べたことがありますが人には、個人毎にパーソナルスペースがあって、恐らく私は広いんだろうなと思いますが、何故こんなに接触することに嫌悪感を抱くのか不思議で仕方ありません。
何が原因なのでしょうか?対処する方法はないのでしょうか?
お手数ですが、ご教示頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。
カウンセラー
大谷常緑
ピアノフォルテさん、こんにちは。
初めまして。ご相談を担当させていただく大谷です。
いつも心理学講座をお読みいただきありがとうございます。

さて、ピアノフォルテさんの場合は、「こんな風に感じ始めたのはここ5~6年のような気がします」とのお話ですから、それまでは密着されたときの嫌悪感などはなかったのに、年齢を重ねられて出てきた感じでしょうか。

おっしゃる通り、人と人との距離感は、物理的にも、メンタル的にも“パーソナルスペース”という考え方が成り立ちます。
その人が育ってきた環境や家族の人間関係、親密感、子供の頃の愛着の状況などによりそれぞれが本来持っているパーソナルスペースの広さは異なります。
また、それらに加えて、例えば人間関係で信頼感が何かのキッカケで醸成されたり、破壊されたりなどの後天的な要因にもよりその広さは変わってきますし、相手との関係性によっても変わってきます。
ピアノフォルテさんは、5~6年前ぐらいから密着されることが急に嫌になられたとのことですから、人間に対して不信感を抱かせるとか、人との密着によりとても嫌な思い(例えばニオイやふけなど)のご経験をなされなかったでしょうか。

さて、もう一つ原因として考えられるのは、ピアノフォルテさんの内面的な事柄です。
人が人に近づけなる場合の原因としてよくあるのは、自己嫌悪や罪悪感の問題です。
自己嫌悪とは、自分で自分のことを受け容れることが出来ない側面です。
自己嫌悪は、人がそれを嫌悪しているかどうかは別として(多くの場合、気にしていない)、また、事実かどうかは別として、例えば「背が低い」「太っている」など身体的な側面や「仕事ができない」「何をしてもうまくできない」など心理的な側面についての事柄です。
罪悪感とは、「自分は悪い」「自分は罰せられるべき」といった自分に対する観念(思い込み)です。これもまた、事実か否かを問いません。
このような心理的要因があると、たとえ頭ではそう考えていなくても心の深い部分(潜在意識層)で人から離れたいという気持ちが働きます。
ちょっと尾籠な話になって恐縮ですが、自己嫌悪や罪悪感は“おもらし”をしたような感覚に近いものがあります。
人に寄って来られるのは避けたいですよね。

さて、原因の代表例は以上のようなものですが、対処する方法としては、第1番目には感じ方や考え方を変化させるということになります。
人の行動は変えられません。だとしたら、ご自分の感じ方や捉え方を変化させるしか手段は無いですね。
ご理解いただきやすいように極端な例となりますが、終電で嘔吐したり、おもらしをした人がいると、いくら電車が混んでいようと、そのそばには近づきたくないですよね。それは不快だからですね。
しかし、ピアノフォルテさんには人が密着するように近づいてくる、それは相手が不快に感じていないからです。
そういう側面から考えると、ピアノフォルテさんは人を不快にさせていないのです。
人が近づいてきても、不快を感じさせない人なのです。
悪い方に捉えるのではなく、よい方向に変化させる考え方をとるのです。
これは、ご自分の中で練習されるといいかと思います。

その次のステージとしては、その原因となっている事柄を受け容れることになりますが、これはかなり心理的な側面が関わってくると思います。
もしよろしければ、電話カウンセリングにてカウンセラーとお話をされてみてはいかがかと思います。

回答がお役にたてれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。